コタツ亀
いつも通り真司の部屋に入ると真司がコタツに入ってのんびりしてまし…コタツ!?
「な…なんで真司の部屋にコタツがあるの!?」
「母さんがくれた。」
…流石真司のお母さん…お金持ち&真司に甘々…
「…僕も入っていい?」
「いいぞ。」
…あったかい…けどコタツって2人で入ると狭い…というか足が当たる…
「…せいせい!」
「ぐおっ!?…俺のコタツだぞ…」
「ふふん!気にしない!」
…よし、いいポジションGET。もうちょっと入ろうっと。
「…コタツ亀!」
「俺が思いっきり押し出されたんだが。」
「コタツ亀だから仕方ないよ…」
「仕方ない訳あるか!俺も入るぞ!」
「にゃー!?重いっ!酷い!亀の中身にダイレクトアタックするなんて!」
「親子コタツ亀って事でいいだろ。」
「…夫婦とかの方がいいな…」
「じゃあ夫婦亀で。」
「…でもそうだとしても妻の上に夫ってどうなのかな…」
「それもそうか…よし、俺が下になろう」
「わーい。」
んしょ…んしょ…よし。
「ふっ…僕の下になってる気分はどうかね!」
「凄く…屈辱です…」
「なんでよ〜」
「…ていうか…お前…もしかして下着着てないのか…?」
「え?パンツは履いてるよ?」
「いや…そっちじゃなくて…胸に着ける方だ」
・・・・・・・・
「…ふふふ…当ててるのですよ…」
すいません嘘です。すっかり忘れてました。
「ったく…まぁ当たってないがな。」
「なんですと…」
ぐにぐに。
「あー当たる当たる。肋骨が当たる〜」
「そ、そこまでぺったんこじゃない…はずだっ!このっ!」
むにむに。
「そんなに胸を擦り付けるとか…痴女め。」
「痴女っ!?失礼な!僕は真司に胸を認めさせようとしてるだけだ!」
…あれ?それが痴女なのかな?
「…はいはい。当たってるよ。これでいいか?」
むー。なんかテキトー…
「…にゅぅ…まぁいいや。僕眠いから寝るね」
「おいこら!待て!俺の上からどいてから寝ろ!」
「…やだ…」
ヒシッ。
「く…この…どけっての…」
「亀だから仕方ないんです…」
寝よ。
「おい!こら!起きろ!せめてどけ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
もういい。諦めよう。俺も寝る。
しかしあれだな。こいつほんの少しだか胸あるのな。…当たっても痛くない程度に。
マジで女なんだなぁ…あれ?もしかして俺凄ぇ幸運なんじゃね?女と一緒にコタツに入ってるとかご褒美じゃね?
…ないな。女だという事は認めるが…可愛い事は認めるが…どうもな。親友をそういう目で見るって事に罪悪感が…
「…すやぁ…」
「お前起きてるだろ…?」
・・・・・・・
マジで寝てんのか…しかし、この体制どうにかならんかね…誰かに見られたら変な誤解を受けそうだ…
「…コタツ亀。」
「…ぷふっ。」
「やっぱ起きてんだろ?」
「……むにゃむにゃ。コタツ亀。むにゅむにゅ…」
「…どんな寝言だよ…」
コタツ亀どんだけ気に入ったんだ…やれやれ。俺も寝よう…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「……にゅ。」
…暑い…コタツに長く入り過ぎるのは危険だね…
あれ…真司寝ちゃってる…
「しんじーしんじー。しーんーじー?おーきれー。」
「……なんだよ…」
「僕喉乾いた〜」
「なんか飲めばいいだろ…」
「サイダーとみかん!持ってきてよー」
「俺はお前の下に居るわけだが。」
…それもそうか。
「じゃあ僕が持ってくるよ…みかんどこー?」
「…下の棚かな…」
…おお…さっむ…さっさといこう!
…あったみかん!サイダーはいっつもここ!
よし!早く戻る!
「持ってきた!入れて!」
ヘッドスライディングインコタツー!
「コタツ亀!」
しゃきーん!
「…ふー」
「また俺の上に…」
「みかん持ってきたから食べさせて。」
「だから…俺はお前の下にだな…」
「…じゃあ僕が食べさせてあげるよ…」
むきむきむきむき。よし。
「はいアーン」
「…あーん…」
真司がアホみたいに開けた口に…投げ入れる!
「せい!」
「ふぐっ!?」
「げほっ!」
「…ふふーん。思い知ったか…」
「ごほっ!げほげほっ!かはっ!」
…あれ?なんか凄い重症…?
「ごほごほっ!ぐっ…」
「ごっ…ごめん!ごめんね真司!僕そんなにするつもりじゃなくて…はい!サイダー!」
「…冗談だ」
「……へ?」
「別に喉に詰まらせた訳でもない。安心しろ」
…なんだ。どっきりか…引っかかっちゃったよ…
「…そういうドッキリやめてよね…僕の心臓に負担がかかる。」
「…すまん。」
「…今ので寿命が36年は縮まった。」
「多いな!」
「大丈夫!吸血鬼は不老不死って言うし!」
「…そうか…お前の胸はもうそこから育たないのか…」
「…それは老いじゃなくて成長だから…多分まだ…」
「…ふっ。」
…むかつく…
「…いいんだい。そういうのが好きな人だって居るはずだもん。別にだからどうだって訳じゃないけど。」
「…ロリコンか。」
「なんという事でしょう。真司が僕の魅力に気付かない内に僕はロリコンの毒牙にかかってしまったのでした。」
「…結構辛いな…それ…」
「そういう事にならないように真司は早く僕の魅力に気づくべきだよ」
「…もう気づいてる。」
・・・・・・・
ボン!
「おい!今なんか凄い音したぞ!?」
「…き…のせい…」
ぷしゅー
うぅ…顔が熱い…
「お前…褒められ慣れてないのな…」
「真司からそんな言葉が出るとは思わなかったもので…」
…くぅ…動揺し過ぎだぞ僕!
でもちょっと嬉しかった…えへへ。
中々シリアスに入れないです…