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44話 錬金術

 ヤヨイ達の元を後にしようとするがまだ果物の事を聞いて無い事を思い出す。


 「そうだ、後で味付きポーション作ろうと思うんですけどリンゴとミカンとモモは買えたんですけどここでは他の味のもありましたよね?他の果物は何処で採れるんですか?」


 「果物は北の森で伐採すると稀に採れるのと木に成ってるのを採取する方法の2通りあるわよ」


 「2つの方法しか無いんですか?育てて収穫するとかはやって無いんですか?」


 「今はまだ育てる事は出来ないわね。まだ果物系の種が見つかってないのよ。私達生産系クランとしては是非とも欲しいんだけどね。ハルト君も見つけたら教えてね」


 「了解です。ここで果物を買う事は出来ますか?」


 「今は果物その物を売ってはいないのよ。ポーション作り使ってて数が足りないから私達が買い取りたい位ね」


 なるほど。育てられないから数がないのか。残念だけど今ある3種類だけで作るしか無いか。


 「そうですか。ありがとうございます。今はあるだけで作ってみようと思います」


 「錬金術で大切なのは丁寧さ。丁寧にやれば良いのが出来る」


 「ありがとうございます丁寧にですね。分かりました。頑張ってみます」


 「ん。それとオリジナルのポーションを作る前に普通のポーションを作ってリストに載せとく事をオススメする」


 アルケミストとしてのアドバイスだろう。教えてくれたマイに礼を言う。


 「了解です。それじゃあそろそろ失礼します」


 「ハルト君またね」


 「またなハルト」


 「また鉄鉱石頼むよ!ハルト!」


 「また」


 挨拶をしてヤヨイ達の元を後にする。


 「「「「はあ〜〜〜」」」」


 「相変わらずやらかしてんな」


 「ホントね。そしてそれに気付いて無いのがまたなんともね」


 「面白いから良いじゃん。素材も売って貰えてウハウハだし」


 コクコクと頷くマイ。


 「まあ引き続き色々フォローするという事で」


 「「「異議無し」」」


 こんな会話をされているとは知る由もないハルトであった。




 ヤヨイ達の元を後にしたハルトは南通りに向かっていた。目的は錬金術のレベリング作業をする為のレンタル工房を借りる為だった。


 「ではここで作業をお願いします」


 「ありがとうございます」


 レンタル工房の受付のお姉さんに案内されたのは個室の錬金工房だった。この施設では1つの建物に幾つもの個室があり錬金術だけではなく鍛治、木工、調合といった専門の道具や設備が必要な作業も出来る個室もあった。


 さて、まずはオーソドックスなポーションから作ってリストに載せといた方が良いんだっか。


 まず薬草と月光草を細かく刻む。この時細ければ細かい程良い。

 次に細かく刻んだ物を水に入れて沸騰させる。

 沸騰したら良く撹拌し、火を止め冷めるのを待つ。

 最後に冷めた液体を濾過して完成。そして出来たのが。



【回復アイテム】

 ポーション 品質D レア度1

 普通のポーション。HPを3割回復させる。

 クーリングタイムは12分。味付けをしていないので不味い。


 品質が1つ下がったけど最初にしてはまあまあかな。これでリストに載った筈。うん、載ってるなよしよし。それにしても出来た瞬間瓶に入って出てくるんだよな。使った時も瓶ごと消えるし。ゲームだしそんなもんなのか?

 まあいいや、じゃあ次は味付きに挑戦しようか。


 違いは沸騰させる前に果物を絞った果汁を入れるだけだったな。入れる量は4分の1程度で良いみたいだ。だから果物1個でポーション4つ分になるって事だな。


 そして出来たのが。


【回復アイテム】

 ポーション 品質D レア度1

 普通のポーション。HPを3割回復させる。

 クーリングタイムは12分。リンゴの味がほんのりする。


 良し!成功だな。


『錬金術のレベルが上がりました』

『ポーションの派生を確認しました。派生登録しますか? YES/NO』


 錬金術のレベルが上がったか。それに派生登録?

 えーと、派生登録はリストに登録されているアイテムに改良が行われたアイテムを登録出来るシステムと。

 なるほど、だから最初にオーソドックスなポーションを作ってリストに登録しといた方が良いって言ってたのか。マイさんに感謝だな。

 この調子でミカン味とモモ味も作って登録するか。


『錬金術のレベルが上がりました』

『乾燥を取得しました』


 錬金術のレベルが3になったらなんか覚えたな。乾燥はそのまま物を乾燥させるスキルか。薬草とかに使うのかな?


 手元に薬草を持って来て。


「乾燥」


 スキルを使うと手元の薬草が一気に乾いていく。


 カラカラに乾燥したな。


 乾燥した薬草を手に持つと脆く直ぐにポキッと折れてしまった。


 うわっ、凄く脆くなってるな。ん?乾燥して脆くなったこの状態の方が細かく出来るんじゃ無いか?この状態ならナイフで刻むよりすり鉢で砕いた方が良いか。


 すり鉢を持って来て中に乾燥薬草を入れ細かく擦っていくとサラサラの粉状にまで細かくする事が出来た。


 おお!なら月光草も同じ様にやってポーションを作ってみるか。


 そして出来たポーションは品質がCだった。


 品質が上がった!このやり方が正解だったのか。お、品質が上がったからリストに上書き出来るみたいだな。上書きしとこ。

 普通のポーションの方を上書きしたら派生の方も品質が上がったな。また作らなくて良いからこれは便利だな。


 この後錬金術のリスト錬成を使い、材料が尽きるまでレベリングをした結果ハルトの錬金術スキルは5まで上がったのだった。

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