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仲間の死亡


「…誰だお前は?」

「…魔物ごときに名乗る名はないな」


暗い夜道に2人の男が立っている。表面上はただ話しているだけのように見える…が。その2人から発せられているーー『気』とでも言えばいいのだろうか。それはごく普通の一般人でも分かる程度には溢れ出ていた


「…俺の正体を知ってる?…!お前ホーリークロスの奴か!?」


片方の男はそう叫ぶと急に全速力で逃げ始めた


…が。


「…おぉ!」


立ち止まっている方の男がそう叫び、逃げている男に向かって手をかざすと、走っていた男の体が一瞬にして光に包まれ


「ぐあっ!」


という言葉と同時に消滅した


「…まだ他にも居るか…?まぁ、まずは報告だな」


そう呟くと男はそこを後にした


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


いっちば〜ん♪いっちば〜ん♪


ああ!一昨日の真司の言葉が僕の中で今も光を放ち続けているよ!


普段は怠くて仕方ない朝の通学路も今の僕にとっては天国への…いや!もう天国とかそういう垣根を超えた新世界への道の様に輝いて見えるよ!


「〜♪〜♪〜♪…おや?」


あれは光かな?…今日は機嫌もいいし。話しかけよっかな〜♪


「…おはよー!ひか…り…?」


…あれ?話しかける人間違えた?なんかこの人凄い形相してるんだけど…あれ?光さんですか?


「……あぁ、おはよう夜…ちょっと今日の放課後喫茶店に来てくれない…?出来れば佐々木君も一緒に」

「…う、うん…」


…何この迫力…なんかあったんだろうか…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「〜♪」


なんか部活に来るのも久し振りな気がするな〜♪


「…やけにご機嫌だな…なんかあったのか?」

「おー、小林君…ふふ…1番になれたんだよ!」


「…1番…?優勝したって事か?…まぁ、おめでとう?」

「ありがとー!」


えへへ…あ、時間だ。喫茶店行かなきゃ…真司まだ部活かな?


あ、いたいた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「……2人に来てもらった理由はね…」


いきなりこれですよ。席座った瞬間これ。どんだけこの事言いたかったんだよ光…


「…私達の仲間が殺されたの」


はぁ…また長い話が始まるのかなぁ…1時間位かかるんだろうか?全く。たかが仲間が殺された位で…うん?仲間が…?


「…はいぃ?」

「反応遅えよ」


「…詳しい事はよく分かってないけれど…恐らくホーリークロスの奴らが原因よ。」


あぁ、あの魔物根絶委員会魔物殲滅部特攻隊所属聖十字架…じゃなくて


…小林君達が居るであろう所か…


「…で、2人には気を付けて貰おうと思って」


「…なんで俺達が気をつけなきゃいけないんだ?」


…そんな事も分からないのか真司は…


「だからさ…その人が殺されたって事は、どっかでホーリークロスにその人が魔物だって情報が伝わったって事なんだよ。で、その人はこの組織のメンバーな訳…まぁそこがバレてるかは分からないけど。

で、ここのメンバー=魔物っていう等式がホーリークロスの中では成立する訳。


…つまり、僕達が本来どうであれ、ホーリークロスには敵にしか見えないって事だよ」


「…なるほどな。」


全く…こんな事も理解できないなんて…やっぱり真司には僕が居ないと…♪


「…うん。夜に全部言われちゃったけどさ。そういう事だから。」


「…反撃とかしないの?仲間がやられたんでしょ?」

「…無理よ…戦力が違い過ぎる…」


そうか…魔物って言っても数が少なくちゃどうしようもないのか…


…僕も正体を明かして一緒に戦う…いや、やめとこう。このままフリーが1番。真司の近くにいられるしね


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「なんか大変な事になってたんだねぇ…」

「他人事じゃねぇけどな…」


うんまぁ…結構凄くやばいんだけどさ。


「大丈夫だよ?真司は僕が守るからね?」


もし真司に手を出すような奴がいたら…そいつをギタギタにして死ぬよりも苦しい目に遭わせてやる…


「それは嬉しいけど…無理するなよ?お前が俺のために傷付く所なんて見たくない」

「…うん!大丈夫!」


…よし!無傷で瞬殺しないと!


まぁ、1番は何も起こらない事なんだけどねー


無理かなぁ…光達が攻撃されてたりしたらやっぱり僕も行くしかないよねぇ…


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