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33話 ジャイアントゴーレム戦開始

 その後ボスへ辿り着く道程で何度かコボルト、ワイルドアントと遭遇し、流石に無傷とはいかなかったが、それでも想定よりも順調に進みもうすぐフィールドボスという所まで辿り着き、簡易テントを使い一旦ログアウトする者やインベントリを確認したりして休憩をとっているのだった。


「中々順調に辿り着いたわね。次はボス戦だからHPが減っている人はポーションで全快まで回復しといてね」


 そう言われてハルトとカルマはポーションを飲んだのだった。

 ちなみにカルマはポーションを飲んで顔を顰めていた。


「まだ初期の不味いポーション使ってるの?」


「色々やりたい事があってまだポーション作りまで手が回ってないですね」


「今ならプレイヤーの店でそこそこの味のならもう買えるわよ?勿論私達のお店でも買えるわ。味には結構自信もあるのよ?」


 そうウインクしながら自慢げに宣伝して来るのだった。


「今度買いに行かさせて貰います」


「待ってるわね。さて、ハルト君。昨日のフィールドボスの対処方は覚えてる?」


 ヤヨイの問に対し、ハルトはしっかり頷き。


「はい、覚えてます。東のフィールドボスのジャイアントゴーレムは普通のゴーレムと同じで物理攻撃、特に斬撃が効き難いけど魔法は効果的なんですよね?だから道中一切魔法を使わずに温存して来た訳ですし」


 そう道中魔法を使わなかったのはジャイアントゴーレムに魔法が有効な為、MPを温存していた為だった。

 道中MPを使ってもMポーションで回復させれば良いのでは?とも聞いたが、Mポーションはまだ貴重でそこまで数が揃わないのでジャイアントゴーレム戦に全て注ぎ込んだ方がコスパも良いと言う事で道中魔法禁止ということになったのであった。


「そうジャイアントゴーレム戦では私達がジャイアントゴーレムの気を引くからハルト君とカルマがメインになって貰う事になるわね。だから、はいこれ」


 そう言って渡されたのはMポーション5本だった。


「これ、良いんですか?貴重なんでしょ?」


「それだけハルト君への期待が大きいって事よ。私達も魔法が使えない訳ではないけれど、純粋な後衛職のハルト君の方が威力も高いわ。ならハルト君とカルマに使って貰った方が早く攻略出来ると思うの」


【回復アイテム】

 Mポーション 品質C レア度2

 普通のMポーション。MPを3割回復させる。

 クーリングタイムは10分。味付けをしていないので不味い。


 確かに回復するMPは固定じゃなくて割合だからステータスを魔力に多く振ってる俺が使った方が良いのか?

 それに魔力と精神も高いカルマに使わせるのも有りだな。


「分かりました。有難く使わせて貰います」


 ハルトはお礼を言って、受け取ったMポーションをインベントリに仕舞っていく。

 ハルトがアイテムを仕舞い終えるとログアウトしていたメンバーが戻ってきた。


「皆揃ったし、じゃあ行きましょうか」


 ヤヨイがそう言うと皆立ち上がり簡易テントを出て行く。最後の1人が簡易テントから出ると簡易テントはパッと一瞬で消えたのだった。


 そして少し歩いた所で、それが見えてきたのだった。


 大きい、アレがβ版でプレイヤー達を阿鼻叫喚に陥らせて「バランス考えろ」や「序盤で無理ゲー」などクレームが相次いだという悪名高きフィールドボス。少し離れた所からでも分かる巨大な岩。あれがジャイアントゴーレムか…。


 ハルト達が近付いて行くと巨大な岩は形を変えていき、ジャイアントゴーレムへと姿を変えていく。その姿はゴーレムと似ているが大きさは5メートル弱で、普通のゴーレムよりゴツイ印象がある。最大の違いは普通のゴーレムは目が2つあるのに対し、ジャイアントゴーレムは1つ目だという事だった。


 ジャイアントゴーレム Lv??

 状態 アクティブ


 レベルが見えない!ジャイアントワイルドドッグの時は見えたのに!それだけ強敵って事か。


「行くわよ!」


 その合図と同時にゴーレムの左にヤヨイとカナタが、ロバートと小次郎が右へと走って行く。

 まずは左右に走って行くメンバーが安全にジャイアントゴーレムに近付ける様に、ハルトとカルマは魔法を使い注意を自分達に向けるのだった。


「ファイヤーショット!」


 ハルトが放った魔法がゴーレムの腰部分に当たるが、ジャイアントゴーレムのHPバーはほんの少し減っただけだった。


 効き易い魔法でこれかよ!滅茶苦茶じゃんか!


 ハルトは内心で毒を吐きながらもう1発魔法を放ったのだった。


「もう1発ファイヤーショット!」


 今度の魔法はジャイアントゴーレムの顔を狙ったが、今度の攻撃は躱されてしまった。


「ハルト君!顔は避けられ易いから普段は他の場所を狙って!」


 ハルトはヤヨイの言葉に頷きで返していた。

 その間もジャイアントゴーレムは攻撃してきたハルト目掛けて歩いて来ていたのだった。


 ただ歩いてるだけなのに軽い地響きが起きるとかどんだけよ。


「カルマも魔法中心で攻撃するんだ!」


 その指示を聞きカルマも攻撃を開始する。カルマが手を前に掲げると、その手の前に炎が現れその形を矢の様に変えていく。そして、矢の形になった炎はジャイアントゴーレムの胴体に向かって勢いよく飛び出していった。


 おお!あれは何の魔法だ?少なくとも俺のファイヤーショットよりかは上のレベルでは覚えられる魔法だろうな。


 カルマの放った火矢がジャイアントゴーレムに着弾すると「ドンッ」と音がする。


 カルマのあれでもHPバーの減りは全然1割にもならないか。防御力が高いのか、HPが多いのか、それともどっちもなのか、長い戦いになりそうだな。


 そう思いハルトは長期戦の覚悟を決めたのだった。


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