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118話 俺には無理そうです

 ヤヨイさんに乗せられて昨日と今日ゲットした素材をほとんど売る事にした。いや、まぁ、最初から売るつもりだったよ?別に年上のお姉さんの色気に負けた訳じゃ無いからね?

 それはともかく、素材を出しながら迷いの森の攻略法を聞いているのだが……。


「つまり迷いの森の攻略にはマッピング能力を持っているシーフが必要って事ですか?」


「そうね。迷いの森ではワールドマップが無効化されているけど、シーフのマッピングスキルは有効なのよ。だからシーフを連れて迷いの森を歩き回っていれば何処でループして何処で進めるかが分かるのよ。β版との違いがあるのかはまだ分かってないと思うけど、もう少しすれば多分迷いの森の地図が出回ると思うわよ?β版でも地図の販売がされてたし」


「地図が販売されるんですか?」


「そうよ。攻略組がある程度したら地図を販売する様になるのよ。それと情報も販売される様になるわね。攻略組の中には到達して直ぐに情報を販売するクランもあるけど信頼度はそこそこなのよね。それでも速報として見れば充分だけど、信頼度の高い情報が欲しい時は信頼出来るクランを見つけてそこから買うのが1番良いわよ」


 なるほど。早ければ良いってもんじゃないんだな。というか、それなら俺も情報を売れるって事なのか?どうなんだろ?聞いてみるか。


「情報を販売する事って俺でも出来ますか?」


「ハルト君が?出来るか出来ないかで言えば出来るけど情報を纏めるのは面倒臭いと思うわよ?簡単な速報みたいな情報を売るんなら簡単だけどその情報を買った人が何らかの不利益を被った場合悪評を流されるリスクがあるから個人での情報の販売は辞めた方が良いわね。詳しい情報をってなると出現するモンスターの攻撃パターンや弱点、ドロップアイテムや採取出来るアイテムの情報とか色々纏める必要があるからこっちも個人でやるにはオススメ出来ないわね」


「あー、聞いてるだけでやる気が無くなったので辞めときます」


「その方が良いわ。そういうのはそういう事が得意な人達に任せといた方が良いのよ」


「分かりました。っと、これで売る分は全部ですかね。あ、でもこの茶熊の毛皮と爪で装備制作の追加注文したいんですけど良いですか?」


「毛皮と爪で追加注文ね。構わないわよ。何を作るのかしら?」


「毛皮で黒風のクライスを作ってもらって、爪でアッサムの爪に装備出来る爪を作って貰おうかと思いまして」


「アッサムは確かハルト君の最初の召魔のモグラちゃんね。黒風は確かブラックホース?だったかしら?」


「そうですね」


「ちょっと召喚してくれるかしら?ある程度は装備したら自動サイズ変更されるけど、モンスターの場合はある程度サイズを測っとかないと許容範囲外になりかねないのよ。剣とか盾とかマントならある程度で良いけど爪や鞍だと測定しといた方が良いと思うわ」


「許容範囲なんてあったんですね。分かりました」


 ヤヨイさんに言われてアッサムと黒風を召喚する。


「これが黒風ね。アッサムはお久しぶりね。あら?この子少し大きくなったかしら?前に見た時はもう少しだけ小さかった様な……」


「アッサムはこの前進化してちょっとだけ大きくなったんですよ」


「そういえば、そんな情報が掲示板にあった気がするわね」


「そんな些細な情報が掲示板にあがるんですか?」


「ハルト君はこのGPOでは結構な有名人枠に入るのよ?当然色んな所で名前があがるわよ」


「えー……」


「ま、諦めなさい。それより測定させて貰うわね」


「あ、お願いします」


 そう言ってヤヨイさんは慣れた手つきでアッサムと黒風の測定をしていく。ヤヨイさんの職業は商人で作り手じゃないのに測定するんだな。しかも結構手馴れてる感じがするし、多分テイマーの従魔の装備を作ってる内に慣れたんだろうな。流石生産系クランのクラマスだ。


「はい。測定完了したわよ。このぐらいなら前回の制作依頼の装備と同じ位に仕上がりそうね。だから多分同時に渡せる様になると思うから出来たらメールでお知らせするわね。それから支払いは前回の分と今回の分を合わせて素材の買い取り額から引くって形で大丈夫かしら?それでもこっちがハルト君に支払う形になると思うけど」


「俺はそれで構わないですよ。それでお願いします」


「良かったわ、ありがとう。じゃあ、この前の木札を貸してね。新しい木札と交換するわ」


 前回貰った木札をヤヨイさんに渡し、計算が終わったヤヨイさんに新しい木札を渡される。


「支払いは他の装備と同じ時に渡させて貰うわね」


「分かりました。これで黒風にも乗れる日が近くなったな。黒風に乗れる様になったら一緒に狩りに行こうな」


 そう言って黒風を撫でてやると「ブルルン」と気持ち良さそうに黒風が返事をする。


「うふふ、相変わらずハルト君達は仲が良いわね。ハルト君を見てるとサモナーも悪くなさそうなんだけど早く人が増えると良いわね」


「そうですね。俺も自分以外にサモナーがいれば参考になるので早く人が増えて欲しいです」


「……人が増えてもお互いに参考にはならないと思うけど」


「えっ?何ですか?」


 何かヤヨイさんが言ったような気がするけど小声だったので聞き逃してしまった。


「ううん。なんでもないわ」


「そうですか?じゃあこれで失礼させてもらいますね」


「ハルト君、またね」


 召喚していたアッサムと黒風を送還してフリーワークスの屋台を後にした。

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