吸血鬼と神
ジッリーン♬ジッリリッーン♬
ガチャ!
…なんで毎日違う音なの?そんな機能付きだっけ?この時計…
「ご飯よ〜」
「はーい…」
もぐもぐ…あー…今日は金曜日かぁ…明日から休みだ〜やった〜…
…今日は部活あるんだよね。次はなんの本読もうかな…
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「おはよー夜。今日も元気…ないね。」
「いつも通りだよ…」
光はかなり元気だよね…陰陽コンビって言うのもあながち間違ってないかも…
「それよりも次体育だよ?着替えなくていいの?」
「…あぁ…バトミントンか…めんどくさ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
パスン!パスッ!ビュン!
「僕の勝ち〜」
「…いつも思うんだけど、なんで運動部入らないの?なんでも出来るじゃん」
「疲れるの嫌いなんだよ」
「あの、私と勝負しませんか?」
…えーっと…誰だったかな?
「本田さんよ。転校生の」
「あーそうそう」
「…この子人の顔覚えるの苦手なだけで、本田さんの事嫌いとかじゃないから。安心してね?」
ナイスフォローひかりん。
「あ、勝負だっけ。いいよ〜」
「よろしくお願いします」
パスン!シュン!ポン!タン!ポーン…
シュッ!ポン!パスン!
…疲れた…ここまで続くとは思わなんだ…よし、本気で行こう
バシュッ!
「…え?」
「うん。僕の勝ちだね、いやー危なかったよ。どっちが勝ってもおかしくなかったよ。凄いね」
「…結構自信あったんですけどね…」
「夜。棒読みにしか聞こえないよ」
…そんなつもりでは…
「…もう一回いいですか?」
「…ごめんもう無理。スタミナ切れ」
「相変わらずの体力の無さですこと。よし、私とやろう!」
「は、はい!」
2人とも元気だなぁ…
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「ほら、部活行って行って。」
「なんで僕の行動が全て君に管理されてるのかなぁ…」
「お姉さんの言う事は聞いておきなさいな♪」
「うぃーあー同級生。OK?」
「誕生日は私の方が1ヶ月位早いから。」
「それ関係無いと…」
「ほら、行って!」
「ふぇぇ…お姉ちゃん酷いよぉ…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれ?何この空気?なんで皆黙ってるの?
「もう一回…」
「はい?」
「今のお姉ちゃんってやつもう一回!」
「え?や、やだよ…」
「いいから早く!」
「…ぶ、部活行って参りますぅぅ!」
「…あぁ…残念」
くそー!?なんなのさ!?
なんか教室の方から『いいもん見れたぁぁ!』って声が聞こえてきたけど、気にしなくていいよね?
ガラララララ!
「遅れました〜」
「あ、夜ちゃん。丁度良かった、新しい仲間ですよ」
「小林です、よろしくお願いします」
「…よろしく」
…小林は…そうそう、覚えてるよ、転校生のもう1人の方だよね
さて、何読もうかなー
…ん?これは…
『吸血鬼の全て』
…これは読まなくてはなるまいて…
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…なんも意味なかった…大体知ってる事だし、試した奴ばっかだったよ…
いや、木のくいを心臓に打ち込んだ事はないけど、それしたら大体の人は死ぬと思うんだよね。
「吸血鬼とか興味あるんですか?」
うおっと!?
「まぁね…実際に居たら楽しそうだよねぇ…」
「こんなの実際に居ても迷惑なだけですよ」
「…夢が無いねぇ」
「色々見てきましたから」
「え?色々って、吸血鬼とか?」
「いや、そういう意味では無いです」
「なーんだ、残念」
今君の目の前に居るけどね!吸血鬼が!
「じゃあ君はどんなのが好きなんだい?」
「俺は主に天使とか神とかが好きですよ」
「…それ、吸血鬼と同じレベルで夢物語だと思うんだけど…」
「いえ、神は信じる人の心の中に居ると言いますから…」
「どうにもその考えはよく分からないなぁ…」
「まぁ、吸血鬼よりもなんか身近に居る感じがしません?」
「…そーかなー?」
神様はよく分からん…あ、でも僕のこの体は神様のイタズラ?
あ、時間だ
「さよならー」
「はいさよならー」
眠いの〜…あ、小林君もこっち方面なんだ…
ま、いっか!真司の家行こうっと
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「ほー、お前の部活に小林が?」
「そーそー。なんかあの人もよく分からないよ。吸血鬼信じてないのに神様信じてるんだもん」
「吸血鬼はいるのにな!」
「そうなんだよねー!僕心の中で笑っちゃって笑っちゃって!」
「はっはっは!」
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「…杉下夜は特に怪しい所は無い。吸血鬼についての本を読んではいたが、本気で信じてる訳ではなかったみたいだったしな」
「あの人は違いそうね。運動神経も良かったけど、体力は無さそうだったし…」
「じゃあ次は佐々木真司だな」
「ねぇ、本当にこの学校に居るの?」
「あぁ、間違い無いそうだ」
「はぁ〜…割りに合わないよね…」
「そういうな、別に青春を楽しむ傍らでいいと言われてるんだから」
「まぁね、結構あの陰陽コンビ?だっけ?とかいう2人は面白いよ」
「俺は光という方とは関わってないが…夜の方は中々楽しかったぞ」
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「あ、血を下さい。お腹減りました。」
「…はいはい、どうぞ」
チュー…
うん。やっぱり真司の血は美味しいなぁ…