121話 食材を集めよう
クルストに戻って来たけどこっちは何時もより人が少ない気がするな。やっぱりかなりの人がホームマップに行っているせいだろうな。
ん?満腹度がかなり減ってるな。携帯食料で……あれ?まだ残ってるかと思ってたけど携帯食料が無くなってるな。だったらヤヨイさんの所で食べに行こうかな。その帰りに携帯食料も買いに行こうか。
そう思いフリーワークスの屋台がある北通りへと来たのだが。
「あれ?屋台が無い?」
今までなら何時来てもここに屋台があったんだけど、実は俺が知らなかっただけで定期的に休日があったりしたのかな?
「あれ?君は確かハルト君だったよね?」
そう考えていた俺に声をかけてきたスカイブルーの様な髪の色の男の人は確かフリーワークスの人だったよな?俺が言うのもなんだけどその髪の色が目立ってて、何回か屋台で見かけた覚えがある。
「初めまして。何回かお見かけした事はありますけど喋るのは初めてですね」
「ああ、君の担当はヤヨイさんやアイちゃんの担当だからな。おっと、自己紹介がまだだったな。俺はティーグだ。よろしくな」
「ティーグさんですね。よろしくお願いします。というか、え、俺に担当なんてあったんですか?」
「はははっ!お得意さんには担当が付く事になってるんだよ。君は良いお得意さんだから付くのは当然だね」
「そ、そうだったんですね。ところでティーグさんはどうしてここに?今日はお店はお休みなんじゃないんですか?」
「うん?ああ、別に店は休みじゃないよ。ここに来た理由はこれさ」
そう言って見せてくれたのはさっきからティーグさんが持っていたポスターを見せてくれた。
「えっーと、“本日午後よりフリーワークスのお店が移転する事になりました。場所は下に記された地図を参考にして下さい。これからもフリーワークスのご利用お待ちしております”か。移転したんですか?」
「ああ、今日のアップデートでクランハウスも実装されたからな。戦闘系クランとかならそれほど重要って訳じゃ無いがおれ達生産系クランにとっちゃめちゃくちゃ重要なのよ。何しろクランハウス兼店舗や工房も兼ねれるからな。いずれクランハウスが実装されるってのは公式サイトに載ってたからな。だから俺達はクランハウスが実装されたこの日の為に皆で頑張って共有資金を貯めてたんだよ」
「へぇー、そうだったんですね。おめでとうございます」
「へへっ、ありがとう。そうだ、まだオープン前だけど顔を出してやってくれよ」
「え?まだオープン前で忙しいんじゃないですか?」
「大丈夫、大丈夫。君なら歓迎されるぜ?」
「歓迎?ですか?」
そう聞くとティーグ
「そりゃあ1人で大手クラン並の貢献をしてくれてるんだから当然だぜ?勿論個人では断トツトップだしな」
なんと!俺1人でクラン並の稼ぎを出してたのか!そりゃ優遇もされるし見つけたら連行もされるか?連行は何か違う気もするが……。
「そうだったんですね。うーん、やっぱりそれでもオープン前に行くのは辞めときます。邪魔になるといけないので」
「ホントに歓迎なんだがな。確か、君のそういう謙虚な所もポイントが高いって言われてたな。じゃあオープンしたら絶対来てくれな!」
そう言って手を振ってティーグさんに見送られつつその場を後にした。ティーグさんはこの後移転のお知らせをギルドやら屋台があった場所やらにポスターや立て札で告知してくるそうだ。
その後は適当な屋台で料理を買い満腹度をMAXまで回復させた。GPO内での料理の関心が高まった事もあって他の屋台の料理も結構美味しかった。特に迷いの森への出入りが多くなったからか玉子料理や鳥肉を使った料理なんかも多数見られる様になっていた。これはリョウさんの料理にも期待大だな!
あ、そうだ移転祝いのお土産に色んな食材持って行こうか!特に東はあんまり人気がないらしいからスライムゼラチンとか足りないだろうしね!
そうと決まれば早速と言う訳でやって来ました久々?の洞窟です。ここは2階の方のワープポイントだね。どうせ食材を集めるならレベルアップも兼ねたいからね。洞窟はミュエルのレベルを上げるのに時間帯を気にしなくて良いからね。
それに人気が無いにしてもこっちにも多少はプレイヤーも来てる筈だけどやっぱりまだここまでは来ては居ないみたいだな。ここもまだ充分効率良くモンスター狩りが出来そうだ。
ここで迷いの森のモンスターと同じ強さなんだから進み方さえ解ればサクサク進める気がするのに他の人が地図を作るまで進めないのはもどかしいな。
「まぁ、無いものは無いんだから今はレベル上げと食材調達に集中するか」
そう気持ちを切り替えてアッサム、カルマ、ヨナギ、ミュエル、プリンを召喚しノクトビジョンを使って視界を確保してモンスターを探しに行った。
……
…………
『アッサムのレベルが上がりました。任意のステータスを2つ上げて下さい』
「お、進化してからアッサムの初のレベルアップだな。進化したらステータスも2つ上げられる様になるのか。これは益々早く他の皆も進化させたくなったな」
アッサムのステータスは前衛としてもっと活躍して貰いたいから体力と筋力を上げとこう。
『プリンのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
「プリンも最近活躍してたからレベルが上がったか」
プリンは筋力を上げとこう。
「ふぅ、ここでの食材集めはこれ位で良いかな?次は砂漠の食材集めと行きますか」
そう決めてワープポイントを使い砂漠のオアシスへとハルトは飛んで行った。




