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108話 交流会3

「今皆さんはどんな従魔を仲間にしているんですか?」


 その質問がいけなかった……。それを言った瞬間周りのプレイヤーが、あーあという顔をして離れて行ってしまったのだ。

 その原因のエリーの反応が凄まじかったのだ。


 わたくしのオオカミの目が澄んでいるとかキツネの尻尾のもふもふ具合が素晴らしいとか毎日従魔のブラッシングを1時間以上かけているとか、とにかく従魔愛が止まらず、ジョセフさんによる助け舟があって、エリーによる従魔自慢から解放された時には2時間以上経っていたのだった。


「お兄お疲れ」


「お疲れ様でしたぁー」


「ハルト君お疲れ様。エリーに従魔の事を語らせちゃダメよ?止まらなくなるから」


 解放されマーリンの所へ行くと労いの言葉と注意の言葉があった。

 アイリーンさん、その注意は早く言って欲しかった……。


「皆は何を話してたんだ?」


 この場にはマーリン達とアイリーンさんの他に3人の女性プレイヤーが居た。3人は見た感じではマーリンやミーニャと同世代ぐらいに見えた。


「友達が出来たのか?」


 マーリンによると3人共2陣で始めたばかりでまだ従魔は1匹しかいない様だ。なのでマーリン達と同様に何をテイムするか悩んでいる様だった。そこにアイリーンさんが来て相談に乗っていたところだった。


「私のオススメしたのはオオカミとコボルトね。オオカミは牽制に良いし、コボルトは自由度が高いから育て方次第でどのポジションもこなせるわよ」


「コボルトはサモナーのゴブリンと同じですね。俺は敏捷を上げて遊撃役をやって貰ってますよ」


「私は魔力と精神を上げて魔法使い役にしてるわ」


「テイマーの壁役としてはブラウンベアなんてどうです?似たようなポジションのゴーレムは凄く活躍してくれてますよ?」


「ブラウンベアなんて2マス目のモンスターじゃない……。新人さん達には厳しいと思うわよ?」


「お兄、また私達を連れて突っ込むつもり?」


 そう言ってジト目を向けてくるマーリン。


「あ、あれは事故みたいなもんだって。別に行こうとして行った訳じゃ無いぞ?それに無事ボスも倒せてベール村まで辿り着けたんだから良いじゃないか。そのお陰でツノウサギもいつでもテイムしに行ける様になったんだし、今度北の2マス目にも行ってブラウンベアもテイム出来る様にしとくか?」


 「却下!」


 「ハルト君、それは無いわぁ……。まだ始めたばかりの2陣の子を2マス目に連れてくなんて……」


 「でもユニットを組めば早くレベル上げも出来ますし、強い人と組めばボスも比較的楽だと思いますよ?」


 「そうなの?」


 ここで俺がユニットを組んだ時の経験値配分と片方の人数を少なくする事で1パーティーで戦うよりも経験値が多くなる事や、ユニットを組んだ時のボスの状況を教える。


 「その経験値配分なら新人の子を鍛えるには良いかもしれないわね。でも、ますますテイマーやサモナーとパーティやユニットを組もうとしてくれる人は少なくなりそうね」


 「あー、そういえばその事でβ版では揉めたって話ですもんね」


 「そういう事ね。テイマーは数が多いから良いけどサモナーは……ね?」


 むー、確かにユニットを2パーティで組んだ時に1人で経験値を半分も持っていくなんてズルい!とか言う人は出てきそうだな。これはもうよっぽど信頼出来る人としか組めそうに無いな。


 「それならテイマーの人と組んだら良いんじゃない?同じ条件なんだし。お兄が誰とも組めなかったら私達が組んであげるよ!」


 マーリンがドヤ顔でサムズアップしているけどその通りだな。テイマーの人となら何も問題無いのでは?


 「そうね!テイマーも同じ条件なんだからテイマーと組めば問題ないわよね!その為にもこの交流会でテイマーの知り合いを多く作らなきゃね!」


 アイリーンさんにも言われたし、そこから俺は色々な人達と話した。話していて分かったのだがテイマーの人達は結構2マス目に到着出来ている人が多かったという事だ。中には既にブラウンベアをテイム出来たと喜んでいる人が2人も居たのだ。遭遇率は高く無さそうだったし、2マス目では中々強敵っぽかったのにもうテイム出来てるなんて凄いよな。

 そしてツノウサギをテイムしている人は結構居た。まぁ、ほとんどがエリーさんのクランの人達だったけど。可愛いは正義!と興奮していたのが印象的だったな。

 テイマーの人達は俺に対して好意的な人達ばっかりだったし、良い人達そうで安心した。

 あまりにも盛り上がり過ぎてノリで皆でユニットを組んで南の1マス目のボスに突撃して2マス目目指すか!と言う声に賛同して明日の昼から皆でジャイアントワイルドラビットに挑む事になった。アイリーンさんと、エリーさんのクランに入ったばかりの2陣の人達もこれに参加する事になったので明日はかなりの数のジャイアントワイルドラビットと戦う事になりそうだ。

 日が沈み暗くなってきたので俺やマーリン達、その他にも学生が多く居たが、皆ログアウトしていった。大人達はまだまだ騒ぐ予定らしい。

 因みにこの日で俺のフレンドは枠が沢山埋まった。

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