116話 夜の迷いの森へ
ログイン
「良し、まだ暗いな。早めにログインした甲斐があったな。迷いの森の探索を長くしたいのと、最近ミュエルを召喚出来て無かったから久しぶりに召喚してやりたいしな。今の俺たちなら3マス目の夜でも十分戦えるだろ」
エラルシアの里を出て今回はアッサム、カルマ、ヨナギ、ミュエル、プリンを召喚した。
「久しぶりだなミュエル。あんまり喚んでやれなくて悪いな。今回は日が出てくるまでよろしく頼むな」
そう言うとミュエルは、任せとけ!と言わんばかりに剣を持ってる方の手を挙げてカタカタと口から音を出していた。こうして見るとスケルトンも愛嬌がある様に見えてくるな。
「他の皆も夜は久しぶりだと思うから頼んだぞ!」
俺の言葉にミュエル以外の皆もそれぞれ手を手を挙げたりクルクル回ったりして答えてくれる。
まだここは2マス目とはいえ、夜の森の探索はかなり久しぶりなので注意しながら進んで行く。
『火魔法のレベルが上がりました』
『ヨナギのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
「ふぅ、やっぱり夜は出てくるモンスターが多いな。特にイリュージョンバタフライが多く出てきた時は厄介だな。実際俺とカルマ以外は1回は混乱状態にさせられたしな。軽くコツンって殴るだけで混乱状態を解けるって言っても近付かなきゃいけないからな。近付いた時に攻撃されるとイリュージョンバタフライの攻撃よりも痛いからな。何回か食らってヒール使わないといけないし、攻撃してしまったと申し訳無さそうな顔する皆を見るのも心が痛むな。ヨナギのステータスは精神を上げとこう。これでヨナギは進化まで後2つか。さて、ステータス操作と解体も終わったし出発するか。最近はステータス操作しながらの解体も慣れてきたな。まだ3マス目にも着いてないから少し急ぎたいところだな。出来たら迷いの森の夜も見てみたいし」
夜の迷いの森を探索する事で何か進む為の取っ掛りでも無いかと思い夜の探索を決めたのだった。
出てくるモンスターを蹴散らしながら何とか暗いうちに3マス目まで到達出来た。
「よし、何とか暗いうち迷いの森まで来れたな。明るい時にはまだ少しは他のプレイヤーが居たけど、流石に夜には居ないな。ここからはモンスターも強くなるし、更に気をつけて行かないとな。っと、思ってたら早速来たか」
そう呟き視線を右に向けると、視線の先からブラウンベアが3匹こちらに向かって来ていた。
「いきなりブラウンベアが3匹か。しかも当然2マス目で戦ったブラウンベアよりもレベルが高いか」
ブラウンベア Lv18
状態 パッシブ
テイマー
「1番高い奴でレベル18って普通なら4マス目かそれにかなり近い所に出るレベルだな。それが3マス目の入口近くで出るなんて流石夜って感じだな。まぁ、俺達ならどうにもならないレベルって訳じゃないけどな!皆、行くぞ!」
『杖のレベルが上がりました』
『蹴脚のレベルが上がりました』
『土魔法のレベルが上がりました』
『アースウォールを習得しました』
『ミュエルのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
ふぅ、以外と苦戦したな。レベルで言えば砂漠のスケルトンファイターの方が上になるんだろうけど一撃の重さやHPの高さから言って戦い難さから言えばブラウンベアの方が上だろうな。3マス目でこれなら迷いの森を抜けた4マス目ってどれだけの強さになるんだろ?
さて、ミュエルのレベルが上がったか。ミュエルが進化するまではまだあるけど多分進化先にスケルトンファイターがあるのは確実だろうな。今のミュエルのステータスだとスケルトンファイターにするのが1番だろうからミュエルは筋力を上げとこう。
「そして解体結果がこれか」
【素材アイテム】
茶熊の肉 品質C レア度2
茶熊の肉。独得の臭みがあるが調理次第ではそれなりに美味しいらしい。
【素材アイテム】
茶熊の爪 品質C レア度2
茶熊の爪。そこそこ大きいので様々な物に使える。
【素材アイテム】
茶熊の毛皮 品質C レア度2
茶熊の毛皮。そこそこの大きさがあるので様々な用途に使える。
「爪と毛皮は初ゲットだな。爪は多分短剣とかに出来るんだろうな。アッサムが狼の鋭爪装備してるけどこの爪も装備に出来るのか?出来るならアッサムの装備も更新したいな。それと毛皮か。そういえばブラウンベアの毛皮でも馬の鞍が作れるんだっけ?これもまた発注しとかないとな」
ドロップしたアイテムをインベントリに仕舞って改めて迷いの森を見る。
「うーん、パッと見ただけでは薄暗いだけで何か目印になる様な物は何も無い様に見えるな。まだ3マス目ってのを考えるとそこまで難しい条件があるって訳じゃないと思うんだけど」
そう思ってとにかく色々進んでみたが何も手がかりは得られずに辺りが明るくなって来てしまった。
『土魔法のレベルが上がりました』
「土魔法のレベルアップは今日2回目だな。まぁ、まだ土魔法のレベルが低いってのもあるけど。それでもレベルが上がるのは嬉しいな。それにしても夜に探索しても結局何も新しい発見が無かったな。夜に特有のモンスターも出なかったし。もう明るくなって来たからミュエルもここまでだし、一旦戻るか。Mポーションも作りたいし。月光草とかモンスターの素材とかも手に入ってるんだから全くの収穫無しって訳じゃないしな」
こうして夜の迷いの森へとやってきたが迷いの森攻略の手掛かりは何も得られずにハルトは帰って行った。




