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19話 カルマ

 目を開け中央の塔の前を見るとそこには、黒いスーツを着ており、背中からは黒い翼が生えた身長2メートルの男性だった。そしてその額には捻れた角を持ち、目は血よりも赤く、口元からは牙がチラリと見えていた。


 これは、弱体化したんじゃなくて強化されたってことでいいのか?


 そう思い職員の方を見ると、何やら考え込んでいる様子だ。


「あの、これって強化されたで良いんですよね?アレに魂を食われたとかじゃなくて」


「すみません。珍しい事なのでつい思考の海へと沈んでいたようです。間違いなくあのモンスターは貴方の配下のモンスターです。未知のエネルギーにより強化された事で、どうやら1段階上の存在になった様です」


「1段階上?」


「そうです。モンスターがレベルアップし、ある一定のレベルに達すると進化して1段階上の存在になる事が出来るのです」


「つまりあのモンスターは2段階目?」


「の筈なのですが‥‥2段階目にしては、少々雰囲気が違う気がするのですが」


 そう2人で話していると、モンスターはハルトに向かって一礼すると光となりハルトの胸の辺りに入っていった。


「これで無事に儀式は終了となります。モンスターの種族などはリストからご確認下さい」


 そう言われ、早速リストを確認すると。


 ゴブリン(2)

 強欲なブラックデーモン(1)


 キャンセル


「これは、二つ名持ちの様ですね」


「二つ名?この強欲なっていう部分がですか?」


「そうです。二つ名持ちは通常のモンスターよりも遥かに強いのです。もし二つ名持ちと戦う事になったら十分に注意して下さい」


 どうやら二つ名を持ったモンスターは通常モンスターでは無く、特殊モンスター扱いの様だ。序盤でその様なモンスターを入手出来た事に喜んでいると。


「ただ特殊モンスターは召喚に必要なMPも高くなるので召喚するタイミングも重要ですよ」


「え?大体どれくらい必要なんですか?」


「まあ、恐らく50程必要かと」


 50⁉︎今俺のMPが80だからさっきのヤツとアッサムとゴブスケを召喚したら残り10しか残らないじゃねーか!


 まだ同時召喚は2体までしか出来ないから、アッサムとゴブスケの2体召喚か新しいモンスターの単独召喚を使い分けた方が良さそうだな。


「そういえば今回は無料でしたけど、次回からはいくらぐらい掛かるんですか?」


「次回からは1回につき10万G程掛かります」


 た、高過ぎだろ‥‥‥。もしかしたらもう2度と来ない可能性も出て来たな。


 ハルトは職員に礼を言って部屋を後にした。


 部屋を後にしたハルトは、どんな依頼があるかを確認していた。


 サモナー用の依頼は、討伐の類は無く、3体同時召喚してみせろ、指定されたモンスターを仲間にする、モンスターの魂の納品等ばかりだった。


 もしかするとランクが上がれば討伐系の依頼も有るのかも知れないが今のハルトのランクでは無かった。


 特に今受ける様な依頼は無いな。どこかで新しいモンスターを試しに行くか。


 どこがいいかと悩んだ結果、今狩りをしている荒野に行く事に決め、早速荒野に移動したのだった。


 東門を出て、あまり人の目が無い所に移動して、早速新しいモンスターを召喚した。


「サモン・モンスター」


 呪文を唱え、リストから強欲なブラックデーモンを選択すると目の前にモンスターが召喚された。


「強欲だからグリードはちょっと安直過ぎる気がするからカルマにするか」


 カルマと名付けられた強欲なブラックデーモンはニヤリと笑みを浮かべてハルトに一礼したのだった。


 おお、なんか礼儀正しいな。まずはステータスチェックだな。


 名前 カルマ Lv1

 種族 強欲なブラックデーモン

 ステータス

 HP 100/100

 MP 125/125

 体力 20

 魔力 25

 筋力 19

 精神 24

 器用 15

 敏捷 17


 スキル

 剣技 火魔法 土魔法 闇魔法 飛行 HP自然回復上昇(小) MP自然回復上昇(中) 状態異常耐性 気配察知 暗視 闇同化


 装備

 強欲なツルギ 漆黒のスーツ


 おお!流石特殊モンスター!ステータスが高いし、スキルも多い。何より最初から装備してるのがデカイな。これならここら辺のモンスターは楽勝だな。


 ステータスチェックを終え、荒野に進んだハルト達の前に、ワイルドアントが6匹現れた。


「カルマの実力が見たいからまずはその剣で戦ってみてくれるか?」


 コクリと頷きワイルドアントに向かって歩き出した。ワイルドアントもこちらに向かって来ており、カルマとワイルドアントが接触した瞬間、カルマがその手に持った剣を6度振るった。それだけで6匹のワイルドアントはその場に動かなくなった。


 強っ!6匹を一瞬かよ!


 呆然としているとカルマがニヤッと笑みを浮かべ、こちらに戻って来た。


「お、お疲れさん」


 ハルトの言葉を受け、ハルトに向かって一礼した。


 敵じゃなくて良かった。これが二つ名持ちのモンスターの強さなのか‥‥。もし二つ名持ちのモンスターに知らずに会ってたら確実に死に戻ってたな。


 カルマが味方で良かったと安堵し、ワイルドアントからのアイテムを回収し、その場を後にした。


 そして今度は5匹のワイルドアントがやって来た。


 今日はやけにワイルドアントの群れに会うな。まあこっちには都合が良いから良いけど。


「カルマ。今度は魔法で戦ってみてくれ」


 カルマは頷き、その場でワイルドアントに、向かって火魔法を放った。


 ワイルドアント達はたちまち炎に包まれ、炎が消えた後には焼け焦げたワイルドアントが横たわっていた。


 魔法も半端ないな!これは来たな俺の時代が!これでサモナーの凄さをアピール出来るかも!

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