僕にとってのハッピーエンド(狂気の果てに)
バッド(夜にとってはハッピーかも)エンドです。イフ話であって打ち切りとかではありません。
「マッてよ真司…ドコに行くの?」
「待つのはお前だ!一旦落ち着け!な!?」
目からハイライトが消えた夜。…しかも右手には包丁…
…正直絶体絶命かもしれない。…何処に逃げても逃げ切れる気がしない。
まさか…こうなるとはな…
〜〜〜〜〜〜〜ちょっと前〜〜〜〜〜〜〜〜
「あれ?真司、何この手紙?」
「…ん?手紙?あぁ、それか…ラブレターだ。」
「ふーん…ラブレタ…えっ?ぱ…ぱーどぅんみー?」
「ラブレターだ…俺宛の。なんか今日下駄箱に入ってた。」
「へ…へぇ…流石真司モテるんだね…よかったね…で…?どうするの?返事…?」
正直俺にその告白を受ける気はなかった。特に知らない奴だったしな。知らない奴からラブレターもらって受ける奴とか居るのか?居たら見てみたいが…
だが。この時、俺にこんな考えが浮かんだ。
『夜の反応を見てみたい』
…と。
こんな事を思わなければ…そして、次の言葉を言わなければ…こうはならなかったのか?
…だが、俺は言った。言ってしまったんだ。
「そうだな…OKしようと思ってる。」
「……へぇ…っ!」
なんだ…対して反応無いな。もう少しわーきゃー言うかと思ったんだが…
…まぁいいか。と思って夜の方を向いて…
「な…」
ヒュン!
『なーんてな』と言おうとした…が…言い終わる前に、俺の首元に包丁が迫っていた。
どうやら目測を誤ったらしく掠っただけで済んだ。
掠った所から少し、血が流れる。
「うおお!?い、いきなり何するんだ!?」
「…………OKするんだ。いいんじゃない?真司が幸せなら僕も幸せだしね。うん。」
ヒュン!ヒュン!ヒュン!
「まっ…待て待て待て待て!?言葉と行動があって無いぞ!?なんで包丁を振り回すんだ!」
「OKすれば真司はリア充になるんだね…その女と色んな事して…楽しいリア充生活を送るんでしょう?それで…僕の事なんて段々忘れて行って…僕はひとりぼっち…真司の幸せそうな姿を…僕は影から…見て…見て…あぁぁぁぁぁ!!」
「待て!落ち着け!OKする気なんて無い!冗談だ!」
「…嘘。嘘だよ。騙されないから。」
ヒュッ!
…まずい…話を全く聞かない…!くそっ!このままじゃマジで殺される…
仕方ない…!一回外に逃げよう!包丁を持ちながら外にはこれない筈…!
「…うおおお!」
「…逃げ…るんだ…」
…よし!すり抜けた…!後はこのまま外に…!
「…ドコ行くの?」
「なっ…いつの間に…」
…しまった…最近すっかり忘れてたが…こいつ…吸血鬼だった…瞬間移動なんて簡単ってか…?
くそ…どうすればいいんだ…!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「…真司、シッてる?そうイウの。往生際が悪いっていうンだよ…?」
「そいつは悪いな…だが、ここで死にたくなんてないもんでな…」
「ソウ…まぁ、別にイイけどっ…!」
ヒュン!ザクッ!
「…ぐ…」
…腕を少し切られたか…!かなり痛いな…
「…避けるの辞めてよ真司…僕ハ真司を苦しめたくナンテ…ナイんだかラ…さ…」
「苦しませずに…殺すのか?なんで俺を殺すんだ…親友じゃなかったのか…?」
「親友ダヨ?親友ダカラ…殺スンダ…僕カラ離レル前二…!」
まずい。発する言葉まで無茶苦茶になってきてる…
何故だ…?何故…殺しに…?告白をOKする…それがダメだったのか?
…という事は…まさか?
「…お前…俺の事が好きなのか?」
「………ふにゅん!?…い…っいや!?えっと…!」
…おお、ハイライトが戻って来た…なんとかなるか?
…というか…この反応は…まじで…?
「…………ぅ…ぅん…。僕は…真司の事…が…好き…なんだ…」
「…まじか?」
「…ご…ごめん…ね…キモチワルイよね…元男の癖に…好きになっちゃった…なんて…うぅ…グスッ…ごめんなさい…」
…本当に俺の事が好きだった…とはな。
…だが、その言葉は…
…待ってました…だな。
ギュッ。
「……ふぇ?」
「…夜…俺も…お前の事が好きだ…」
「……え?…本当…?…僕の事…真司は…好きなの?」
「あぁ。元男なんて関係無い…俺は、お前の…夜の事が好きだ」
「……本当に…好き……?じゃ…じゃあ…その…その…キ…キキ…」
…機器?とかボケを入れられる雰囲気じゃないな。何を言いたいのかは解る…よし、こういう時は…男から…だな…
…かなり恥ずかしいが…よし!
「…ぅ…うぅ〜…や…やっぱり何でも…っ!?」
……なるほど…これがキスか…俺、結構冷静だな…しかし…柔らかいな…
「……ん…はぁ…え…えへへ…キス…しちゃったね…」
「あぁ…」
「…じゃあ…これからは僕達は恋人ドウシ…だよネ?」
「そういう事だな。」
「…フふ…ねぇ…真司?」
「…なんだ?」
「…エイエンに…イッショに居てクレル?」
「…あぁ…もち…!?」
ドスッ!
「…ぐ…?」
衝撃を感じ、視線を下に移すと…
鈍く光る包丁が、俺の胸に突き刺さっていた。
急に黒く塗りつぶされていく視界に最後に映ったのは…
「これでエイエンにイッショだね♪真司…♪」
幸せそうな…夜の顔だった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ーーーとある場所。
「ふぅ…ふぅ…お?この洞窟がいいかな?…真司〜♪僕たちの新居だよ〜♪嬉しい?…そっか♪」
「…ふ〜♪景色いいねぇ…青い空、白い雲!清々しい気分だね!真司はどう思う?…だよねぇ♪」
「…ふふふ…これからは2人きりの生活だね…♪皆の記憶も消した。戸籍も消した。僕達が生まれて、過ごしたっていう記録も記憶も、何処にも残ってないから、誰も邪魔しに来ないよ…僕の事を知ってるのは真司だけ、真司の事を知ってるのは僕だけ…ふふふ…」
「何もする事なくて暇だねぇ…『そっち』は楽しい?真司。ふふ…僕も行きたいところなんだけど…まだ『こっち』の真司と一緒に居たいんだぁ…♪でも、すぐに行くと思うから…それまで待っててね♪待ってて…くれるでしょ?」
「新作ゲームとか沢山出てるんだろうねぇ…また、2人でやりたいね?大技こそ最強って事…今度こそ分からせてあげるからね?」
「…光達どうしてるかなぁ?どう思う?…あはは。そうだね。光達は大丈夫だよね♪僕達がいなくても…きっと…元気だね」
「ねぇ真司。僕の事好き?…うん。僕も大好き!…え?ちょっと言ってみたかっただけだよ♪」
「…目が…かすれて来たなぁ…やっぱりあの時魔力使い過ぎちゃったかな?…髪もくすんできちゃった…こんな僕でも、愛してくれるかな?…ありがと♪」
「…そろそろ、げんかいかなぁ?もう、しんじのばしょもわからなくなりそう。…ねぇ、て…つないでいい?…あはは。しんじのて、つめたいね。きっと、こころがあったかいからだね。」
「…そろそろおわかれだね…『こっち』のしんじ…でも、きっと『あっち』であえるよね。うん。きっと…あえる。しんじ、ぼくをまだあいしてくれてる?」
「…ぼく、ねむくなってきちゃったよ。…しんじも?ふふ…いっしょにねようか?
めがさめたら…また、あえるよね?
しんじ…おやすみ♪」
終わりを考えようとするとこういうのばっかり浮かんでくるんです。…最後はハッピーにしたいです。