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28話 ゴブリンパーティ

 外に出てモンスターを探しているとゴブリンが5体見つかった。またかと思いながら戦おうとすると少し違和感がある事に気がついた。


 なんだ?こいつら妙に統率が取れてないか?


 ハルトが感じた様にこのゴブリン達はいつもの様に飛びかかっては来ず、互いに距離を空け過ぎずこちらを窺うように近づいてくる。


 気になってゴブリンを鑑定していくと。


 ゴブリンリーダー Lv10

 状態 アクティブ


 ゴブリン Lv7

 状態 アクティブ 指揮下


 こいつが原因か!しかもレベルも高いな。見た目は他のと全く変わらないから油断してたら足元をすくわれるパターンだな。他のゴブリンの状態にも何か付いてるし。


「カルマはあのゴブリンリーダーを、アッサムとゴブスケは俺と一緒に他のゴブリンを相手にするぞ!」


 そう指示を出し、カルマはハルトに示されたゴブリンリーダーに向かって走り出す。


 しかし、そのカルマの前に普通のゴブリンが飛び出しその進路を塞いだのだった。


「なっ!そんな連携もしてくるのか!」


 カルマの足止めをしているゴブリンはカルマには敵わないと分かっているようで、無理に距離を詰めずにある程度の距離を保ちながらカルマを牽制していた。


 くそっ、この分じゃカルマでもすぐにこっちには戻って来られないかもしれないな。カルマが来るまで俺たちだけで何とかしないと……。


 アッサムとゴブスケを前衛にし、ハルトは少し後ろに下がりゴブリンを迎え撃つ準備を整えた。


 戦闘の口火を切ったのは普通のゴブリンたちだった。


 3体のうち真ん中に居たゴブリンが殴りかかってきた。


 殴りかかってきたゴブリンをアッサムが受け止め、その間にゴブスケに攻撃を加えてもらおうとしたが、その攻撃を脇に居たゴブリンにより防がれてしまった。


 ゴブリンが防御!今までモンスターは攻撃か避けるしかして来なかったのに。これも指揮下の影響か!


 防御されてるとはいえダメージは入るが防御の上からではあまり大きくはない。


 何とか隙を見つけて攻撃しようとするが攻撃を防ぎ防がれてがしばらく続く。


 くっ、こうまで防御がしっかりしてると中々削れないな…

 俺の攻撃魔法も召喚でMPが少ないからあんまり撃てないし…

 アッサムも少しずつHPが削られてるけど何とかチクチク攻撃しながらゴブリンの数を減らさないとな。


 その後もハルトも剣で攻撃を加えつつ、何とか片方を倒すと、急にゴブリンの動きが乱れ始め残った2体のゴブリンは滅茶苦茶な攻撃を始めた。


 1匹倒されてパニックにでもなったのか?


 そう思いつつ攻撃を凌いでいると、こちらに向かって走って来るカルマの姿が目に入って来た。


 そうか、カルマがゴブリンリーダーを倒したから指揮下が消えたのか!


 普通のゴブリンより攻撃が滅茶苦茶なのは指揮下が消えた影響だろう。


 その後残りのゴブリンのうち1体はカルマがあっさり片付け、もう1体をハルト達で囲んでボコボコにして片付けたのだった。


『ハルトのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』


 お、レベルが上がったか。まあまだ魔力優先で上げておかないとな。召喚枠もまだ増えるし攻撃魔法も使うとなると今のMPじゃ全く足りないし。


『ボーナスポイントを2ポイント獲得しました』

『鑑定のレベルが上がりました』

『剣技のレベルが上がりました』

『召喚魔法のレベルが上がりました』

『アッサムのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』


 お、アッサムのレベルも上がったな。リーダーが居た分経験値的に美味しかったのかな?


 ここは体力を上げておくか。


 ハルトはゴブリン達に解体ナイフを突き刺してアイテムを回収していく。


 うーん、ゴブリンから魔石の欠けらが1つだけか。ゴブリンリーダーからは何も取れなかったか。


 それにしてもゴブリンリーダーが居ると大分厄介だな、カルマが居なかったら詰んでた可能性があるな。


 確か最初の街を中心にして離れる程モンスターが強くなるんだったよな?


 ここは西に2つ進んだ西2マップだから2マス先のモンスターって事だな。


 でもここから北や南に行った西2北1でも西2南1でも強さは2マス先と同じだったか。更に進んで西2〇3とかになると3マス先の強さになると、要するにマップで確認した時の表示で1番高い数字の場所の強さのモンスターが出るって事だな。うん。


 まだ俺達には2マス先は早かったかもしれないな。


 アッサム達のレベル的にもキツいしパーティのバランスも良いとは言えないしな。


 一旦村に戻って今後の方針でも考えるかな?


 ハルト達はソヨ村に向かって移動し始め順調にモンスターにも出会わずにソヨ村に着く寸前だったが。


 ……げっ!


 まさか寄りにもよってゴブリンリーダーの居るやつかよ…。


 んー、さっきはカルマにリーダーを優先して倒して貰ったけど、今度はこっちに残って向かって来たゴブリンの迎撃に当てる方が良いかな?


 そうして思案しているとゴブリン達がこちらに気がついたようで、ゴブリンリーダーが指示を出したような動作をするとゴブリンリーダー以外の4体ゴブリンがこちらに向かって走り出した。


 走ってきたゴブリンのうち1体がそのままの勢いで殴りかかってきた。


 それをアッサムが受け止め今度はカルマが斬り掛かる。それを別のゴブリンがスっと割って入って防御する。


 前回と同じ流れだったが前回とは違った部分があった。


 おお!防御の上からでも一撃か!流石カルマだな。これならゴブスケも守りに入らせて攻撃はカルマに任せれば安全にしかも早く倒せるな。


 ハルトが思った様に皆が防ぎカルマが攻撃していくとあっさりとゴブリン達を全滅されられた。


 良し!後はゴブリンリーダーだけだな!ってあれぇ?


 ハルトがゴブリンリーダーの方を見るとゴブリンリーダーは猛スピードで逃げていて、直ぐに見えなくなってしまった。


『気配隠蔽のレベルが1つ上がりました』


 指揮下のゴブリンが全滅すると逃げるのかよ…。


 ゴブスケのレベルも上がらなかったし、ゴブリンリーダーが逃げると経験値的にも美味しく無さそうだな。

 ゴブリンリーダーを倒すには指揮下のゴブリンが残ってないと無理そうだな。今度からはゴブリンを1体は残しておかないとな。


 そう考えながらハルトはソヨ村へと戻って行ったのだった。

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