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名探偵?リコの助手

作者: 安西雄治

※短編の課題文より


カレー

 カレー。カレーは僕の大好物だ。だが、最近食べる機会がとんと失われてしまった。なぜなら……。

「今日の晩御飯はなに?」

「今日はリコの大嫌いなカレーだよ」

 なぜなら、僕がいま働いている探偵事務所の所長、リコが嫌いな食べ物だからだ。

「私がカレー嫌いなの知ってて作ったんじゃないでしょうね」

 そう言いながら台所にやってきて、ツンとした表情で不服を申し立てるリコに対し、僕は即座に意義を申し立てる。

「このカレー、近所のおばちゃんがくれたやつ。作りすぎたーって言うからもらった」

 まだ不満そうな目つきをしているので、僕は続けた。

「……今月も赤字だよ。当然、食費もない。つまり、現状僕たちに食べるものを選ぶ立場には無いってわけ。さあ食べよう」

「むぅ~~~……」

 納得行かないって風のリコの肩を軽く叩いて、カレーを食べるように促した。

「おばちゃんのカレーがなかったら、晩御飯はカップ麺1個だったよ。そっちのほうが良かった?」

 いじわるな質問を投げかけてみたら、リコは……

「……それもイヤ」

「でもさ、カレーが嫌いってのも珍しいよね」

 さっきまで入念に温めたカレーを食べようとしたその時だった。

「あーーーっ!!」

 なんとリコはいつのまにやら持ってきた納豆をカレーの上にぶっかけたのだった。さっき台所から動かずコソコソしてたのは、納豆を探していたのか……。

「納豆が嫌いってのも、珍しいよね? 大阪の生まれの人? あっでも、今どき、大阪の人でもそんな絵に描いたような人いないか?」

 くっやってくれるなリコ……!!目の前にあるカレーに納豆がトッピングされ、見事な納豆カレーが出来上がった。

「……っていうか、誰が食べるんだよ、これ?」

 ぼくは、カレーは大好きだが納豆は大嫌い。リコは、カレーは大嫌いだが納豆は大好き。納豆カレーを喜んで食べられる人は、この場にいないのだった。

「カレーなんて持ってくるからでしょーー」

「いやいや、八つ当たりするのは僕じゃなくて、カレーを作りすぎたおばちゃんにしろよ」

 僕とリコは2人して、やり場のない怒りをしばらくぶつけあった。お互いお腹が空いていたということもあったのか、10分近くはくだらない言い争いを繰り広げていた。

 しかし、それにも疲れ、お腹の虫は鳴き止むどころかより一層活発になり、いよいよ我慢できなくなった。しょうがないので、非常に薄っぺらい財布の中から2人で出し合って、近くのスーパーで安い大袋のポテチと飲み物を買って帰ってきたのだった。

 リコとは高校生の時に知り合った。修学旅行の時、宿泊先の旅館で、同じクラスの人が密室で殺されるという、殺人事件が巻き起こった。証拠を残さない周到な手口で、警察の操作は難航していた。そんな時、リコと僕の2人の華麗なる捜査と推理によって、真犯人を暴いたのだった。まあ僕は、リコの助手だったのだけど。主従関係で言えば、従のほうをやらされていたのだけど。そして、それまでリコとは全然付き合いも何もなく。ただその日、事件が起こる直前にやってた王様ゲームで僕がリコのいうことを聞かなければならなくなって、いきなり『助手をやりなさい』と言われて、仕方なく付き従っていただけの関係だった。

 この一件から調子に乗った2人は、高校卒業後、2人で探偵事務所を開業したのだが、ご覧のとおりの閑古鳥。まぐれで殺人事件を解決しただけの一発屋の若造2人にわざわざ依頼してくる奇特な客などなかなかおらず早くも廃業寸前だった。

「……今月の家賃、払えるのかなあ」

 ボリボリとポテチを食べながら、リコはポツリとつぶやいた。勢いだけでリコについていったけど、本当に良かったんだろうか……。僕は急に不安になったのだった。

前回からだいぶ間が開いてしまいましたが、作成時間自体は短い時間でやりました。重たい話が続いてきたので、軽い内容にしました。自己評価は高くないです。

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