表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/148

38話 岩山洞窟

岩山の麓に辿り着いたハルトはマップを確認していた。


やっぱりここから先が3マス目?岩山の向こうが3マス目じゃなくて岩山が3マス目って事か?でもこれってどうやって登るんだ?


ハルトが戸惑うのも無理はなく。目の前にある岩山には登り口の様なものは無く、ほぼ崖の様に切り立っていたのだった。

ハルトはどうして良いか分からず崖に沿って歩いていると、洞窟の入口らしき物を見つけた。


ここから中に入れる様になってるみたいだな。という事はこの中の洞窟が3マス目って事か。


中を少し覗き中へ入っていく。


中は真っ暗で何も見えないな。


「ライト」


ハルトがライトを使うと光の球がハルトの頭上に浮かび辺りを照らす。


おー!なんかワクワクしてきた!こういうのゲームやってるって感じになるな!


ハルトがウキウキでどんどん先に進んで行く。


「うわっ!なんだ!」


突然黒い物体がハルトの顔を目掛けて飛んで来て、ハルトは咄嗟に顔を横に移動させ回避する事が出来た。


何が飛んできたんだ?あれは……コウモリか!


コウモリ Lv12

状態 アクティブ

サモナー


レベルは12か、前のマップと同じ位か。しかも仲間に出来る種類のモンスターで空を飛べるモンスターは是非とも仲間に入れときたいな。カルマも飛べるけどカルマはどっちかって言うと地上がメインだからな。けど問題は…。


ハルトの前には突っ込んできたのとは別に7体のコウモリがいた。


うん、数が多いな。3マス目に入っていきなりコレかよ!とにかくカルマには前の7体のコウモリを何とかして貰おう。


「カルマ前のコウモリは頼んだ!俺は後ろのをやる!」


とは言え7体相手に完全に後ろを向くのは怖かったので壁を背にして後ろに行った1体に対して斜に構えた。


「ファイヤーショット!」


ハルトが放った火の弾がコウモリに向かっていくがコウモリにヒラリと避けられてしまう。


空中にいるし速いし小さいしで当て難いな。30センチぐらいか?今までのモンスターの中で1番小さいか。これは威力の高い魔法よりスピードのある魔法の方が良いか。


「ウィンドエッジ!」


風の刃がコウモリに勢い良く飛んでいき今度は避けられずコウモリの羽にヒットした。多少バランスを崩したもののまだまだ元気な様だ。


良し、当てる事は出来たな。でもそんなにHPが減らないか。どうする?カルマが来るまで1人でどうにかなるか?


ハルトが思案しているとカルマ側からゴウッと音がし、そちらを見るとカルマが7体に向けて炎が放たれていた。


アレは最初に見せた火魔法の範囲攻撃か。アレなら相手が速くて小さくても、洞窟の中なら逃げ場がない。上手いな。流石に3マス目になると一撃じゃあ死ななくなって来たか。


コウモリのHPバーを見ると3分の1程度残っていた。


アレならこっちにコウモリが向かって来る事は無いだろ。こっちはこっちで何とかHP半分削ってやるか!


「カルマ、そっちが終わっても指示があるまで待っててくれ。精神集中!」


杖を構え一時的に精神のステータスを上げる精神集中を使い、剣に持ち替えコウモリに向かって構える。

するとコウモリが体当たりをして来るがハルトはそれを避けお返しとばかりに剣で攻撃する。

しかしそれはコウモリに避けられてしまう。


ちっ、簡単には当たってくれないか。なら。


「ウィンドボール!」


魔法が当たり怯んだ隙にハルトは剣で攻撃を当てていく。2回程斬りつける事が出来たが直ぐにコウモリに距離を取られてしまう。


ウィンドボールを当ててからなら少しは攻撃出来るな。MP消費的にウィンドエッジじゃなくてウィンドボールの方が今回は良いだろう。


追撃から逃れたコウモリは再び体当たりをして来る。


また来たか!……なっ!


ハルトはまた避けて攻撃しようとするが、今度は避けようと横に飛び退いた方にコウモリが直前で曲がりハルトに直撃しハルトの腕に張り付いたのだった。


くっ、直前で曲がって来るのかよ!なら剣か魔法で迎撃するしか無いな。ダメージは貰ったけどそんなに大きくないから何度か失敗しても大丈夫だろ。それよりこのまま噛み付かれても堪らないから早く引き剥がさないと。


コウモリを引き剥がそうと剣の柄でコウモリを殴るがコウモリは離れない。しかも殴っているにも関わらずダメージを与えるどころか回復していた。


あっ!こいつ俺の血を吸って回復してやがる!早く離れろ!こうなったら!


「ファイヤーショット!」


火の弾がコウモリに直撃し吹き飛ばされて行く。


ダメージが少ないけど張り付かれると回復されるのは勘弁だな。剣で与えた分は完全に回復されたか。


体勢を立て直し距離を取ったコウモリに対して剣を構える。そして三度コウモリは体当たりをして来た。


もう少し、もう少し、ここだ!


ハルトはコウモリに避けられない様になるべく引き付けてから剣を振り見事に的中させたのだった。


「ウィンドボール!」


そして魔法を放ち剣でダメージを与える。


これを繰り返していけば時間は掛かるが勝てる。問題はMPが尽きる事だけど、HPを半分減らすまでなら持つ筈だ。


それから何度も同じ作業を繰り返し、途中一度失敗して回復されるがコウモリのHPを半分以上減らす事に成功したのだった。


はぁはぁ、何とかここまで来たか。もうMPも残り少ない。失敗して回復されるのもゴメンだ。カルマの方はどうなってる?


チラッとカルマの方を見ると既に戦闘は終わっており、少し離れた所からじっとコチラを見ていた。


流石だな。後はこっちもカルマに任せよう。


「カルマ。後は頼む。アイツに止めを刺してくれ」


ハルトの指示を聞くと嬉々としてコウモリに向かって行き剣を振るう。コウモリも何発かは避けていたが剣が掠り体勢を崩した後、カルマの魔法を受けそのHPバーが砕け散ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ