表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/148

22話 森での再会

 ログイン


 まさか今日中にもう1レベル上げられるとはな。まだ暗くなるまで少しだけ時間があるし、なんとか今日中にレベル10まで上げられるか?ちょっと頑張ってみるか。


 再び森へと向かいカルマを召喚するが。


 MPが回復しきってなかったから、さっきよりもMPが少なくなってしまったな。まあ魔法を使う予定は無いから別にいいけどね。


 森へ入り再び狩りを再開する。


 出来たらレアなモンスターにも出会いたいところだな。


 モンスターを狩りながら森を進んで行くと、見知ったプレイヤーがモンスターと戦っていた。


 あれは、ヤヨイさん?


 そこには3人のプレイヤーが3匹のオオカミと戦う姿があった。その内の1人が北通りで会ったヤヨイであった。


 3人の戦いは見事だった。2人が前衛を務め、もう1人が後ろから闇魔法で足止めを行なっていた。時折前衛の2人が交差したりしてモンスターに的を絞らせない様にしたり、後ろで魔法を使っていた者も前に出たりして難なく討伐していた。


 まるでお手本みたいな連携だったな。俺たちもあんな風に連携出来たらカッコイイだろうな。そうなると他の属性の魔法を覚えたりした方が良いのかな?


 今後のスキル構成を考えていると、向こうもこちらに気付いた様でこちらに向かって来た。


「こんにちは、ヤヨイさん。すごい連携でしたね」


「あら、ハルト君。こんにちは。君もここで狩りをしてたの?」


「はい。あの、そちらの方達は?」


「2人はうちのメンバーよ。こっちがアイでこっちがマイ」


 最初に紹介されたアイは、スラリとしたスタイルで身長はハルトと同じくらい。茶髪で皮の鎧を装備して、武器には斧を使っていた。


 次に紹介されたマイはアイと双子でスラリとしたスタイルは同じだが胸の部分だけは違っていた。アイは胸もスラリとしているがマイの胸はボリュームがあった。マイも茶髪でローブを装備して、武器には短剣を使っていた。


 2人とも年齢はハルトより少し上に見えるので大学生ぐらいに見える。


「ハルトです。よろしくお願いします」


「アイだよー。よろしくね、ハルっち」


「マイ。よろしく」


 無邪気な笑顔で自己紹介してくるアイに対して、無表情で自己紹介をするマイ。顔は同じだが受ける印象は真逆の2人だった。


「2人は双子なんですよね?」


「そうだよー。そっくり過ぎて見分け付かないでしょ?」


 コクコクと頷くマイ。


 いや、簡単に見分けられると思うんですけどと出かかったが、そこは堪えたハルトであった。


「ハルト君、騙されちゃダメよ。この2人いい性格してるからたまに入れ替わってる時あるわよ」


「ハハハッ、ゲームだから楽しまないと」


 笑顔で言うアイとコクコクと無言で頷くマイ。それを見たハルトはキャラなのかよ!とツッコミたくなったがここも我慢したのだった。


「ところでヤヨイさん達も狩りですか?」


「ええ、生産職でもある程度はレベルを上げとかないとね。それと自分達の装備の素材はある程度自分達で調達しないとね」


「あー、確かにレベルが低いと自分の装備の素材が手に入らないですもんね。ちなみにそちらの2人の職業は?」


「私はウッドカッター。つまり木こりだね」


「アルケミスト」


 アイさんが木こりか、それで武器に斧を使ってるのか。それでマイさんがアルケミスト、錬金術師って事か。それで魔法を主体にしてたのか。


「そういえばハルト君て、まだサモナーなのよね?」


 ヤヨイはカルマの方をチラッと見ながら聞いてきた。アイやマイもカルマの様やモンスターは見た事が無いのだろう、カルマが気になりチラチラと見ていた。


「ええ、サモナーですけどそれがどうし‥‥‥。ああ、ヤヨイさんも統計データを見たんですか」


「サモナーが1人だけになっちゃってたから、ハルト君もサモナー辞めちゃってるのかなって思ってたの」


「まあ俺も見た時はちょっとショックでしたけど、まあ頑張るしかないかって今は思ってます。カルマもいる事だし」


「それはそうよね。でも、ホッとしたわ。前に会った時にサモナーのマイナス面の事を言い過ぎたかなって思ってて、そのせいでハルト君辞めちゃったかなって思って責任感じてたのよ」


「でも考え方を変えれば、サモナー最強になれたんだからいいじゃん」


「ん、ナンバーワン」


 考え様によってはそうなのか?ナンバーワンっていうかオンリーワン?いや、オンリーワンっていうよりロンリーワンって感じだな。


「まあいい風に捉えときます」


「ところでそっちのモンスターってハルト君の召魔なのよね?見た事無いけど」


「私も思った。しかも強そうだし」


 コクコク。


「こいつの名前はカルマって言います。強欲なブラックデーモンって種族です。あ、強欲なっていうのは二つ名って言うらしいです」


「強欲なブラックデーモン?二つ名?聞いた事が無いわね。どうやって仲間にしたの?」


「カルマはギルドの上の階の魂術の間って所で仲間にしました」


「お!ハルっちギルドの上階行ったんだ!サモナーの情報って全然無いから気になってたんだ」


「私も気になるわ。魂術の間って何する所なの?」


 ヤヨイとアイが聞いてきて、マイも興味津々だったのでハルトは3人に魂術の間の事や融魂の様子などを説明していく。


「へー、じゃあハルっちの運が良かっただけで、サモナーが大幅に強化されたって訳じゃ無さそうだね」


「そうね。多少の強化はあるかも知れないけど、大幅にって事は無さそうね。でも二つ名持ちのモンスターがいるっていう情報はかなり有意義ね」


「ねーねーハルっち。そいつの強さをちょっと見せてよ」


「ええ、別に良いですよ」


 アイに言われてカルマの強さを見せる事にした。近くにオオカミが数匹いたので、カルマが軽く全滅させたら3人は目を丸くしていた。


「これは‥‥ちょっとヤバイわね」


「あー、二つ名持ちってヤバ過ぎ。知らずに会ったら全滅確定じゃん」


「同感」


 やっぱりヤヨイさん達でもカルマの強さは驚くんだな。


 そう思っているとヤヨイからある提案をされた。


「ねえハルト君。私達これから夜の森で素材採集をするつもりなんだけど、ハルト君も来てくれない?」


 ヤヨイの提案にハルトは少し迷ったが、初めての夜に経験者が一緒に居てくれるというのは心強いと思い、引き受ける事にした。


 こうして3人と初のパーティを組んで夜の森に挑戦する事になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ