12話 統計データとイベント告知
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《運営からお知らせが2件あります》
ん?運営から何のお知らせなんだ?1件目は統計データか、今何人がプレイしているとか、何の職業が何人とかが見れるのか。
統計データによると、ゲーム内時間1月3日午前8時の時点でプレイを始めたプレイヤーは初期出荷数1万に対して8328人である。
初日で稼働数8割越えは大したものである。残りの2割弱は、仕事の都合や様子見、転売ヤーなどだろう。
次は職業別の人数だが、1番多いのはやはりファイターだった。戦闘職の花形みたいなものだから納得だろう。
サモナーはというと10人しか居なかった。それに比べてテイマーは200人以上と同じモンスターを使役する職業なのに20倍以上の差がついていた。
ハルトは知らなかったがテイマーには、もふもふの魔物が多く、現実では飼えない、アレルギー持ちなどの事情がある人や女性に人気があった。
こんなにテイマーとサモナーに差があるのか。このゲームでは、そんなにサモナーがダメだってのは有名なのか?なんか考え直したくなってきたな‥‥。
後は1番高いレベルのプレイヤーレベルは9(名前は非表示)、スキル別の取得人数などのデータがある。
もう1つのお知らせは、イベントについて?もうイベントが始まるのか?
運営からのメールには、来週の土曜日からイベントが始まるという物だった。場所は東の荒野でモンスターの討伐というものだった。何を討伐するのかは後日という事だった。
また松明、光魔法などの明かりが必要だという記載があった。
来週からイベントか。配信から1週間でイベントって普通なのか?早すぎる気がするんだが。
明かりが要るって事は、暗い場所に行くって事だよな?アッサムは暗視があるからいいけど、俺とゴブスケの為に何か明かりを用意しないとな。その辺は松明とかのアイテムの値段を見てから考えよう。
とりあえず討伐依頼の残りを終わらせる為に草原に行くか。
西門を出て、アッサムとゴブスケを召喚し、ワイルドドッグを探して歩き出した。
近場ではプレイヤーが多く、なかなかワイルドドッグに遭遇出来ないので、少々クルストから離れて狩をしていた。
『ハルトのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
やっと上がったか、レベルが5になった途端に上がり難くなったな。
筋力を上げようかとも思ったけど、サモナーはMPが多くないとこの先召喚モンスターが増えても入れ替えとか出来なくて、折角のサモナーの利点が無くなりそうだから、まずは魔力を中心に上げていこう。
『ボーナスポイントを2ポイント獲得しました』
『職業レベルが上がりました』
『剣技のレベルが上がりました』
『召喚魔法のレベルが上がりました』
『ゴブスケのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
ゴブスケは引き続き敏捷を上げていくか。
やり方に慣れたせいか大分早くなって来たな。俺は見てるだけでも簡単に倒せるだろうな。剣技スキルを上げたいから手は出すけどね。あと残り2匹気合い入れて頑張るか!
それからサクッと残りの2匹を倒して、クルストの街へと戻り、ギルドを訪れていた。
「討伐の完了と納品です」
「討伐の完了と納品ですね。では、ギルドカードを確認させて頂きます。それから納品はこちらにお願いします」
ギルドカードと素材を差し出されたトレイに乗せる。
「では、しばらくお待ち下さい」
………
「お待たせしました。確認出来ましたので、こちらがワイルドドッグの討伐報酬2000Gと野犬の牙の納品報酬750Gで合計2750Gになります」
「ありがとうございました」
次は、イベントがある荒野を見ておくか。ついでになんか依頼を受けておくか。荒野の討伐はワイルドアントかコボルトか、ワイルドアントの50匹はちょっと多くないか?それだけ数が多いのか?よく分からないからコボルトの方を受けとくか。
『討伐依頼を受けました。進捗状況はギルドカードを確認して下さい』
これで良し。それじゃあ荒野に向かうか。そういえば、まだ東通りは行ってなかったな。この機会に大通り沿いぐらいは見ておかないとな。
東通りに到着したハルトが目にしたのは色々な施設だった。東通りは、闘技場や訓練場、ハルトが1番気になったのは仮想トレーニングという看板が掛かった建物だった。今はやることが山ほどあるので、落ち着いたらその内行こうと決めたのだった。
東門に辿り着いたハルトは、新たな狩場に向かうべく気を引き締めたのだった。




