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聖なる夜。


起きたら家に誰も居ませんでした。


…え?何これ?これが今話題のクリぼっちってやつなの?確かに真司がいなければ僕はボッチだけど…家族にさえ見捨てられちゃったの?…泣いていいだろうか?ていうか泣く。いいよね?クリスマスの日に家族に捨てられるとか精神が死んでもおかしくないですよ。


…何これ。ケーキ…とチキン?


『急な用事が入っちゃって明後日まで帰れなくなっちゃった!これ持って佐々木君の家に行って一緒に食べてね!』


………真司の家に行けって…あっちにはあっちの都合があると思うんだけど?


…まぁいいか。ちょっと真司の所行ってこよ…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「真司ぃ…僕お母さんに捨てられちゃったよぉぉ…」

「…意味がわからん。」


「ほら、見てこれ…」


「…む?ふむふむ…そういえば俺の親もこんな書き置きを残してたんだ。」


『急な用事が入っちゃって真司と一緒にクリスマスパーティーできなくなっちゃった(涙)でもプレゼントはちゃんと買ってくるから安心してね☆ケーキとチキンとサイダーは買っておいたから夜ちゃんと一緒に仲良く食べてね♡』



…うわぁ


「おい、今うわぁって思っただろ。」

「そんな事無いよ?若々しいお母さんだなって。後、真司愛されてるなって。」

「…たまにうっとおしくなるんだ…」


…まぁいいか。


「でっ…でもこれはさ?僕と真司のクリスマスパーティーを両家の両親が容認したって事でしょ?じゃあ早くやろうよ!」


「…というかさ。お前ん家にもケーキとチキンあるんだろ?」

「うん。」


「…1人…1ホールか…?」

「あっ」


確かにちょっと多いかもしれない。けど僕は甘いものなら結構いけるのだ。1ホールくらい余裕かもしれない。チキンも多分いける。…真司は男なんだからその位行けると思うんだ。


「まぁ余裕でしょ?じゃー僕ケーキとチキン持ってくるね。」

「おう…」



ここで問題ができました。


僕の家を出る時はポストの所に置いて鍵を閉めたので僕は忘れてました。


ケーキとチキンを…両手に持つと…








玄関が開けられない。…うわーん!真司開けてぇぇ!?寒いよぉぉ!


ガンガン!


ごめんなさい真司のご両親!僕はドアを蹴ってしまいました!


ガチャ。


あ、良かった…真司出てきた…って、なんだその何か言いたそうな顔は。


「…後先考えないからそうなるんだ。」

「うるさい。」


言いたそうな顔だけにしてほしかった。充分分かってたから追撃して欲しくなかった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「それでは…」

「いただきまーす!」


チキンもぐもぐ。美味しい!でも冷たい!あっためて欲しい。


「…真司。これあっためて?」

「ケーキをあっためろとは…珍しいな」

「そっちじゃない!そっちじゃないよ!?」


ケーキをあっためたらどろっどろになってしまいます。そんな物体Xを食べるなんて僕はごめんだ。



チーン!


お、あったまったかな?


「あったまったー?」

「おう。ほれ。」


そう言って真司はアツアツになったチキンを僕が差し出したお皿…ではなく添えて出した左手の方に…



…左手…?



「熱っ!?酷い!お皿に置いてよぉ!?」


…最近真司が酷いです。ドS真司です。火傷したらどうしてくれるんでしょう。


取り敢えず冷水で冷やさないと…あぅ…冷たい…


…うん。もうOKそうかな。さっさと食べよう…ってあれ?


「なんか僕のチキン大きくなってない?」

「そうか?」


…肉って焼くと大きくなるんだっけ…?まぁいいや!得したって事だよね!


もぐもぐ…うん。あったかい方が美味しいねぇ…


「…なんか真司顔が気持ち悪いよ?」

「…酷くねぇか?」


いや、今のはなんか凄く…気持ち悪かった。イケメンが台無しだった。何があったんだろうか?真司はそんなにチキンが好きだったのかな?ちょっとあげればよかったかな…?


…ふぅ。さて、次はいよいよケーキだ…!



もぐ…うん。甘い!生クリームって甘くてナンボだよね…甘さ控えめとか消えればいいと思う。甘味を甘くしなくてどうするんだ!


もぐもぐ…ぐふっ…べ…別腹とは言っても僕のお腹は1つな訳で…結構お腹が…えふっ。


「…そんな無理して食うなよ…ラップかけて冷蔵庫入れて明日食えばいいだろ?」

「そ…それもそうか…」


…半分近く残ってしまった…男の頃ならこのくらい余裕だったのに…!


うぅ…お腹重い…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…夜。ほれ、プレゼントだ。」


わーい!何かな何かな…


おお!『B(ベガ)A(アルタイル)D(デネブ)オンライン』だ!これチラッと見て格好良さそうだったんだよね…!


「ありがとう真司!これ欲しかったんだ!」

「俺も買ったから今度一緒にやろうぜ」


楽しみ!…だけど…お金大丈夫なんだろうか…?実はお代官様なんだろうか。


「…プレゼントありがとう!じゃあお邪魔しても悪いから僕はこの辺で!」

「まて。約束忘れた訳じゃないだろうな?」


「…やっぱりやらなきゃダメ…?」

「…そんなに嫌なら…」

「やるっ!」

「そうか。ありがとう」


…僕ってとことん真司に甘いと思う。でも仕方ない。うん。




…真司は部屋に戻ってしまいました。つまり、変身してから入ってこいという事…うぅ…


でも…よし!男は度胸!行くぞ!


ボフン!


よ…よしっ!321で行くぞ!


3・2・1…



…1・2・3…


うぐぐ…やっぱり恥ずかしい…!


え…えぇい!GOGOGO!


ガチャ!


パシャ!


…パシャ?


パシャってなんだろう。そんな疑問を胸に真司の方を見ると…そこにはスマホを構えた真司の姿が。



と…撮られたっ!こんな…こんな姿をっ!


顔が熱くなって行くのが分かる…だか!ここで恥じらって止めてしまってはむしろダメージが大きい!この勢いのままっ!


「真司っ!…ぼっ…ぼくがっ…僕がプレゼントだよっ♪!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



…なんだろうこの沈黙。凄く恥ずかしい。


「…ありがとう。」

「へっ?」


「…長年の夢が叶った気分だ…さあ。こっちへ来い。」


…えへへ♪そんなに喜んでもらえたなら恥ずかしい思いをした甲斐があったかな…


「…しかしあれだな」

「…何?」




「…腹、凄い膨らんでるな。」


…うあっ!?そうだった…!さっきチキンとケーキ目一杯食べたから…!確かにいつもと比べてかなり大きい…!


「…お腹撫でるのやめて…」


…なんか変な気分になっちゃう。


「…なんかあれだな…夜が孕んだみたいだな。」


は…孕…っ!?


「はっ…孕んだって…っ!ぼっ僕は別にぃ!?」


孕むって事はそういう事をする…いや僕の場合されるって事であわわ…!


「…めっちゃ慌ててんじゃねぇか…」



くそぅ!真司に主導権を握られっぱなしでたまるか…!ここで一発逆転の何かを…よし!










「うふふ♪貴方の子よ…?」



このセリフは一発逆転ではなく、自分の首を絞めるセリフだったと気づいたのは、真司に押し倒された後でした。



…らめぇぇぇ!?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


…やり過ぎた…


隣で気絶一歩手前にまで追い込まれている…というか、追い込んだ夜を見ながらそう思った。


だが、こいつも悪いと思う。あんな事を言われて理性がもつ方がおかしいのだ。


…むしろR-18に行かなかった俺を褒めて欲しい。


この状態の夜を楽しんでたいのは山々だが…このままでは風邪を引いてしまうだろうし、起こして帰らせよう。


…写真撮ってから。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



…ふぎゅ…っ…酷い目にあいました…


…まぁいいです。怒ってないです。僕もちょっと悦んでしまったのでおあいこにしましょう…


さて、僕はもう寝るよ…真司が寝た後にこれを届けにいかなきゃいけないからね。


…お休み〜。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


…3時50分…流石に起きておるまい…


変身!サンタ!


ボフン。


…ふふん…中々似合ってるかも?


…ミニスカは履かない。だって寒いもの。


さってと…僕の力を持ってすれば煙突を探す必要なんて無いのです。霧になって…


うんうん。よく寝てるね…さて、プレゼントを置いてっと…


…むぅ。折角コスプレしたのに見てもらえないのはちょっと寂しい…よし!


真司のスマホは何処かなー?ん。あったあった…これで写真を撮って…


ガシッ


…ガシッ?


「……サンタコスまでしてくれるなんて…至れり尽くせりだな。」


…あ、これ真司の手か…じゃなくて!


「…真司…起きてたの…」

「何しに来たんだ?」

「サンタはプレゼントを配るんだよ?」


「…そうか。プレゼントになりに来てくれたのか。」

「そうそ…あれ?何か違くない?」


最後の方になんかちょっと違うけどそれで済ませちゃいけないような間違いがあったような?


「…もう遅い!」


ガシッ!ガシッ!ガシッ!ガシッ!


…まってまってまって。なんかあっというまにししをこうそくされたんだけど。いつのまにかしんじがうえにいるんだけど。


「…いや、違うんだよ真司。僕がプレゼントじゃないんだよ。それもう終わったでしょ?僕はただ単に真司にプレゼントを…」


「…そうか。」


…これあれだ。全然話を聞いてないやつだ。


…力を抜いたら痛くないって言うし…抵抗しない方がいいのかな…


…うぅ…真司のバカ…絶対に声は出さないからなっ!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


…もう…いいや…疲れた…寝よう…


「おい、夜。」

「ひいっ!も…もうやめてくださいっ!」


「…違ぇよ…ほれ、これ。」


「…何これ?」

「サンタからのプレゼントだ。」


…わぁ…真司がプレゼントくれるなんて…


「ありがとー」


嬉しい…けど…もう…限…界…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



カシャ!


…カシャって何…?


「おう。起きたか」

「真司…あれ?なんで真司が…」


そうだ思い出した。僕は真司の家にプレゼント配りに来たんだった。…あ!プレゼント!


「…開けていい?」

「おう。」


お…おおっ!?これは…


「赤い方だっ!」

「…赤い方…?」

「僕のやつ開けてみて!真司!」


「…おお!?もしかしてペアのやつか?」

「うん!わー…凄い…こんな偶然があるんだねぇ…」

「凄いな。」


光ありがとう!君のおかげで真司とペアになれたよ!


「僕これ死ぬまで手放さない!」

「…無理だろ?」

「そんな事ないよ!僕の魔力を使ってコーティングして落としても戻ってくるようにして…!あ、真司のもやっといてあげるね?」

「あぁ…頼んだ…」


わーい!わーい!ペアアクセサリーだー!


…ふふ…色々な物を失ったけど、それ以上に得るものがあったね!


R-18に行ってないというのは裏を返せばR-18にならない事ならやっているという事です。

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