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23話 夜の森

 3人とパーティを組み、5人パーティになったハルト達はモンスターを狩ったり、薬草、キノコ、木材なども採集しながら進んで行く。


「伐採ってスキルだけじゃダメなんですね」


「そうだよー。スキルだけあっても伐採用の斧が無いと木材は取れないんだよ」


「え!特殊モンスターの召喚にMP50も使うの!」


「そうなんですよ。おかげでレベルの割に魔力以外のステータスが低いし、召喚にMPをほぼ使うんで、戦闘に参加出来ないんですよ」


「なるほど、錬金術は錬金セットでやるより工房でやった方が効果が高いと」


「そっちの方が効率が良い」


 などなどお互いの情報交換もしていると、次第に辺りは暗くなってきた。


 街中とは違い街灯が無く、森の中なので月明かりもあまり無いため、辺りは非常に薄暗かった。


「ライト」


 そこで、アルケミストのマイが光魔法のライトを唱えた。するとマイの手の平から光球が飛び出してきてマイの頭の上に浮かんだのだった。


「あ、結構明るくなるんですね」


「そうね。ライトは光魔法のレベル1の魔法の割には便利だから、パーティに1人は光魔法を使えた方がいいわね。今度のイベントでも暗い所での討伐っぽいしね」


 そういえば、まだ今度のイベントの準備を全然して無かったな。こうして見た感じ光魔法を覚えるのも悪くは無いかも知れないけど、俺の場合はMPが問題なんだよな。


「マイさん。ライトって、MPどれくらい使うんですか?」


「2。効果は30分」


「へー、それなら俺のMPでもなんとかなりそうですね」


 消費MPが2で効果が30分なら自然回復である程度は賄えるだろ。


「ん、オススメ」


 早速ボーナスポイントを2ポイント使って光魔法を取得した。


 良し。これで明かり対策は充分だな。


 視界を確保したハルト達は森の中を突き進んで行く。


「そういえば目的の素材とかあるんですか?」


「夜にしか取れない月光草とフォレストオウルの尾羽が欲しいのよ。月光草はポーション作りに必要だし、フォレストオウルの尾羽は矢の素材に良いのよ」


「ポーションの材料ですか。それなら俺も欲しいですね。店で売ってるヤツは不味いんで、できたら美味しいのが作りたいんですよ」


「私達も同じ理由ね。美味しいポーションは需要が高いから、薬草はともかく月光草はすぐに無くなっちゃうのよ」


「まだ、夜の森に入れる人が少ないから大変だよ。今回ハルっちが居てくれるから、ちょっとは楽が出来るかな」


「俺では役に立てませんけど、カルマが居るんでなんとかなると思います」


「あの実力なら楽勝だよねー」


 3人もカルマの強さを見ているので、今回は楽が出来ると喜び歩いていると。


「お、あったあった。おーい、ハルっち。採取ポイントあったよー」


 アイの示す方向を見るとそこには採取ポイントがあった。そこではアイの他にヤヨイとマイも手を伸ばして、採取していた。どうやら3人共採取スキルを持っていたようだ。


「お、月光草2つゲットー」


「む、1つ」


「私も2だわ」


 慌ててハルトも採取ポイントに手を伸ばすと、月光草1つと薬草が2つ手に入った。入手出来るのが複数ある場合は同時に入手できる事もあるようだ。


「俺は月光草は1つですね」


「おー、みんな手に入るなんて幸先良いねー」


 いつもは誰か1人ぐらいは入手出来ない人がいるらしいが、今回は運良く全員が入手出来た事を喜んでいた。


 全員が月光草を入手出来た事を喜んでいると、森の奥からオオカミがやって来た。しかしその数は昼間よりも多く、その獰猛さも増している様な雰囲気があった。


 オオカミ Lv9

 状態 アクティブ

 テイマー


 レベル9!昼間よりも断然高いな。しかも数も多い。


「気を付けてね、ハルト君。夜のモンスターは昼間よりも好戦的で数も多いから厄介よ」


 そうハルトへ声をかけた後、ヤヨイ達はオオカミを相手に戦闘を開始した。


 ヤヨイのアドバイスを受けて、ハルトのカルマへの指示は。


「カルマ、任せる」


 丸投げ。


 雑な指示にもかかわらずカルマは襲ってくる無数のオオカミからハルトを守りながら返り討ちにし、襲い来るオオカミの波がひと段落すると攻勢に出て行き、危なげなくオオカミを全滅させた。


 残るのはヤヨイ達が相手をしている2匹のオオカミだった。


「ヤヨイさん。手を貸しましょうか?」


「え!あんなに居たのにもう終わったの!?‥‥‥じゃあ、こっちもお願い」


「カルマ、頼む」


 ハルトの言葉と同時にカルマはヤヨイたちとオオカミの間に入り、あっという間にオオカミを瞬殺した。


「これだけの数をこんなに簡単に‥‥。思ってた以上の強さだったみたいね」


「絶対やり合いたくはないなー」


 コクコク。


 カルマの本格的な強さを目の当たりにした3人は驚きを通り越して呆れた様な目でハルトを見ていた。


 え?なんでそこで俺を見るの?俺は見てただけでだから関係無いよね?


「さ、さあー。他のモンスターが来る前にさっさとドロップアイテムを回収しましょう」


 ハルトの言葉にハッとした3人はハルトに続いて解体ナイフを取り出し死体に突き立てていく。


 オオカミは全部で18匹居たが、4人で回収したいせいか、昼間よりも早く片付いた。


「いやー、やっぱり人手があると早いですね。今まで1人だったんで楽でいいですよ」


「モンスターが多くなると1人じゃ面倒くさいかもね。ところでドロップアイテムの配分どうする?ハルっちのところのカルマっちが全部倒しちゃったけど」


「俺は4等分でいいと思いますよ」


「それは流石にダメよ。ハルト君側が全部倒したんだから、最低でも半分は貰って貰わないと」


「いやいや。色々教えて貰ってますし、初めての夜に付き添って貰ってるんで、4等分でお願いします」


 それから色々話しあったが、最終的にカルマの功績が大き過ぎるという事で、ハルトに半分渡されるという事で収まった。


 森を歩いていると、急にカルマが飛び上がり何かを持って降りて来た。


 フォレストオウル Lv7

 状態 死亡


「コレがフォレストオウルか」


「すごいわね。フォレストオウルは隠れるのが上手くて、おそわれて初めて存在に気付くのが普通なのに」


「今日は、カルマっちのお陰でフォレストオウルの尾羽も数が取れるかもしれないね」


 フォレストオウルは普段は気配を消してじっとしていて獲物が来ると急降下して襲って来るという。その際、気配を消しながら襲って来るので察知が中々難しいそうだ。


 フォレストオウルからドロップアイテムを入手し、森の中を探索する4人であった。


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