男の友情
『こういう時はこう…だろ?』
『ふっ…そうだな』
ガシッ!
はぅ…かっこいいなぁ…なんて言うのかな…こう…男の友情って言うの?いいなぁ…僕には考えられない世界だなぁ…
いやでもさ。僕だって元とは言え男じゃん?で、真司だって男じゃん?…じゃあ今からでもこういう事できるんじゃないの?
よし!僕は男だっ!…そうと決まれば早く真司の元に…
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「ふみゅ…」
「いきなりなんなんだ…?」
「友情を深めようと思って…」
「そうか…」
なでなで。
撫でられるの気持ちいいよぉ…♪
……なんか違くない?これなんか違くない?いや、確かに友情だけども。友情ですけれども。
男同士でこんな事はやらない!うん。絶対やんない。
男同士っていうのは…もっとこう…ね?黙ってそばに居るけど、いざという時には力を合わせて困難に立ち向かうっていう…そういうのでしょ?
よし。頑張ろう。最近失われつつある僕のあいでんてぃてぃ〜?とかいうのを取り戻すよ!
「作戦会議するから帰るね。」
「お…おう…?」
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よし、こんなもんかな…
『撫でられたり抱きしめられたりしない』
『あまり家に遊びに行かない』
『困ってたら全力で力を貸す』
『最後は握手かタッチでしめる』
ふんふふん…♪これでOK…早速真司に見せに
…とと。こういうのがダメなんだって。
よし!明日から頑張るよ!
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む〜…男の友情作戦開始からはや3日…なんかもう限界が近い気がします…
3日間真司の家にも遊びに行ってないし、なでなでも抱きしめもしてもらってないんだよ…結構辛いけど頑張って我慢してるんだ…
それなのに真司は全然困ってないし!力を貸す場面が全く無い!
…うぅ〜…このままただ単に真司に会えないだけっていうのは辛すぎる〜…
…だからそうじゃないっての。男は親友に3日間会えないくらいでジタバタしないんだよ!
…でも、真司が何かしらの問題に直面しないと僕の出番が…
う〜!だけど男として!絶対に!ここで負ける訳にはいかんのだ〜!
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「ぼくもうおんなでいいかなって」
…無理でした。気づいたら真司の部屋でした。
「…3日間姿を見せなくて、ようやく来たと思ったらいきなりなんだ?」
「…男の友情を目指して頑張ってたんだけど…もう限界かなって…」
「…そうか。」
だってだって…真司に会わないともやもやしてうずうずして欲求不満になるんだもん!
「…笑えよ…決意をあっさりと諦めた僕を笑えよ…」
床にうつ伏せになっている夜がそこには居た。
「……」
なでなで
んぅ…♪こういうのが違うと思うのにぃ…
「…何をくだらない事で悩んでんだ」
「くっ…くだらない!?くだらないとはなんだ!真司は僕との友情をくだらない。で片付けるのかっ!?」
くだらない友情なんてある訳ないじゃないか…って事は真司は僕と友情を育む気がない!?
うわーん!酷いぃぃ…
「…いや、そうじゃねぇって…俺が言ってるのは…男とか、女とか、そんな事にこだわらなくていいだろって事だ。体がどっちだろうが性格がどっちだろうが、お前はお前で、俺の親友だ。それでいいじゃないか」
…なんというテンプレ的なセリフを…!?
「ごめん。聞いてたからもう一度言って?」
「…なんで聞いてな…うん?聞いてた?じゃあいいんじゃ…」
「いいからもう一回!ゆっくりしっかり!」
「…結構恥ずかしいんだが…」
「はーやーくー!」
「…お前はお前で、俺の親友だ。男とか女とか関係なくな。それでいいじゃないか」
…う…嬉しい…っ!そのセリフが何よりも嬉しいよっ!
テンプレ的なセリフだけど…でも…だからこそ…僕の心に染み渡る…
「真司ぃ!」
ガバッ!
「ごふっ…飛び込みはお辞め下さいお嬢様?」
「はぁい♪」
…えへへ…男同士の友情作戦は失敗しちゃったけど…
それよりも大切な物を手に入れたよぉ…♪
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「…今年もこの時期がやってきたわ…」
ふふ…友情…♪
「…夜?聞いてる?」
「…♪…?あぁ、うん。聞いてるよ?日本魔物最強決定戦でしょ?」
「そう。その通りよ。」
…え?その通りなの?今僕冗談で言ったんだけど…?
「夜は参加する?」
「ふふん…当然!日本最強は僕だよ!」
「それはどうかしらね…?佐々木君はどうするの?」
「真司は魔物じゃないよ…」
「あ、そういえばそうね。」
「…いつやるの?」
「明後日よ〜」
なるほど…明後日か…結構早いな…
けど、今の僕ならなんでも行ける気がする!友情パワーで!
「もしかしたら死ぬかもしれないけどいい?…あ、ちゃんと生き返るから安心していいけど」
…行ける…かな?ていうか、なんで死ぬんだよ。どんだけ本気だよ。
「まぁ、頑張りましょう!」
「おー。」
他にも誰か来るんだろうか…?
元男を意識させようとしたら…どうしてこうなったんですかね?