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逆探知


あれ?もう朝だし…布団の上だし、パジャマだし…


うーん?なんか昨日真司に抱きしめられてからの記憶が無いような…?



…何してたんだっけなぁ?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…という訳で真司。何か知らない?」


…もちろん知っている。夜は昨日俺と『大人の遊び』を楽しんでいたし、寝たらその事を忘れるようにしたのも俺だ。


…だが、それを言う必要は無いだろう。言った所でどうなる訳でもないし…


「…すまんが知らんな。お前はあの後帰っていったからな。」

「…そっか…うーん…何してたんだろう…」


こいつのこの人の信じやすさはどうかと思うな…将来悪い奴に利用されたりしないといいんだが…?


「…むぅ…取り敢えずゲームしよ?」

「…いいのか?…まぁいい。コテンパンに負かしてやろう。」

「ふふん。僕は新しい技を使いこなせるようになったから今回は強いよ!」


…どうせ大技なんだろうなぁ…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


真司と夜がゲームで対戦しているとき、こちらでも争いが起こっていた。


≪魔を統べる者≫。≪天の王女≫。この2人の争いもまた、熾烈だった。


「…成る程…つまりそういう事か…」


「…あら…そんな駒があったのね。」


「ふ…これでどうだ!」


「残念。チェックメイト!」



「わー!?待って待って!今の無し!」

「待ったなしってルールだったでしょ!?」


…だが、別にシリアスとかそういう事ではなかった。


そんな時。


ピンポーン


家のチャイムが鳴った。これ幸いと≪魔を統べる者≫は玄関へと駆け出した。


「お客さん来たからこの勝負は引き分けな!」

「ちょっと!なんでそうなるのよ!」


「……お前らはまた夫婦喧嘩してたのか…」

「うるせーな。お前は妻すら居ない癖に」

「ぬぐ…」


訪問客は≪時空を司る者≫だった。


「…で?何しに来たの?」

「あぁ、魔物最強決定戦のDVDが出来たんで見せにな。」

「おお!今回はどっちが勝ったんだ?炎帝か?天龍か?」

「私的には天龍だと思うんだけど…」

「炎帝だって強えぞ?」


「…まぁ、その2人の対決は炎帝が勝ったんだが…優勝者は別だ。」


「…なんだと…?あの2人を越える奴が居たのか…」

「へぇ…それは楽しみね…早速見てみましょう」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…なんだこいつは…?」

「規格外ねぇ…どれだけ魔力を持ってる事やら…」

「あぁ、俺もびっくりした。」


「…普段はどんな生活してるのかしら?」

「覗いてみるか?…監視の意味も含めて」

「…そうだな。…時空玉!」


シュー…


虹色に光る玉が夜の家に向かって飛んで行った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


…ぺっぷし。


…誰かが僕の事を噂してる気がする!真司だったらいいなー…って今真司は誰とも居ないか…


…ってあれ…?なんか変だな…見られてるというかなんと言うか…?


あの辺から…?ちょっと調べてみよう…バレないように慎重に魔力の糸を張り巡らせて…うん。反応があるね…


…なんだろうあれ。玉?…監視用かな…一体誰が…?敵だったら困るし…逆探知してみようかな。


逆探知と言えば昔の刑事ドラマとか見てると、時間が必要だったり公衆電話からのは特定できなかったりしてたけど、今はささっとできるみたいだね。


だから、伸ばして伸ばして。みたいなのも必要ないんだよね…技術の進歩って凄いよねぇ



…っと。逆探知成功。…結構遠いな…まぁいいや。ごー!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…おい。消えたぞ?」

「…うん?おかしいな。時空玉は目標を自動追尾するはずなのだが…」



…ほーほー。成る程。そんな名前なのか…あの玉。魔力で別の景色を映し出しといたから、多分意味ないと思うけど。


「…気づかれたんじゃないの?」

「…いや、俺の術は完璧なはずだが…」


そんな事ないよ?バレバレだよ?


…でもこの3人皆オーラというかなんというか…?結構凄いね。


「…肝心な所で役に立たないなぁ…」

「…すまん。」

「仕方ないんじゃないかなぁ…誰しも失敗はあるよ。」

「そうそう。そんなに気にする事ないわよ?」

「…ありがとう…」


「とにかく…これからどうする?」

「もう監視とかしなくていいんじゃないかな?」

「…それはどうだろう…まだ危険がないと決まった訳じゃないからな…」

「そうねぇ…」


…意外とバレてないね。自然な会話作戦。


「…ん?ちょっと待て。なんかおかしくないか?」


「…何がおかしいの?」

「別におかしくないと思うが」

「うんうん。」


「ほら!なんか1人多いんだよ!」


「…え?」

「そう言われてみると…」

「確かに…」


…ちぇ。バレちゃったよ。


「…でもまぁ、僕の家を盗撮する君たちが悪いと思うんだよねー。盗撮は犯罪だよ?」


「…誰だ!」


「…酷いなぁ。盗撮相手の事を知らないの?」


「…杉下…夜…」

「どうやってここが?」


「逆探知。…まぁほら、僕は別に危害とか加える気ないからさ。…真司にさえ手を出さなければ…!」


「…っ!そうか…分かった。」

「え、ええ。」

「時空玉も戻しとく…」


ふふ。威圧作戦成功!


「ではまた〜」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…はぁ…怖かった…」

「俺が恐怖するとは…」

「ふぅ…杉下夜…恐ろしいな」




「…という事があったんですよ」

「ほー。盗撮されるとは…人気者は大変だな。」

「人気…なのかな…?」


…こんな人気は嬉しくないなー。


「しかし…なんかお前が遠くに感じられるなぁ…」


がーん!?


「と…遠くって…なんで…?僕は真司から離れてないのに…まさか…真司が僕から…」

「ちょ…違う違う。そういう事じゃない!」


「…ならいいけど…」


「(それに、俺はいつでも夜を堪能できるしな)」


にゅ!?なんか邪悪な気配が…!?








≪真司が魔・天・時空の3人から恐れられるようになりました。≫

止まらない真司のランクアップ

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