帰宅
きょうもおふろはじごくでした。
光が昨日の続きをしようと襲ってくるわ橘さんが僕に石鹸を塗りたくるわ本田さんが僕をホールドするわイトウさんまで悪ノリしてくるわ…ぐすん。もうスキー教室やだ…帰る…おうちかえる…
まぁそんな事はどうでもいい!今からはお土産選びタイムだ!スキー教室で最も楽しいと言っても過言ではないこの時間!…さて、何買おうかな…予算は3000円…いつも思うけど少ないよね。もうちょっと持ってこさせてくれてもいいのに…
あ。チョコ発見!生チョコだ!よし、これは買いだね。2箱。
サブレか…美味しそうだな…よし、これも買おう。
…使い所の分からない剣や手裏剣…前に行った修学旅行でテンション上がって買って、近くの店に売ってた時のあの何とも言えない感覚は忘れない…!だからもう買わない!
あぁ!こんな所で迷ってる間に皆に取られてしまう!早くしなくては!
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よし、大量!ふふん。これだけ買えば暫くはオヤツに困る事も無いね。
さて、部屋帰ろうっと。そして寝ようっと。明日には帰れるし…早く寝て疲れを取ろう!
と、思ったのに…
「なんで先客が居るの…?」
「今日は私が一緒に寝る番なのよ。ほら、入った入った。」
「やだよ…なんで本田さんと添い寝しなきゃいけないのさ…僕本田さん用の布団で寝るからね」
「ひ…酷い…光や橘さんとは一緒に寝たのに…私とは寝てくれないの…?友達だと思ってたのに…!」
「ぅぐ……よし、分かった。一緒に寝よう」
「ありがとう!」
くぅ…美女と3連続で添い寝とか男の頃だったら狂喜乱舞してるのに…!全然嬉しくない!寧ろめんどくさい…!くっ…やはり僕はもう女…か…
「さー寝よ寝よ♪」
「早くない?まだ皆帰ってきてないよ?」
「いーのいーの…もう寝ちゃいましょう」
「はーい…お休み…」
ギュ…
「…本田さん?」
「成る程…これは光がレズに目覚めるのも分かあべし!」
「何言ってるのよ…!」
…なんかこの流れ最近多いような…ってうわぁ!チョコレートの箱の角が本田さんの脳天に!?やばい!これ結構重症かもしれない!
「本田さん…!本田さんっ!死なないで!」
「この程度で死ぬ訳ないでしょ…」
…投げた張本人が何を
「…夜…私の…最後の言葉…聞いてくれる…?」
「何っ!?最後なんて言っちゃダメだよ!きっと助かるよ!」
「ふつー助かると思うんだけど」
「…ううん。自分の体は自分が1番分かる…私はもうダメ…だから…夜…」
「…本田さん…っ!」
「…貴女は…光に毒されず…に…ノーマル…な…恋愛を…ひでぶ!」
「本当に懲りないわね…!」
「本田さん!死なないで!死んじゃやだ!本田さん!ほんだざぁぁん!」
がくっ。
本田さんの首から力が抜ける。
「…本田…さん…分かった…!本田さんの気持ち…無駄にはしない…!僕は…普通の恋愛をしてみせるよ!」
僕達の恋愛はこれからだ!
『完!』
「…もういいかしら?」
「うん。満足した。」
「どうだった?私の演技」
「凄かったよ!」
「…あの〜…もう入っていいですか…」
「あぁ!ごめんね橘さん!光がレズなせいでちにゃ!?」
ゴィィーン…
頭が痛い…けど…なんだか…とても眠いんだ…あ、天使が見える…
ガクッ
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「…すぅ…」
すっかり寝ちゃって…しかし、可愛い寝顔ね…つつきたくなる…
でも、前はこんな子も魔物であるなら人類の敵って信じ込んでたのよね…
…夜が…誰かに迷惑をかけてるようには思えない…いや、迷惑はかかる時もあるけど、命を脅かすような物じゃない…
やっぱり…ホーリークロスは間違ってる…でも、あそこの考えを改めさせるなんて事…私には…
「…何か悩んでるでしょ。」
「!…起きてたの」
「うん。…何悩んでるんだか知らないけど…僕で良ければ力になるよ。…明日から…」
「…ありがとう…でも、なんで明日から?」
「今日は…もう…眠い…」
…あらら。寝ちゃった…やっぱり小さい子は睡眠時間が必要なのかな…
…私も…寝よう…
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おはよーございます。最終日です。特に名残惜しくは無いけど、やっと真司に会えるのか、家に帰れるのか、ゲームが出来るのかと思うと早く今が過ぎ去って欲しいよ…
まぁいいか。さて、スキーに行かないとね。
ふふふ…この2日間で僕は凄く上手くなったからね…インストラクターの人もびっくりしてたもんね…
よし、最後の滑り!楽しみますか!
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「わっほーい!たのしー!」
「……もうついて行けないわね…」
「早…」
もうこんな急な坂もらくらく!ふふん!
「…そろそろ時間ですよー」
あ、なんだ…もう帰る時間か…折角楽しくなってきた所なのに…
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「さよーならー」
「さよならー」
ホテルの外まで見送りに来てくれた従業員の人達に手を振る皆。取り敢えず僕も振っとくかな。
「お世話になりましたー」
…後はバスに揺られて帰るだけか…ぐぅ…
「…あれ、夜また寝ちゃったよ」
「やっぱり小さいから…」
「小さくない!」
他の皆よりちょ〜っとだけ背が低いだけだ!僕はロリなんかじゃないぞ!将来は真司を籠絡できるようなプロポーションになる予定なんだっ!
「はいはい。寝てましょーねー」
「むぐ…お休み…」
ロリじゃないもん…ロリ吸血鬼なんてもう沢山居るもん…
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…む…エンジンの音が聞こえない…振動もない…
「…あふぇ…?着いた?」
「あれ、起きちゃった…せっかく抱っこして帰ろうと思ったのに」
このレズめ。
「家に帰るまでがスキー教室ですから…皆さん事故等には気をつけて…解散です!」
「おー!」
さて、帰ろう!帰って…真司の部屋行ってよーっと
…問題発生。重い。荷物が重い。…く…行きはそんなじゃなかったのに…何故だ…やはり疲れ切ってるのか…!
「…はぁ…はぁ…」
家が遠い…でも行ける!僕なら行ける!
「せいっ…?」
…なんか凄く軽ーい。これは火事場の馬鹿力が…あれ?なんか手が多い…
「持ってやるよ」
「真司!ありがとう!ついでに僕も持ってって!」
「やだよ…」
「ちぇー」
困ってる所に現れるとか真司マジヒーロー。女の堕とし方を分かってる!この変態紳士め!
「…なんか邪な事考えてるだろ」
「いえ全く!」
「…そうか…ところで俺の後頭部に氷玉を当てた件なんだが…お仕置きは無しだな。ありがとう」
「へっ?」
…なんで感謝されたんだろう?
「俺がぶつかりそうになった時急にスキー板が動いて避けたやつ…あれ、お前だろ?」
「…え?あ、うん。危なかったから…」
「ありがとな。危うい所だったぜ」
ナデナデ。
「こ…公共の道路で女の子の頭を撫でるとかどういう神経してるんだぁ…♪」
「すまんすまん…」
「そういうのは…ちゃんと真司の部屋でやってもらわないと!」
「え?そうなのか?」
「うん!早く帰ろう!そして撫でて!」
「お…おう…」
…話したい事が沢山あるよ。ゲームも一緒にやりたいよ…あれ…なんか顔が熱い…?