大掃除
えへへ…お揃いお揃い…真司とお揃い…取り敢えずズボンに付けとこうかな。ちゃんと落としても戻ってくるようにしてっと…
死ぬまで手放さないって言った時…多分真司は本気にしてなかったみたいだけど…僕は本気だよ。絶対に手放さない
もし。もしもいつか真司と離れなきゃいけなくなったとして。その時、僕は真司が離れるのを止める事はできない…だって、真司には真司の人生があるんだから…
だから、これは一生持っておくんだ…真司との思い出として…もし、真司がペアの方を捨ててしまったとしても…僕は…
…えーい!やめだやめだ!こんな事考えたって何にもならない!
よし!真司の所行こうっと!多分大掃除でてんやわんやしてる筈だし…手伝いついでに何か面白い物が出てくるかも…
ふふ…待ってろ〜。
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「真司〜大掃除捗って…無い…ね…こりゃ。」
「ああ。」
真司の部屋は酷いものでした。普段はそこまで酷くないのに、なんでこうなっちゃうんだろう?ゴミ屋敷もびっくりだよ。もしかして真司は片付けようとすると逆にゴチャゴチャにしちゃう系男子なんだろうか。
「…手伝ってあげてもいいよ?」
「…頼む。」
やれやれ…これは…探し物とかしてる場合じゃないかな、頑張ろ…
「真司〜これなに〜?」
「…なんだろうな。それ…」
なんで持ち主が分からないんですかね…流石に僕も分からな…あ、いやこれ分かるや。真司の部屋を見てた時に使ってたやつだ。
「…これあれでしょ?ほら、肩とか腰に当てて使うやつ…電気マッサージ機だっけ?」
「おぉ、そうだそうだ。母さんがくれたんだった。」
「これどこに置いとく?」
「ん〜…タンスの上にでも…」
「だからさぁ。そういう事やってると片付かないんだよ?」
「…そうなのか…」
…今まで真司はどうやって掃除をしてきたんだろうか。あれかな?箱の中に取り敢えず突っ込んでその箱を適当な所に押し込むっていう…ああいう方法を使ってたのかな?
これはこっちあれはこっちあっちはこれでこっちはあっち…あれ?
あぁもう!全然片付かないよ!
「真司これ捨てていい?」
「いやそれは…」
「…使うの?」
「いつか使うかもしれないし…」
「そういうのを無駄って言うの。捨てるよ?」
「だけどさ…」
話が進まない…真司め、実は優柔不断だな?…はぁ…あ、そうだ。いい事思い付いた。僕の魔力で小さくして片付ければいいんじゃないか?
シュミン。
「…よし、これでOKだね!使うか微妙な奴どんどん持ってきて!」
「おう。」
多分取り出す時凄い見つけ辛いと思うけど…まぁそんな事は気にしない!困るのは真司だ!
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ほいほいほい…よし!あらかた終わったかな?
「…俺の部屋が見違えた…」
「ふふん。僕のおかげですよ?」
「あぁ、そうだな。ありがとう…しかし、魔法って便利だよなぁ。」
「だよねー?………将来僕を手元に置いておくと便利かもよ?」
「お前…道具だったのか…」
「そうそう。一家に1台!杉下夜!今なら大特価200円!ってね。」
「安くねぇか?お前の人生は200円か?」
「真司限定の大特価だよ。どうどう?買う?」
「買わねーよ…」
「…真司に要らないって言われた。処理されてない河豚食べてくる。」
「死ぬ気か!?おいこらちょっと待て、マジで行こうとすんな。」
「だって…真司に買ってもらえなかった僕は産業廃棄物として処理されるしかないんです!そんな辱めを受けるくらいなら自ら命をっ!」
「…仕方ねぇなぁ…買うよ…」
「本当?じゃあ僕に200万円ね?」
「200円じゃなかったか?」
「小さく万って言ったんだけどなー。聞こえなかったのかなー。でもそれは真司の所為であって僕に責任無いから値段は変わらないなー。」
「…やっぱ買うのやめる。」
「…心臓に木の杭打ち込みに行く。」
「どうしろってんだよ!?」
…ふふふ…真司をからかうのは楽しいなぁ…まぁこの辺でやめとこうかな。お仕置き(ギリギリR-15)をされてはたまらないからね。
「冗談だよ。真司に買ってもらえなかったくらいで死ぬわけないじゃないか。」
「だよな…はぁ…」
「…でも要らないって言われたら本当に死ぬかもよ?」
「…ん?なんか言ったか?」
「真司のバーカって言っ痛い痛い!」
僕のほっぺが伸びる!正月前にお餅ができちゃう!
「…そういえばお前の部屋はいいのか?」
「もちろん。普段から綺麗にしとけばそんなに特別な掃除は必要無いからね。」
「優等生な言葉ですこと…」
「どやっ?」
「…実は汚かったりしないか?手伝ってやろうか?」
「なんでそんなに片付けたがるの?」
「なんか面白い物とか無いかなって。」
「面白い物なんて…」
…あ、真司の部屋から持ち帰ったYシャツ返してないや。
「…あるのか?」
「うーん…真司にとっては面白くないけど僕にとっては寝る時にも普通の時にも必要な物があるかな」
「…なんだそりゃ?」
寝る時とかゲームしてる時とかに真司のYシャツを羽織ってキャッキャしながら過ごしてるのだ。…いやね?最初は男だった頃を思い出そうとして羽織ったんですよ…けどこれが凄く気持ち良くて…今ではなくてはならない物になってきてるのだ。…1〜2日毎に変えてるからバレてないっぽいけど。
「…まー。なんも無いと思うよ?それより僕は真司の部屋にそういう系の本が無いのがびっくりなんだけど。」
「なんでだよ…」
「真司だって男なんだから…そういう本があってもいいのよ?」
「ねぇよ。」
…つまんないの。
「…まぁいいや。じゃあ僕そろそろ帰るね?…次は初詣の辺りに!」
「おう。」
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キャッキャッ。…あ、そういえばこれもあったな…指輪。真司に買ってもらったやつ…
ふふ…変身!
ぽふん。
ウェディングドレスってこんな感じだっけ…?まぁいいかよし、後は左手の薬指にこれを付けて…
えへへ…♪真司のお嫁さ〜ん♪
…やめよ。なんか哀しくなってきた…
…お正月楽しみだなー。おせちにお雑煮にお餅にお年玉に…屋台でたこ焼き食べるのもいいなぁ…
…真司と行きたいなぁ…けどお母さん達と行かないとだもんなぁ…
はぁ…しばらく真司と会えないなぁ…