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128話 忍者?の人

「えーっと、確か待ち合わせの場所は此処だったよな?」


 フリーワークスのお店を後にした俺はアイリスさんの紹介してくれる相手との待ち合わせの場所である中央広場へと来ていた。


「まだ来てないのかな?アイリスさんの話じゃ見れば分かるって事だったけど」


 しかし、見て分かる物なのか?今広場に居る人達を見ても初期の頃に比べると髪の色や服装も大分変わってきてると思うんだよな。髪の色は課金アイテムだから俺は変えないけど。この髪も結構皆に浸透してるみたいだしね。

 それにしても相変わらずサモナーは人気無いのかな?見てる限りテイマーは居るけどサモナーは居ない様に見えるな。いつかサモナーが人気になって皆であーだこーだ言ってサモナーの育成について喋ったりしてみたいなぁ。うん?もしかしてあの人じゃないだろうな。


「貴殿がハルト殿でござるか?」


「はい。そうですけど貴方がアイリスさんの?」


「そうでござるよ。茶色の茶に、助っとの助で茶助と書いてサスケって読むでござる。是非サスケって呼んで欲しいでござる」


「茶助さんですか。改めましてハルトです。よろしくお願いします」


 アイリスさんが言ってた意味が分かった。茶助さんの格好は全身が真っ黒の布の服を着ているのだ。それに顔もターバン?みたいなので覆い隠している。恐らく忍者の格好をしているつもりなのだろうけど何の模様の無い服を黒くして少し忍び装束っぽくしただけだし、顔に至ってはターバンだしで凄くチグハグ感満載なのだ。


「あのー、茶助さんってシーフでいいんですよね」


「……ハルト殿の言いたい事は分かるでござる。拙者もこの格好に満足いってる訳ではござらんからな。しかし、今の素材ではこれが限界なのでござるよ。……ぐすっ」


「そ、そうなんですね。そういえば布系の素材は見た事が無かった気がしますね」


「そうなんでござるよ。ハルト殿も是非素材を見つけたら拙者に連絡をお願いしたいでござるぅ!あ、フレンドコードを送ったでこざる。登録何卒!何卒お願いするでござるぅ!」


 めっちゃ圧かけてくるな!それだけ必死って事か。


「こ、こちらこそお願いします。……はい。登録完了しました」


「コホンッ。失礼仕ったでござる。試行錯誤しながらも中々上手くいかないので少々焦っていたでござる。今回は迷いの森を一緒に攻略すると言う事で良かったでござるか?」


「はい、一緒に攻略をお願いします。茶助さんは同じクランの人とでなくても大丈夫なんですか?」


「拙者のクランは皆それぞれ好きな事をするクランでござるから大丈夫でござるよ。イベントや人手がいるという時には協力し合うぐらいの関係でござるござるから気楽にゲームを一緒に楽しむっていう関係でござるよ。それと拙者はシーフでござるが見ての通り忍者を目指してるでござる。ロマンを分かってくれる人が少ないのが残念でござるよ。ゲームの中でぐらい浪漫があっても良いでござる!」


「シーフの先に忍者の職業があるんですか?」


「それはまだ分からないでござるな。拙者はシーフの先に忍者があると思ってるでござるが」


 この人はかなり忍者が好きなんだなぁ。これだけ忍者ネットのある人は初めて見たな。この人の為にもシーフの先に忍者があると良いな。


「忍者があると良いですね!」


「ありがとうでござる」


「では迷いの森へ出発しましょうか。先ずはワープポイントでエラルシアに飛ぼうと思うんですけど茶助さんはエラルシアには飛べますか?」


「拙者もエラルシアは既に登録済みだから大丈夫でござるよ」


 茶助さんもエラルシアへ飛べるという事で俺達はエラルシアから迷いの森へと出発した。召喚した召魔はアッサム、カルマ、ヨナギ、プリンを召喚した。

 今回はゴブスケはお休みしてヨナギとプリンの育成も兼ねて行く事にした。


「ほう、それがハルト殿の噂の召魔達でござるか。強そうな気配がビンビン出ござるな」


「強そうな気配ですか?そういえば茶助さんの今のレベルっていくつですか?あ、言いたくなかったら大丈夫ですよ」


「拙者のレベルは14でござる。拙者は別にレベルを秘密にする理由はないでござるがレベルを言いたくない連中も居るでござるから一応注意しとくでござるよ?特に前線に出てる連中には特に」


 茶助さんのレベルは14か。なら迷いの森のモンスター相手なら大丈夫だろう。勿論お互いフォローはし合うつもりだし。

 それにしても、やっぱり仲良くない相手にレベル聞くのは止めておいた方が良さそうなんだな。また変なのに絡まれたくないし。


「ありがとうございます。絡まれたくないので注意しときます。では、行きましょうか」


 エラルシアを出て暫くしてから漸くモンスターと出会った。エラルシア付近ではプレイヤーが増えてきたせいか、モンスターとのエンカウント率が下がってきてるからな。


「オオカミが3匹ですね。俺達が左側の2匹を倒すので右の1匹を任せても大丈夫ですか?」


「任せるでござる!オオカミ1匹如きに遅れはとらんでござるよ!」


 俺は後ろに下がって茶助さんが闘う様子を見させてもらった。こっちのオオカミ2匹はうちの召魔達に任せとけば良いからね。2マス目のモンスターなら問題無いでしょ。という事で茶助さんの戦い振りを見てたんだが、その立ち回りは流石に忍者を目指しているというだけあって非常に軽やかだった。オオカミが噛み付こうと茶助さんに向かって来るのを躱しつつ短剣で斬りつけたり、激しく横に動きオオカミの視界から消えて後ろに回って攻撃したりして結局1度もダメージを受けずにオオカミを倒したのだった。


「流石本職のシーフだな。この動きはゴブスケにも見習わせたいな」

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