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105話 試食

 「ほれ、先ずはサソリのハサミからだな。茹でてみたから食ってみてくれ」


 出来たてを5人で試食してみる。


 「エビ?みたいな味ですかね?」


 「そうだな。ちょっと硬いが味はエビっぽいな。小さい方でも食いであって美味いが大きい方は更に美味いな。伊勢エビみたいに殻付きで焼いても良いかもしれねぇな。どっちも色んな料理に使えそうだ」


「そうね。充分美味しいしコレは買いね」


 サソリのハサミは買い取って貰えそうだな。特にリトルスコーピオンの方は数が多いから買い取って貰えるなら助かるな。次はサボテンのステーキか。


「うーん、不味くはないですけど……」


「これは、もっと調味料があればもっとマシになると思うぞ?そこは攻略組やハルトに頑張って貰わねぇとな」


 そう言ってバシッと肩を叩かれてしまった。痛い……。そしてしれっと攻略組と一緒にされてるし。


「まぁ、これは後で他にも調理法がないか調べてみるか。ステーキとして食ったから微妙なんであって野菜枠としてならコレはコレでアリだと思うぞ?」


「そうね、後で試行錯誤をお願いしようかしら。ならコレも買いね」


「私的にはサソリの方を多く買い取って欲しいな〜」


「……ん、賛成」


「どっちみちサボテンはそんなに多くは取れてないので結果的にはそうなると思いますよ?サボテンは砂漠での採取なのでそんなに数が取れそうにないので」


「そうなんだ」


「で、最後はコイツか……」


「私は、要らない」


「ダメよ?全員で試食します」


 最後に出てきたのはサンドワームの肉を焼いた物だ。


「……ここは持ち込んだ本人から食べてもらいましょうか」


「「「賛成」」」


「げっ、まじか……。でも確かに持ち込んだのは俺ですしね……」


 恐る恐るサンドワームの肉を口に運び咀嚼する。


「んー、若干臭みがありますかね?それに弾力も凄いですし」


「見た感じ食えなくは無さそうか?どれ……うーん、確かに臭みがあるな。味付けするなら濃いめが良いか」


「……クラマスとして私も食べなきゃダメよね……。んぐ!うーん、臭みもあるし弾力が凄くて噛み切るのが大変ね」


「……私は要らない」


「……同じく」


「……2人共食べなさい」


 ヤヨイに言われて渋々食べるが2人共ダメだったのかすぐに吐き出してしまった。


「うっ、どうしても元の見た目を思い出す」


「……私はもう要らない」


「買うならちゃんと表記した上で出さないとクレームの嵐になりそうだな」


「一応これも少量だけど買っときましょうか。マニアがいると思うし」


 という事で一応全種類買って貰える事になった。サンドワームの肉は少量だが。

 これも直ぐには支払いが出来ないので精算額を書いた木札を受け取った。


 フリーワークスさんの屋台を後にした俺は先ずエラルシアへと飛んだ。Mポーションに必要な魔力草を買うためだ。少しは買う事が出来たがあまり大量には買う事が出来なかった。既にプレイヤーが何人も辿り着いているので幾つかは買われていった様だ。というか絶対フリーワークスの人達だろうな。

 しかし多少は買えたので良しとしとこう。

 次に来たのはクルストのレンタル工房だ。材料も潤沢とは言えないが揃っているのでMポーションを作ってみるつもりだ。


 「先ずは普通のMポーションから作ってみようか。先ずはポーションと同じだな、薬草を刻んで水に入れて沸騰させる。そして攪拌っと。それと並行して魔力草を刻んで水に入れて沸騰させる。ポーションの時と同じだな。違うのは沸騰してからここに魔石を入れる事か。何故か魔力草を煮たお湯に魔石が溶けるらしいんだよな。魔石が溶けたらこっちも良く攪拌してっと。両方共お湯が冷めたらゆっくり2つの液体を混ぜる。混ぜたらゆっくり一定のスピードで攪拌して、濾過したら完成するはず。……良し!成功したぞ!」


【回復アイテム】

 Mポーション 品質C レア度2

 普通のMポーション。MPを3割回復させる。

 クーリングタイムは10分。味付けをしていないので不味い。


「うん、ごく普通のMポーションだな。ちゃんと乾燥も使ってるし水もウォーターで出したんだけど品質が上がらないなぁ。それだけMポーションの作製難易度が高いのか?とにかくリストに登録しとかないと」


 リストにMポーションを登録する。


 「これで良し。次は味付きのMポーションに挑戦だな。これさえ出来たら今よりも魔法がグッと使いやすくなるからな。今まではMポーションを飲みたくなくてキツい戦闘以外そんなに使って無かったからなぁ。美味しいのが出来たら魔法スキルのレベルもどんどん上がっていくだろう」


 インベントリを開いて入っているアイテムのリストを見る。


 「最初は1番数が多いリンゴから使って作ってみるか。あれ?果汁を入れるのはどうするんだ?片方だけで良いのか両方入れないといけないのかどっちだろ?試しだから先ずは片方だけでやってみるか」


 薬草の方へ果汁を入れて先程と同じ様に作っていく。


 「2つを混ぜて掻き混ぜて……あ!失敗した……」


 2つの液体を混ぜて混ぜていると完成した時と同じ様に光ったと思ったがそこには何も残ってはいなかった。


 「失敗したら何も残らないのか。ゴミになるとかじゃ無いんだな。気を取り直してもう1回だ!」


 もう1度先程と同じ様に作ってみると、今度は成功した。


【回復アイテム】

 Mポーション 品質D レア度2

 普通のMポーション。MPを3割回復させる。

 クーリングタイムは12分。味付けをしていないので不味い。


 「さっきより悪化してるし……。味もついて無いし完全に失敗だな。多分両方に果汁を入れないといけなかったんだろうな。品質が下がったのは片方だけに入れたせいで不純物が、混ざった扱いなんだろうな」


 今度は両方に果汁を入れて作ってみると、今度はちゃんと味付きのMポーションが出来たのだった。

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