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13話 荒野

 確かこの荒野には、コボルトとワイルドアントが出るんだったな。


 荒野に足を踏み入れ周りを見渡すと、草木は生えておらず所々に大きめの岩が転がっていた。


 岩の後ろに魔物の気配があるな。気配察知が無かったら、知らずに近づいて襲われてたかも知れないな。


「ゴブスケ、あそこの岩の後ろに魔物がいるから誘き出してきてくれるか?」


 ゴブスケは頷き、警戒しながら近づいて行くと、岩の陰から1匹の魔物が飛び出してきた。


 やっぱりコボルトか。


 それは、体はまるで人の様な体をし、顔は犬の顔、手には棍棒を持った魔物だった。


 コボルト Lv3

 状態 アクティブ

 テイマー


 コボルトはテイマーだけのモンスか、サモナーにとってのゴブリンみたいな物かな。多分ステータスもゴブリンと同じだろうな。


 最初だからまずは、普通に戦ってみるか。


「アッサムはコボルトを正面から受け止めろ!ゴブスケは横から隙を突いて攻撃だ!」


 そう指示を出しつつ、ハルトもコボルトの側面に周り、ファイアーボールで攻撃していく。


 コボルトも棍棒を振り回して攻撃してくるが、ゴブスケが鬱陶しいのかアッサムに集中出来ずにあちこちに棍棒を振り回していた。


 アッサムも2発程攻撃を食らったが適当に振り回しただけの攻撃だった為か、あまりダメージを喰らわずにコボルトのHPバーを削り切ったのだった。


 攻撃パターンはゴブリンと似たようなパターンだったな。という事はドロップも同じ魔石の欠片かな?


 そう思いつつ解体ナイフを突き立てるが、何も残らずに消えてしまったのだった。


 何も落とさなかったか、やっぱりゴブリンと同じでドロップ率はあんまり良くないんだろうな。ん?


 何も落とさなかった事を残念がっていると、大きめの岩に向かってアッサムが近づいて行くと、岩に向かって爪を突き立てていた。


 何やってるんだ?と思いつつアッサムに近づいて行くと、アッサムは爪を突き立てた方の手をハルトに向かって差し出してきた。


 これは‥‥‥鉱石か。


【素材アイテム】

 銅鉱石 品質C レア度1

 銅鉱石。銅がふんだんに含まれており、精錬する事で銅が抽出出来る。


 アッサムが持って来た鉱石を鑑定した結果、それは銅鉱石だった。それを3つ程アッサムはとって来たのだった。


 そうか、そういえばアッサムは採掘スキルを持っていたんだったな。


「良くやったぞアッサム。これからも採掘ポイントを見つけたら頼んだぞ」


 アッサムを褒めてやると嬉しそうに「キュ!」と鳴きながら手を挙げていた。


 この調子で荒野を探索して行きたい所だけど、もうちょっとで昼になりそうだな。出来たらワイルドアントを見てから昼にしたい所なんだがな。


 ワイルドアントを求め、出来るだけ岩が多い場所を避けて歩いていると、それらしい動く物を見つけたのだった。


 あれは‥‥‥


 ワイルドアント Lv5

 状態 パッシブ


 あれがワイルドアントか。


 それは50センチぐらいの茶色いアリだった。しかも1匹ではなく5匹もいたのだった。


 こういうのはあんまりリアルじゃ無い方が良かったかもな。でかいアリってめっちゃキモチ悪いな。しかもいきなり5匹とか‥‥。討伐依頼に50匹ってあったのは、まとめて出やすいっていうヒントだったのかもしれないな。


 ハルトが考えに耽っていると、アリ達はこっちに気付いたのかこっちに向かって来ていた。


「俺が魔法で援護するから、アッサムとゴブスケはアリをなるべく後ろに通さないようにしながら始末してくれ!」


 そう言うとアッサムとゴブスケは前線に、ハルトは後ろから魔法を放っていた。


 アッサムはアリに噛まれたりしていたが、1匹1匹の力はあまり強く無いのかそれ程ダメージは受けていなかった。逆にアリのHPはあまり多く無いのか、アッサムの一撃で半分程HPバーを削っていた。


 ゴブスケは上手くアリの攻撃をかわしていた。だがアリが思ったよりも小さいのと、地面を這っているからか、中々攻撃を当てる事が出来なかった。それでもあてる事が出来たときは、ゴブスケの一撃でも3割近くのダメージを与える事が出来ていた。


 上手く連携出来たからか、大したダメージも無く無事にアリを倒し切ったのだった。


『火魔法のレベルが上がりました』

『ゴブスケのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』


 引き続きここは敏捷で。


 しかしアリは1匹なら全然楽勝だな。けど小さいせいで攻撃を当てるのが面倒くさいな。数もこれ以上多くなってくると流石に前線で抑えきれないだろうしな。


 そう思い苦い顔をしながらアリの死骸に近づいて行き、解体ナイフを突き立てていく。


【素材アイテム】

 野蟻の甲殻 品質D レア度1

 野蟻の背中辺りからとれる甲殻。軽く中々丈夫。


【素材アイテム】

 野蟻の顎 品質C レア度1

 野蟻の顎。あまり鋭くはない。


 良かった。アリからはちゃんとドロップしてくれたか。甲殻と顎か、何に使うんだろうな?


 とりあえず一旦ログアウトして昼食にするか。ゲーム内ももうすぐ日が暮れそうだしな。


 そう決めたハルトは街に引き返してログアウトしたのだった。


 なお引き返す道中2匹のコボルトを倒したがドロップは無かった。

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