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狂気との遭遇



「いやぁ…知らないかなぁ…多分大丈夫だと思うよ?」

「そうか…ありがとう。なんか分かったら教えてくれ」

「うん。…私と話してる時は普通なんだけどねぇ…」


…収穫無し…か。俺の考え過ぎかもしれないしな…帰るか…



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


…何話してるんだろ。こっちからじゃよく聞こえないや…魔物関連かなぁ?


…まぁ、真司と光が仲良くなるのは別に悪い事じゃないし…いいかな?


ま、取り敢えず話だけは聞いておきますか…



「光〜」

「あれ、夜…っ」

「…どうしたの?まぁいいか。それよりもさ、真司と何話してたの?」


「………………」


「…あれ?おーい?シカトですか?夜さん泣いちゃいますよ?」

「…あ、なんでもない…!で、なんだっけ?」

「だから…真司と何話してたのって…」


「……夜が最近変に見えるから、何か心当たりはないか?って言われて…」

「なんだ。僕の話だったのか…僕変かな?」


「…い、いや。そんな事無いと思うわよ?うん!」

「だよねぇ。じゃあ僕ちょっと急ぐから…また学校でね〜」

「またね〜…」


まさか真司が僕の事心配してくれてたなんて…♪嬉しいなぁ…でも僕変じゃないよね?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…何…今の…」


まだ体の震えが収まらない。原因はさっきのやり取りだ。


何て事のない会話。よくある日常の一コマ。他の人にはそう見えたかもしれない。


だがそれは間違いだ。


私は何度も危ない目に遭ってきた。車に轢かれかけたり、窓から落ちかけたり、ホーリークロスの奴らに殺されかけたり。


…だが、今のやり取りと比べれば、そのどれもが遊びみたいな物だった。


『殺される』


頭に浮かぶ言葉はそれだけだった。


私は魔物だ。いくら夜が優れているとは言え、単純な力比べや生命力で言ったら人間である夜とは比べ物にならない。


それに夜とは友達だ。夜が私の事を殺す訳がない。殺すとしてもこんな白昼堂々とやらない筈だ。


だが、幾ら頭で人間と魔物の性能の差を考えても。幾ら夜との友情を信じても。


本能が言うのだ。叫ぶのだ


『逆らえば殺される』


と。


本能に刻みこまれた原始的で純粋な…捕食者の牙が頭蓋骨に突き刺さった瞬間のような恐怖。


それを思わせる程に


夜の瞳の奥には『ナニカ』が深く黒く渦巻いていた


「…夜…」


恐らく今の夜を制御できるのは…救えるのは…佐々木真司君だけ…でも、私も夜の友達として何か出来るはず。


よし…頑張ろう


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…へっくし。」

「…風邪か?」

「ん〜…多分違うかな?」

「そうか。」


多分誰かが噂してるね。光辺りかな?


「それよりさ真司。光から聞いたんだけどさ。僕何か変?」

「…あぁ、聞いたのか…いや、悩みがあるのかと思ってな…」

「心配してくれるなんて嬉しい…けど僕平気だから気にしなくていいよ?」

「…そうか。」


僕が変な訳ないじゃん?まったく真司は…そんな所も良い所なんだけどね!


…今日も反応あるのかなぁ…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


また反応です。また小林君です。小林君with本田さんです。どうしよう…


…ま、さっさと気絶させて…?あれ?魔物の人居ないな…


「…今だ!」


…NOW!…え?いや、何が?


ジャララララ!


金色の鎖が夜の手足に絡みつく。


…あらら。なんか沢山…罠だったのかな?


…でも、まぁ…この程度の力ならどうとでもなるし…好きなようにやらせようかなー?


「まず答えて欲しい…お前は何者なんだ?」

「私の名前はシルバー仮面だ。」

「…俺達の味方なのか?」

「いいや。」

「だよな…じゃあ、魔物達の味方か?」

「それもNOだ。」


…嘘だ。どちらかと言えば魔物寄りだ。


「…どういう事よ?」

「私はどの派閥の味方もしない…そう。フリーなんだ」

「…何が目的だ?」

「…私は争いが嫌いなのでな…仲裁させてもらっているのさ」


…争いっていうか、魔物がやられるのを阻止してるだけなんだけどね。


「…人々に仇なす気はないのか?」

「無いな。…取り敢えずこの鎖をほどいてくれないか?格好悪くて仕方ない」

「…いや…答えて欲しいんだ…お前は本当に誰にも味方しないのか?…そして、お前の素顔はなんなんだ…?」


…めんどくさ〜…もうさっさと鎖千切って逃げちゃおうかなぁ…


「…それに答える義理は無い…帰らせてもらおうか」

「逃げられると思ってるのか…?俺達としても、お前と敵対するつもりは無い…ただ、素顔が知りたいんだ…絶対に誰にも言わない!」


「…なんでそんなに私の素顔が知りたいんだ?」


「…敵でない事を確認したいの!」


…いや、僕が素顔見せたら多分皆混乱するよ?いいの?見せちゃうよ?

ていうか、なんで素顔だけで敵かどうか解るの?


「…悪いが見せる訳にはいかないな。だが敵で無い事は約束しよう」


「…そうか。…いつか見せてくれるか?」

「君達が誰も襲わないなら…いつか…な」

「…分かった…」


やれやれ。さて、帰ろっと…あ、この鎖もう千切っていいよね?


パリィィィン…


「…さらばだ。」



…まったく…小林君達は何がしたかったんだろうね?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…そりゃお前。仲間に引き入れたかったんじゃないのか?」

「そうかなー?」

「あぁ。お前強いらしいしな。…俺負けた事無いけど…」

「本気でやれば真司なんてけちょんけちょんだよ!」

「はいはい。」


「…信じてくれないの…?」

「別に疑ってる訳じゃない…俺は負けた事ないってだけだ。」


そういえば1度も勝った事ないな…まぁ、真司を傷つける訳にもいかないしね…?

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