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魔物の話


うあ!?もう20時!?…絶対日曜日って一日が6時間位短いと思うんだ


うー…明日から学校かぁ…行きたくなーい…行きたくなーい!


よし、ジタバタしても仕方ない!この残り時間を思いっきり楽しもう!



…ふふふ…これぞ我が最終形態!

テレビ+ゲーム+漫画+ご飯!このフォルムになれるのは僕だけだろう…





く…もう寝ないと明日に響く…仕方ない寝よう…


…あ!?血を貰ってない!…どうしよ…今からは流石に…明日1日耐えれるか?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ズドーン!♬デデーン!♬

ガチャ!


…目覚ましの音じゃねぇ…


もぐもぐ…どうやら血は平気そうだね…良かった良かった…けど今日の放課後には貰わないと…


「いてきまー」

「いってらっしゃい。」


「おーい、夜〜」

「おー、光か。…あれ?光の家ってこっちだっけ?」

「…そうだよ?友達の家も忘れちゃったの?酷いなぁ…」


あれー?僕の記憶ではあっち方面に帰っていったはずなのに…


「ねぇ夜。魔物って信じる?」

「はい?何さ、藪から棒に」

「いや、無言で登校とか辛いじゃん?だからさ」

「だからってなんで選りに選って魔物?もっといい話題あるじゃん…」


…そういえば神とか魔物とか…よく会話に出るよね?最近


「…もしかして最近ファンタジーブーム?」

「え?そんな事無いと思うけど…なんで?」

「いや、小林君も神がどうとか言ってたし…もしかして流行りなのかなって。」

「小林君ってあの転校生の?へー。もうそんな仲になったんだ?」


「部活が一緒だからさ〜あ、魔物だっけ?僕的には居ると思うんだよね。ていうか、いた方がワクワクするでしょ?」

「そうなんだ…夜は魔物がいきなり目の前に現れたらどうする?」

「そ〜だね〜…あれだね。怖くなければ怖くないよ」

「…そう…」


僕自身が魔物だったりするんだけどね!目の前にがっつり魔物居ますよ光さん!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「体育…怠い…」


しかも今日は持久走。1番苦手なんだよね…



「ぜぇ…はぁ…はっ…はっ…うぅ…」

「ほら、夜頑張って〜!」


2…2周差…あと3周しないと…


「はっ…ぜぇ…ふぅ…」


死…死ぬ…いや、殺される…地面に…


「夜、お疲れ〜。本当体力無いよね、それさえ無ければ立派なスポーツ選手になれるのに…もったいない」

「…別に…なりたくも…無い…」


「お疲れ様です…」

「本田さん…ぜぇ…速いね…はぁ…3位ぐらい?」

「まぁ…光さんには勝てませんでしたが…」

「ふふん…どやぁ?」


「どやぁって…はぁ…自分で言うなよ…」

「光さんなんでそんなに速いんですか?」

「トレーニングの成果だよ!夜もトレーニングしなよ!」

「やだ…あんなトレーニングできるのなんて光ぐらいだよ…君、本当は人間じゃないでしょ…」


「……流石に泣いちゃうよ?」

「…なんかごめん…」

「あはははは!」


…長距離走なんて物を考えた奴表出ろ…血を吸い付くしてやる…


…そうだ!血!今のでかなり体力使っちゃったけど平気かな?


鏡無いけど…多分大丈夫そうかな?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「今日は部活ある日だよね…覚えてる」


…はぁ…図書室までが遠いよ…


「こんにちわー」

「はいこんにちは。」

「こんにちは」


あー…そうか、小林君がいるのか。ちょっとびっくりした。



「あの〜…いつも何してるんですか?掃除とかなら手伝いますけど…」


何故かは知らないが、また先輩が箒を持って外に行こうとしているのだ。


「いつも行ってるけど夜ちゃんは気にしなくていいの。…というより、夜ちゃんがやると悪化するからやらないで欲しいのよ」

「そこまで不器用じゃないですよ….」


「あ、でも小林君は一緒に来てくれるかしら?私が居ない時とか、やってもらいたいから…」

「え?あ、はい…」


むぅ…仲間外れ感…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


あ、小林君帰って来た!よし!突撃!


「ねぇねぇ小林君。一体何してたの?」


「…いや、うん。杉下さんは気にしなくていいと思うよ…」

「そんな事言わないでさぁ…」

「いや、本当気にしなくて大丈夫だよ…強いて言えば、杉下さんは人気者なんだね。って事かな?」


うぅ〜ん…意味が分からん…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「お邪魔しまーす…あれ?真司居ないのか…」


…居ないのか…暇だな…よし!部屋の捜索でもしようかな。


真司だって年頃の男なんだから、そういう本の一冊や二冊…



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


…見事に無い…なんで?あるのは漫画にゲームに攻略本…


あ、分かった!ネットだな?今はネットでなんでもできるからね…


携帯は…あったあった。暗証番号も前見たから知ってるんだ〜ふふふ…


よし、履歴履歴…


『吸血鬼について』

『性転換とは』

『TSについて』

『吸血鬼 苦手』

『魔物』

『吸血鬼 元に戻る』


……なんか…凄く悪い事した気分…元に戻しとこう…


真司は…僕の事考えてくれてたんだね…それなのに僕は真司の部屋と携帯を漁って…何してるんだろ…僕。


「お?来てたのか」

「あ、真司…血をください。」

「おう。」


チューー…


「ご馳走様。」

「おう…っておい、なんで泣いてんだ?」

「…え?泣いてる?そう?」


目元を拭うと確かにそこには水滴が。


「…なんだろ?目になんか入ったかな?」

「…おいおい、大丈夫かよ?」

「うん。平気平気…じゃあ帰るね」

「おうよ。次はいつだ?」

「できるだけ我慢してみるよ…」


「真司…」

「どうした?」

「ありがとう…」

「なんだよ急に…なんかあったのか?」

「いや別に?」

「そういう奴だよお前は…まぁ、なんかあったら頼れよ?友達だろ?」

「掛け声で困った時は助けてくれなかったくせに…」

「いや…あれは、なぁ?」

「…まぁいいや、じゃねー」


部屋に入ると涙が溢れてきた。泣こうとも思ってないし、別に悲しい事なんて無かったのに。


この涙は罪悪感からくるの?それとも嬉しさ?自分でも分からない…


でも、きっと嬉しいんだろうな。真司は…優しいよね…

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