137話 ミノタウロス
『爆破魔法のレベルが上がりました』
「ふぅ、疲れた。2体しか居なかったのにこのダンジョンに入ってから1番疲れたな。多分このダンジョンでオーガが1番強い気がする」
あとポージングがウザい。思わずスキル上げを忘れて爆発魔法を使ってしまったよ。
その後も出会ったモンスターを倒しつつ、地下9階への階段を見つけたのですぐに階段を降りた。ちなみに新しく発見したモンスターはロックアントのみだった。
ロックアントは数が多く出たけどオーガに比べれば楽な相手だった。
そして地下9階では新しいモンスターは出ず、地下8階に出るモンスターより少しレベルが高いだけだった。
そしてこのダンジョンでのオーガはどうやら2体で1組の様だった。そして何時も出会った時はポージングを見せあって居たのだ。1度先制攻撃だ!と思ってポージング中に攻撃を仕掛けた事があったのだがポージングを邪魔されたのに怒ったのかオーガの攻撃力が上がって受けるダメージが増えてしまった。それに気付いてからは先制攻撃は出来なくなったので少し足音を大き目に鳴らして気付かせてから攻撃しなくちゃいけなかったから大変だった。
オーガはサモナーが仲間に出来るみたいだけど仲間になったオーガもこんなにポージングしまくったらどうしよう……。オーガのあのパワーは魅力的だから是非欲しいところだけど悩むな。
そして、地下10階へと降りる階段があったので迷いなく降りる事にした。そういえば結局宝箱は発見出来なかったな。罠も無かったし。このダンジョンには宝箱も罠も出てこないのかもしれないな。まあ、俺がまだ行ってない通路には有るのかもしれないから断言は出来ないけどね。
地下10階に降りた場所は通路ではなく部屋だった。そして、その部屋には降りてきた階段の他には大きな扉があった。
「これは多分ボス部屋って事だよな?」
魔法陣は無し。あるのはボス部屋へと続くだろう扉のみか。まあ、ボス部屋には入るとして編成はどうしようか。今の編成はアッサム、ゴブスケ、カルマ、ミュエル、プリン。
「うーん、この扉の大きさ的にアックを出しても入れそうだからアックを入れたいけど誰を戻すかな。レベルを上げたいからミュエルとプリンは残すとして。ボス戦だからカルマは当然残す。だとするとアッサムとゴブスケのどっちかか。よし、ゴブスケと交代にするか」
ゴブスケとアックを交代させたし、全員のHPとMPも回復させたし準備オッケーだな。
「それじゃ行くか。その前にちゃんと開くよねこれ?」
目の前の大きな扉を軽く押すとちゃんと動いた。良かった。それじゃ行きますか!
中に入ると居るのはあの1体だけみたいだな。大きさはアックと似たようなもんか。というかアレってアレだよな?
ミノタウロス Lv??
状態 ???
やっぱりミノタウロスか。二足歩行で大きな斧を持ってるからそうだと思ったんだよな。
それと当然の様にレベルが見えないな。
「ブモォォォォォ!!」
俺達に気付いたミノタウロスが下ろしていた斧を両手で構えこちらへ向かって突進してきた。
「!?、来るぞ!アックは前に出てミノタウロスの突進を止めてくれ!皆はアックがミノタウロスの動きを止めた瞬間を狙って攻撃だ!アタックアップ!」
俺は指示を出しつつアックへ当たり負けないようにアタックアップを掛けた。
身構えていたアックを見て、ミノタウロスがアックに対してショルダータックルをしてきた。アタックアップを掛けたにも関わらずアックは押し負け、後ろ下がらされてしまった。
「マジか。アタックアップを掛けたアックでも押し負けるのか。いや、体格では互角でも向かうの方がレベルは上で更に走って勢いをつけてたんだから仕方ないのかもしれないな。ヒール!」
HPが結構減っていたのでアックにヒールを掛けておく。ここでアックを失う訳にはいかないからな。出来ればアックには防御を上げる魔法を掛けてやりたかったがまだ覚えてないんだよな。防御だから多分、土魔法だろう。他の補助魔法を覚えたレベルからして15になったら覚えれるだろう。今12だから後3つか。早いとこ15には上げとくか。
アックにショルダータックルをしたミノタウロスだが、アックを吹き飛ばしはしたが、その場で一瞬立ち止まっていた。技の反動とかかもしれない。だけどその隙を見のがす訳にはいかない!
そう思い皆と一緒に俺も魔法を叩き込んでやったのだが。
「ブモォォォォォ!!」
「流石ボスだけあるな。HPが1割も減らないか」
攻撃を受けたミノタウロスは怒ったのか、周りにいるアッサムやカルマに向かって斧を左右に振り回し始めた。
「おいおい、どんな馬鹿力だよ。あんな大きな斧をあんなに早く振り回せるとか。あの攻撃を俺がまともに食らったら1発アウトだな」
今までもそうだったけど、今回も俺は後ろから魔法での攻撃と皆の回復と補助に専念するか。まあ、これがサモナーのふつうの戦い方だししょうが無いよね。




