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32話 フィールドボスへの道中

 「うーん、確かにカルマは凄いと思うが。コボルト相手ならもっと圧倒出来ててもおかしくないと思うんだが、、、どう思う?」


 これがカルマの戦闘を初めて見た小次郎さんの感想だった。


「確かに、前見た時は夜だったし私達も戦闘してたからあんまり気付かなかったけど二つ名持ちだし、もっと圧倒してもおかしくはないわね」


「もしかしたらハルトとカルマのレベル差があり過ぎて完全には指示を聞いていないのかもな。もしくは敵が弱過ぎて本気になってないだけかもしれない。種族がブラックデーモンで悪魔だし、一撃で仕留めず甚振るのが好きなのかもな」


「種族によってそんな傾向があるんですか?」


「ああ、例えば肉食系の従魔、召魔なら攻撃的だし草食系なら防御的な傾向があるな。まあ、それしか出来ない訳じゃないしちゃんと指示には従うからそんなに重要視はされてないんだがな」


「そんな要素もあったんですね。じゃあ種族でもある程度バランスみた方が良いんですかね?」


 ハルトが首を傾げながら悩む。


「さっきも言ったが、そんなに重要視されてないからそんなに気にしなくて良いと思うぞ?それよりレベルを上げてこっちの指示を確実に聞いてくれる様にした方が良いだろうな」


「そうなんですね。レベル上げを優先してみます」


「よっしゃ!採掘のレベルアップ!」


 ハルト達が話をしている横でツルハシを持って発掘をしていたカナタが機嫌良く大声を上げていた。


「貴方もちょっとは話に参加しなさいよ」


 ヤヨイが溜息を着きながらカナタに苦言を言うと。


「私は難しい話より体を動かしてた方が良いからね。お!また発掘ポイント発見!」


 カナタが新しく見つけた発掘ポイントに近付いて行くと。


「うわっ!」


 発掘ポイントの近くにあった岩が動き出したのだった。


「お、ゴーレムだな。ここでは遭遇率はあんまりなんだが、カナタは中々良い引きをしてるな」


「でもボス戦前には会いたくなかったわね」


「まあ、折角会えたんだから倒して行くか」


 ロバート、ヤヨイ、小次郎がのんびり会話をしていると。


「なんでも良いから早くこっち来て手伝ってよ!」


 カナタはゴーレムの攻撃を躱しながら抗議の声を上げていた。


「行くか。ゴーレムはサモナーが仲間に出来るがやってみるか?」


 ロバートが笑いながらハルトに話しかけて来るが。


「辞めときます。前にやった時に2時間位掛かったので」


「はははっ!ゴーレムは硬いからな。1人で削るのはレベルがある程度高くなってからじゃないとキツいわな。じゃあ行くか。皆でやれば早いだろ」


 そう言ってロバートはゴーレムに向かって走り出したのだった。それに続いてヤヨイと小次郎も走ってゴーレムに向かって行った。


「カルマ!俺達も行くぞ!」


 そう言ってハルトとカルマもゴーレムに向かって行く。


「ボス戦の予行練習と行きましょう。メインはカナタとカルマで行くわよ。他の皆は2人にヘイトが集中しないように適度に攻撃しつつ2人のサポートよ!」


 カナタに向かって腕を振り下ろしているゴーレムの横からカルマが近付き、持っているツルギで斬りつけるとゴーレムのHPが1割弱減ったのだった。


 前にアッサムが攻撃した時よりはダメージを与えているけど、カルマとアッサムの強さを比べたらもう少しダメージを与えれてても良いと思うだけど。

 前のやつよりこっちのがレベルが上なのかな?


 そう思いハルトはゴーレムを鑑定してみた。


 ゴーレム Lv10

 状態 アクティブ

 サモナー


 前のやつよりレベルが3つも上か!それなのにアッサムより与えたダメージが多いっていうのは流石カルマって事か。


「ゴーレムに剣でそこまでダメージを与えられるとは流石だな。普通はゴーレム対策に鈍器系の武器を用意して持ち替えるのが多いんだがな」


 小次郎がそう言ったので、ふとヤヨイとロバートの方を見てみると2人の手には先程までの武器と違い棍棒が握られていた。


 小次郎さんに感心されたけど…。知らなかっただけです。

 それにカルマの武器って外せるのかな?特殊っぽいし持ち替えとか出来るのか?

 今度俺用に買って試しに持たせてみようかな。


「カナタ!一撃入れて下がって!小次郎とロバートは左右から攻撃してカナタから注意を逸


 らして!ハルト君とカルマはなるべくゴーレムの後から攻撃して、ヘイトが来たら回避に徹して!」


 そんな風にハルトが考えている内に戦闘はヤヨイの指示の元、順調に進んでいく。


 やっぱり全然役に立てないな…。まあ後衛職だから前線で役に立たないのは当たり前だけど。

 他の人と組んだ時に役に立てる様に新しいスキル取ろうかな?

 後衛だからやっぱり魔法スキル辺りが本命か。モンスターを仲間にするのに自分で5割削るとなると有利な属性で攻撃出来た方が良いから魔法は全属性行っとくか?


 ハルトが色々考えている内にカナタがゴーレムに止めを刺していた。


『鑑定のレベルが上がりました』

『剣技のレベルが上がりました』

『スラッシュを取得ました』


  お、剣技がレベル8になってスラッシュが使える様になったか。どんな技だろ?

  ふむふむ、斬撃を飛ばす技か。技の使用にもMPを使うのか。俺の場合は魔法に重点を置いてるからあまり使わないかな?


「ふぅ。ボス戦に向けて色々制約あった割には早く終わったね。もう少し時間掛かるかと思ったけど」


「そこはハルト君のカルマのお陰ね。剣での攻撃なのに大槌のカナタよりダメージ与えてたしね」


「ホントそれ。私結構硬いモンスター相手には自信あったのにさ」


「相手が悪いだろ。格上の上に新システムの二つ名持ちモンスターだからな。今のワシらでは勝てんだろ」


 残念そうに言うカナタを小次郎が励ましていた。


「カルマには勝てんでもカナタがトップクラスの攻撃力を持っている事実は変わらん。しっかり自信を持て」


 カナタさんの攻撃力はトップクラスだったんだ。コボルトも吹っ飛ばしてたしゴーレムにもカルマよりかはダメージを与えれてなかったけどそれでも、他の人よりもダメージを与えてたのは確かか。


「解体も終わったし、急いで先に進みましょう。このペースだと夜になっちゃうわ。夜のボス戦なんて嫌よ?」


 ゴーレムに解体ナイフを突き刺してドロップ品を回収したヤヨイさんが皆を急かす。


「おっと、そうだな。すまんな坊主。つい話し込んじまって」


「聞いてるだけでも勉強になるんで構わないですよ」


「すまんな。先を急ごうか。モタモタしてたらヤヨイの言う通り夜になっちまうからな」


 そう言うとハルト達はボスに向けて急いで移動を再開したのだった。

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