プレゼント選び
むにゅむにゅ。
…なんだろうこれ。スライムみたいな物なんだろうか?これで何をすればいいんだろう。
名前も用途も使い方も不明だ…最近の店にはよく分からない物が多いなぁ…
いや、違うだろ僕。こんなスライムもどき(笑)みたいな物を探しに来た訳じゃない。真司のプレゼントを買いに来たんだ。
…とは言っても何を買えばいいのやら…僕から真司へのプレゼントは僕だけど…サンタから真司へも送らなきゃだもんね…
くそぅ…真司が真面目に答えないから僕が悩むハメになるんだ…もうさっきのスライムを投げつけてやろうか…?
『Hi!Mr.真司!メリーXmas&プレゼントforyou!』ベチャ!
みたいな感じで…くふふ…あはは…や、やばい。笑いそう…!こんな所で笑ったら変人に思われてしまう…!あ…あひ…やば…限界…
「夜!何してるの?」
「スライムッ!?」
いきなり声をかけないでいただきたい。…思わず変な単語が口を突いたじゃないか…まぁそのおかげで笑いは引いたけども。
…ていうか誰だよ。僕にいきなり話しかけた奴は…光か。なんとなく声で分かってたけどやっぱ光か。
「…なんだ光かぁ…」
「なんだって何よ…なんだって…」
「別に深い意味は無いから気にしなくていいよ?…で、何の用?」
「いや、1人で笑いを堪えてる挙動不審な人が居るな〜って見たら夜だったもんで…夜こそ何してるの?」
「僕はプレゼントを選びに…」
「プレゼント…分かった。佐々木くんでしょ。佐々木君なんでしょ」
「…中々鋭いね」
…めちゃくちゃニヤニヤしてるのはなんでなんだろ…?
「選ぶの手伝おうか?」
「いや、いい。大丈夫」
「ふ〜ん…まぁ頑張ってね?プレゼントの中身によっては佐々木君に嫌われちゃうかもしれないから…気をつけてね?」
…え?し、真司に…?き…っ嫌われるって何…?僕が真司に…!?えっ?えっ…
「(まぁそんな事ありえないでしょうけど…ふふ…焦ってる夜…可愛いわね)」
「じゃ〜ね〜。頑張って!」
「あ…まっ…待って!」
「…ん?どうしたの?」
「おっ…お願い!プレゼント選ぶの手伝って!」
「…手伝ってあげたいけど…ごめん。私も忙しいんだ…」
「あぅ…そう…」
…光の薄情者。僕を不安にするだけしといて手伝わないなんて…!
「またね〜」
「…うん…」
嫌われ…あっ!そうだ!サンタなんだから別に堂々と渡す必要ないんだ…!真司が寝てからそっと置いて…メッセージカードにメリークリスマスって書いて置いとけば…
…うん。これで行こう。僕頭いい。
…まぁでもプレゼント選びに妥協はしない。だって真司にあげる物だもん…
…ん?光からメールだ…
『これなんかどう?』
画像が添付されてるな…えっと…
おお!かっこいいドラゴン!…いいなこれ。よし、これプレゼントしよう!ありがとう光!やっぱり君は僕の友達だ!
…うん。これだね…なんか隣にペア見たいなのあるけど…なんだろうこれ?くっつけるとウロボロスみたいになるのかな?
…うっ…高い…これは…ペアは諦めよう…
よし、こっちの青い方にしてっと…うん!OK!
よし!レジに買いに行こう!
レジに向かった夜の後ろ姿を見つめる光。
「…夜が買ったのは青い方ね…じゃあこっちの赤はっと…」
カシャ!
『夜へのプレゼントにこれなんかどうかな?』
…送信っと…ふふふ…これでどうなるかしら?
あ、私もプレゼント買わなきゃ…はぁ…彼氏…欲しいなぁ…
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…ほくほく。いやー…光のおかげでいいの買えたなー。
後はケーキとかチキンとか欲しいよね。…お母さんが買っててくれるかな?真司の家に持って行ったら怒るかな?
あ、そういえば真司はどんなゲームくれるのかな?もしかしてゲームじゃなかったりするのかな?…ん〜…楽しみだなぁ…
…引き換えが僕の全裸リボン姿なんだけどね。真司最近変態だよね。
やっちゃう僕も僕なんだろうか…?いやでも真司が見たがってたもんね…うん。親友の頼みを聞くのは悪い事じゃない…というより当然だよね。裸リボンくらい簡単簡単!
…ところで、僕が裸リボンして…真司はどうするんだろう?見て終わり?それとも写真とか撮るのかな?
見られるのは恥ずかしいけど…写真って下手したらずっと残っちゃうよね…?
僕の裸リボン姿が真司の携帯にずっと…?
機種変の時とかやばいよ!?僕が変態だって携帯会社の人に思われちゃう!
…うぅ…写真NGって言ったらやめてくれるだろうか…?
やめてくれないよな〜…真司だもんな…
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「…これか。」
青山からメールが来た時には何かと思ったが…なるほど、これは夜が好きそうな中2…じゃなくて…かっこいいデザインだな。
む?ペアになってるのか…?でもこっちにかかってるはずのやつはもう売り切れてるな…この赤い方を買おう。
…結構高いな…ゲームと合わせるとかなり痛い…だがまぁ、夜の為だ。なんだかんだでいつも世話になってるし世話(意味深)にもなってるからな。
…さて、ゲーム売り場に行くか…あいつの好きそうなゲームを探さないとな。
「行ったわね…よし、こっちのは戻し時ましょう」
佐々木君に赤い方を選ばせる為に青い方を隠しておいたのだ。
…なんで私があの2人の為にこんな事しなくちゃいけないのかなぁ…まぁ、別に辛くないし楽しいんだけどさ…
あの2人…さっさと付き合わないかな…見てるこっちがもどかしくてしょうがないよ…
ってあれ?メール?
『いつまで買い物してるの?早く帰ってきなさい!』
…やば…くぅ…これは全部杉下って奴の仕業なのよぉ!
…ぐすん。怒られるだろうなぁ…
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…うん。明日に備えて早く寝よう…明日は凄い疲れる気がするからね…
精神的に…




