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43話 称号

 クルスト到着っと。まずはギルドでMポーションの仕入れからだな。モンスターの素材は今日はヤヨイさんの所で売りたいからギルドで売るのは辞めておこう。


 中央広場からギルドへ行く為西通りへ移動する。その道中で色々なプレイヤーを目にする。


 色んな人が居るな。あれはファイターかな?大きい剣持ってるな。相当筋力にステータス振ってないと持てすらしなさそうだな。

 あの人はメイジか。ローブにとんがり帽子のザ・魔法使いだな。

 あの人は……なんだろ?見た目の服装からでは分かんないな。生産職の人かな?

 あの人はテイマーだな。モンスター連れてるし。ウサギにコボルトにオオカミか、もふもふ祭りだな。こりゃ人気があるわけだよね。


 周りのプレイヤーを観察しつつギルドへ到着し、ここでMポーションを買いギルドを出た。


 えーと、薬草はこの前買ったから次は月光草か。ヤヨイさん達と夜の森に行った時に採ったのがあるけどもう少し欲しいな。


 ハルトは辺りの店で月光草を探し何とか4つ手に入れたのだった。


 月光草少ししか買えないな。ヤヨイさん達が夜の森に採りに行く訳だな。今回はあるだけで作ってみようか。次は味付きにするための材料か。味を付ける為の材料は果物だったか。

 リンゴ味のは薄かったけど今までのと比べたら美味しかったから作りたいな。


 しかし果物を買う為何軒かの店をハシゴするがあまり多くの種類を手に入れる事が出来なかった。


 リンゴにミカンにモモか。NPCのお店ではこの3種類しか見つけられなかったか。ヤヨイさん達のお店ではブドウ味とイチゴ味があったけど何処で手に入れたんだろ?

 入手先教えて貰えるんなら教えて貰おう。大量に手に入ったらヤヨイさん達に売りますって言えば教えて貰えるかもしれないし。


 NPCの店での入手を諦めヤヨイ達の屋台のある北通りへ足を向ける。


 くんくんっ。いい匂いがするな。満腹度も減ってるし何か食べて行こうか。


 いい匂いのする屋台に入り売っていた串焼きを買ってみた。


【食料アイテム】

 野兎の串焼き 品質B レア度1

 野兎の肉を串に刺して焼いた物。満腹度を15%回復させる。ほんのり塩で味付けされている。


 味付けはシンプルだけど美味しいな。携帯食料は味気ないから今度から満腹度減った時はこうやって出来てる料理を買うのも良いな。


 買い食いしながら歩いて行きヤヨイ達の屋台へ近付いて行くと。ガシッと腕を掴まれる。


「えっ」


 いきなり腕を掴まれ驚いていると。


「ハルト来たぞー!」


 腕を掴んだのはカナタでそのまま掴まれたまま屋台の裏へ連れて行かれた。


 屋台の裏へ入るとヤヨイとロバートとマイが居た。


「いらっしゃいハルト君。カナタいきなり腕掴んで連れて来ちゃダメよ?」


「大丈夫だよ。大丈夫だよね?ね?」


「は、はい」


 カナタの笑顔での圧力に負け頷くのだった。


「さあ!鉄鉱石を持ってきたんでしょ!さあ出して出して!」


 机をバンバン叩きながら催促される。


 まあ売りに来たから出しますけど…。


 ハルトは苦笑いしながら鉄鉱石を3つ机の上に出す。


「おお!さっすがハルト!もう3つも採って来てくれたのか!私が見込んだだけあるね!」


 そう笑顔で背中をバンバン叩かれるハルトだった。


「何が私が見込んだよ。カナタはこの前会ったばかりでしょうに。でも流石ハルト君ね。パーティで採掘してならともかく1人で3つは流石としか言いようがないわね。鉄鉱石の発掘率はそんなに高く無かったでしょ?」


「そうですね。でも3マス目に進んだら1つの採掘ポイントで2つ出てくれたんで運が良かったですね」


 ハルトがそう言うと4人とも呆れた様な顔をしていた。


「ハルトお前2日前に2マス目に進んだばっかだろ?なのに何でもう3マス目に行ってんだよ…」


 ロバートのその言葉に無言で頷く3人。


「あー、素材も売りたいんですけど買って貰えますか?」


 「勿論買うわ!」


 おぉう、ヤヨイさんの目が光った様に見えたけど気のせいだよな。GPOにそんな仕様はないはず。とにかく素材出しとこう。


 鉄鉱石を出した机に昨日狩りをして獲得した素材を出していく。


 「蝙蝠の羽に謎の骨にスライムゼラチン。それからロックアントの素材の顎と甲殻ね。ちょっと数があるけど大丈夫ね。精算するからちょっと待っててね」


 そう言うと素材を持って別の机へ行ったのだった。


 「そういえばハルト、統計データ見たか?」


 「見ました。相変わらずサモナーは俺1人でしたね」


 「そっちじゃなくて称号の方な。β版には無かった要素で正式版からの要素なんだよ」


 称号は正式版から追加された要素だったのか。だからまだ俺1人だけなのか。あれ?でも知らなくても魔法スキル全部取る人なんて結構居そうだけど?


 ハルトは知らなかったが魔法スキルは多くて3つまでというのが常識だった。何故なら魔法スキルを多く取るとスキルを育てるのが大変になるからだ。なので他の人とクランやパーティを組むと魔法スキルは多くて3つまでと教わるのだがハルトはその辺を教わること無くプレイしていたので気付かずに全部取ってしまったのだった。だが今回はそれがプラスに働いた様だ。


 「でだ、今それが誰かって事が話題な訳なんだが」


 「私達の中ではハルトが有力」


 マイがじーっとハルトを見ながらそう言うので。


 「確かに俺ですね」


 「はぁー、やっぱりか。ちなみにそれって俺達でも取れそうか。ああ!条件は言わなくて言いぞ!」


 ロバートが慌てた様に言い加えた。


 「別に隠す程の事でも無いと思うんですが。まあ誰でも取ろうと思ったら取れると思いますよ?」


 そう言うと呆れた様にカナタが。


 「ハルト。こういうゲームじゃ情報っていうのは宝なんだよ?だから気軽に自分が称号持ちとか言っちゃダメだよ?誰でも取れそうなら尚更ね」


 「でも情報を独り占めして周りの人に反感買わないですか?」


 「ゲームを進める上で重要な情報なら隠してると反感を買うかもしれないけど称号はまだどんなのがあるのか全然分かってないから別に構わないだろ。まあ後々公開してくれって頼む事になる可能性も否定出来ないが」


 ロバートの言葉にそんな物かと納得する。


 「分かりました。称号の事は誰にも言わない様にしときます」


 「それが良い。俺達もここに居るメンバーとハルトを知ってるメンバー以外には知られない様にしとくよ」


 話しがついた所でヤヨイが戻って来る。


 「それが賢明ね。攻略組の中には無茶言ってくる様な人もいるから黙ってた方が良いわ。はい、これが今回の代金よ。またお願いね」


 そう言って渡された袋はずしりと重かった。それを内心ガッツポーズしてインベントリにしまう。

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