146話 2人の所属先は?
「え?じゃあ2人はまだ屋敷には入ってないのか?」
2人のお化け屋敷の中での行動を尋ねると、あの大きな屋敷にはまだ入っていないとの答えが返ってきた。
「んぐんぐんぐ、うん。私は家とかも怪しかったけどお化けならやっぱりお墓のある墓地にいっぱい居るんじゃないかなって探してた。ふーふー、んぐんぐ」
たこ焼きを頬張りながら説明してくれるマーリン。
「私はー、周りのお家の中をー探してましたー」
「建物って周りの家の事?」
「そうですー。ポーションを見つけてからお宝探しみたいで楽しくなってー、殆どお家の中を探してましたー。最後の方で教会を見つけたのでー、教会の中を探してましたー」
「へー、それで2人は何か発見とか出来たのか?」
「私の方は特に何も無かったかな?墓地も見つからなかったし」
「私の方はーポーションとー水鉄砲のお水を入れる部分がいっぱい見つかりましたー」
「ん?いっぱい?ポーションはともかく水を入れるタンクって教会にそんなにあったの?」
はて?俺が探した時は教会にそんなにタンクは無かったはず。単純に見落としたのか、それとも意外な場所に隠されてたのか?
「教会だけじゃなくてーお家の方からも見つかりましたー」
「え?教会じゃなくて空き家の方にもあったの?」
「はいー」
それは盲点だったな。
「で?お兄の方は?お兄はあのでっかい建物に入ったんだよね?」
「ん?ああ。あの大きな屋敷の2階までは行けたな。まあ、周りをしっかり確認してって訳じゃ無いけどな」
「お兄は相変わらず突っ込むのが好きなんだね」
「べ、別にそんな事は無いと思うぞ?空き家と教会にもちゃんと行ったし」
「ササッと見て何かあったらそれで調べた気になって直ぐに出てっただけでしょ?お兄、いつもそうだもん」
ぐはっ!い、痛い所をついてくるな……。確かに、それで失敗した事は何回もあるし、小学校の時にも先生から最後までちゃんと確認しましょうって書かれた事もあったしな。
「ま、まあ俺の方の探索結果はだな……」
多少誤魔化す意味も込めて、俺は屋敷の中の様子を説明していく。
「やっぱり外より中の方がモンスターは多いんだね」
「種類もーお屋敷の中の方がー多そうですねー」
「そうだな。外だとスケルトン、ゾンビ、レイスぐらいだったけど中の、それも2階に行くとゴブリンゾンビやコボルトゾンビ、リビングアーマーなんかも出てきたな。多分もっと奥に進めばまだまだ色んな種類のアンデッドモンスターが居ると思うけどな」
そう、3階への階段は見つからなかったがその途中何度かモンスターと遭遇したのだ。そのうち新しく発見したのがゴブリンゾンビとコボルトゾンビ。まあ、強さ?というか必要な聖水の弾数はスケルトンや普通のゾンビと同じど1発。ただし、ポイントは30とスケルトンやゾンビよりちょっとお得だった。しかもこの2種類は必ず複数で出現したのだ。
やっぱりポイントを稼ぐなら屋敷の中に入った方が良いって事だな。
「うーん、じゃあ外で墓地を探すのは辞めて次からはその屋敷に行った方が良さそうだね。それに今度は1人じゃなくてパーティで入ってみたいかな」
「パーティか。あのソロが集まってってやつで入るのか?」
「うーん、あのランダムで組まされるやつはパスかなぁ。ランダムだとミーニャちゃんと入れなさそうだし。どうせパーティで入るならミーニャちゃんと組みたいもんね。ねー、ミーニャちゃん」
「ねー、マーリンちゃん」
「ふーん、パーティか。俺も次はパーティ組んで入ってみるかな」
「それだったら私たちと一緒に入る?」
「良いのか?それならあと3人か。そういえば2人は何処かクランに入ったのか?」
「入ったよ。エリザベートさんの所とアイリーンさんの所と迷ったけどアイリーンさんの所に決めたよ」
エリザベートさんの所とアイリーンさんの所と言えばもふもふを愛でる会とテイマー従士団だったか。それでアイリーンさんの方だからテイマー従士団の方か。
ちょっとホッとしたな。いや、別にもふもふを愛でる会が悪い訳じゃ無いんだけどね?まあ、流石にあの熱量はちょっと……。マーリンがああなるとは思わないけど何事も絶対というのは無い訳で。
「そうか。それなら後で俺もアイリーンさんに挨拶しとかないとな」
「ちょっとお兄!ちっちゃい子じゃないんだからそんなの辞めてよね!」
「いや、アイリーンさんとは面識もあるし一応だな……」
「要らない!」
「そ、そうか。それじゃあ後3人は2人のクランの人達を誘うか?」
「私達はまだ入ったばっかりでまだそんなに話したりした事無い人達が多いんだよね。テイマー従士団って基本2人1組で動くんだよね。私とミーニャちゃんは2人で活動してるから他のクランの人達と接点が薄いんだよね。新しいマップに入ったとか新しく従魔になるモンスターを見つけたとか報告とかはする必要があるけど。定期的に集まって何かするって事もこの前の交流会以来まだ無いし」
「そうなんだな。まあ、まだまだこのゲームも序盤だろうしアイリーンさんの所も手探り状態ってところだろうな。そのうちまたクラン内かテイマー同士でのイベントか何か開くんじゃないか?」
「そうだと嬉しいですねー」
それだと誰を誘おうかな?




