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115話 中々厄介です

「危なっ!」


 突然横から木の枝が殴りかかって来たから咄嗟に屈んで避ける事に成功した。もし食らってたらかなりのダメージを受けてたな。


「木の枝が動いたって事は……」


 トレント Lv15

 状態 アクティブ


「やっぱりか!居るのは分かってたけど、攻撃されるまで普通の木と見分けが全然つかなかったな。気配も攻撃されるまではしなかったし。それに迷いの森に入って割と直ぐなのにレベルが高めだな!」


 トレントはその後も枝を振り回して近くに居たアッサムやゴブスケを攻撃していた。


「あれ?トレントってもしかしてその場から動けないのか?木だから根が張ってるのか?だったら……、ファイヤーアロー!」


「グゴォォォォォ」


「かなり苦しんでるな!やっぱり木だから火が弱点なんだな!それに近寄らずに魔法で攻撃すれば安全だぜ!って、痛っ!」


 何だ!何が俺の頭に当たったんだ!トレントの攻撃か?……あの上の葉っぱのとこから出てるあれは蔦か?あれでここまで攻撃してきたのか!枝が届かない所からなら安全だと思ってたけど違ったよチキショー!


「アッサムとゴブスケとカルマは近付いて攻撃だ!俺とヨナギとプリンは遠距離から魔法で援護だ!」


 トレントの攻撃を近距離にも遠距離にも集中させないようにしないとな。

 その後、1人に集中させないようにさせた結果あっという間にトレントを倒す事が出来た。


『火魔法のレベルが上がりました』


「ふぅ、初見のモンスターはどんな攻撃をしてくるか分からないから疲れるな」


 トレントからトレントの枝をドロップして迷いの森の道っぽい所を進んで行く。道中トレントやフォレストチキン、2マス目でも出てきたイリュージョンバタフライを倒しながら進んで行く。フォレストチキンが出てきた時に俺が嬉しそうにするから皆が張り切ってフォレストチキンを倒す様になっていた。


「さっき倒したフォレストチキンもトサカがあったからオスだと思ったけど卵をドロップしたな。モンスターだから性別とか関係無いのかな?まぁ、1回で肉と卵両方ゲット出来るんだから良かったんだけどね」


 その後もモンスターを倒しながら進んでるんだけど中々進んでる感が出ないな。迷いの森ではワールドマップが使えないってのもあるんだろうけど。ちゃんと先に進めてるのかな?……あれ?ここってさっき通ったような?


 それから木に剣で印を付けて進んで確かめてみると、木に印を付けた場所へと戻って来てしまった。


「うん、やっぱり戻ってきてるな。これが迷いの森っていう事か。普通に進むだけじゃ先へと進めないっぽいな。ん?」


 何かモンスターの気配が近付いて来るのを感じた。


「モンスターの気配がするな。でも姿が見えない?迷いの森は薄暗いからゴースト系も居るのか?」


 そう思い辺り注意して見ていると。何かが飛んできてハルトの足下で弾けた。


「上か!」


 ハルトが樹上を見上げると、そこには30センチ程のリスが5匹居て、こちらへ木の実を投げつけてきていた。しかもそれが何かに当たると爆発するというおまけ付きだ。


 シマリス Lv8

 状態 アクティブ

 テイマー


「か、可愛いな」


 ボンッ!ボンッ!ボンッ!


「おっと!そんな事言ってる場合じゃ無かった!枝の上に居たら上手く攻撃出来ないな。カルマ!ヨナギ!プリンでシマリスを魔法で枝の上から落とすぞ!ヨナギは体当たりも使ってな!アッサムとゴブスケは落ちてきたシマリスに止めを頼んだ!アースショット!」


 枝の上から落とすなら質量のある土魔法が良いだろうと思いアースショットで攻撃する。

 魔法やヨナギの体当たりによって枝の上に居たシマリス達はどんどんと落ちていき、アッサムとゴブスケに仕留められていった。


「うーん、可愛いからちょっと罪悪感が……。でもモンスターだから仕方ない。それにしてシマリスもテイマーが仲間に出来るのか。絶対運営はテイマーをもふもふ系で固めようとしてるな」


 シマリスを解体し、縞栗鼠の毛、縞栗鼠の前歯、団栗をゲットした。


「シマリスの素材は何に使うのか良く分からないな?もうこれは全部売ってヤヨイさん達に丸投げしとこ」


 アイテムをインベントリに仕舞いつつため息をつく。


「ふぅー、しかし同じ3マス目の洞窟に比べるとこっちの方が難易度が高いな。モンスターも奇襲が多いし、進むのもどうやって進むのかも分からないし」


 攻略法も無いし、その取っ掛りもまだ分からないし適当に進んでみるかな?進んでる内に何か見つかるかもしれないし。


 しかし、どれだけモンスターを倒しながら進んでも先に進んでいるという感触は得られなかった。本人的にはフォレストチキンの肉や卵が手に入っているのでそこまで不満そうでは無かったが。


「うーん、ダメか。今まで何とかなってきたから今回も、と思ったんだけどなぁ。少し早いけど一旦帰ってからまた出直すか。昼までの短い時間を探索に当てるより早めに昼ご飯を食べて昼からの探索を長くした方が良さそうだし」


 暗くなるまでまだ時間はあるが、ハルトは一旦戻ってログアウトしてからもう一度この迷いの森を探索しようと決め、エラルシアへと戻りログアウトしていった。

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