真・夜月流奥義！
「ふん！せいせいせいせいっ！」
「………」パシッ。パシパシッ。
「そりゃぁぁ！」
「…………」ガシッ！
「真・夜流奥義…夜月！」
「………」危ないよー。
「これもダメか…よし…真・夜月流奥義…孤月！」
「………」ひゅん。
「からの…破月！」
「…………」ぐわしゃ！
「よっしゃー！…ってごめんねナイトヒューマン…大丈夫？」
「…………」大丈夫だ。問題ない。
「もう休んでね〜。ありがとう。よし！これで真司に勝てるっ！」
…これで真司も僕をバカにできない筈だ！
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「という訳で勝負だ真司！」
「マジかよ…」
久々に来ました闘技場！ここで真司をコテンパンにして土下座させてやる！
「行くぞっ！せいやっ！」
まずは正拳突き！
バキッ！
「…痛い…」
…なんで僕の手が痛いの…硬すぎだよ真司の腹筋…
「…全く。何を始めるかと思ったら…」
「うるさい！僕が勝ったら真司に土下座させてやるからな！」
「俺が勝ったら？」
「僕のこと好きにしていいよ！…何個も必殺技を考えてきた僕に勝つなんて無理だけどね！」
「そういうのフラグって言うんだぞ？」
「そんなものは無意味だっ！」
「くらえ！真・夜月流奥義！夜羽！」
右手を真司の目に向かって突き出す。と同時に蹴りを腹に入れる
バキッ！
「………え？」
「確かに強いが…その状態じゃそんなにダメージないぞ？」
…くぅ！だが僕にはまだまだ技が残されている！
「真・夜月流奥義！無月！」
爪先で真司の顎を狙って蹴り上げる。そしてそのまま一回転する。
「あぶねっ！？くらったら顎砕けんぞ…」
…何故当たらん。
「…後悔するなよ真司…この技をくらって生きている人は居ない…！」
ナイトヒューマンは人間じゃないからね。間違ってはないよ
「真・夜月流奥義…孤月！」
両足の爪先で真司の顎を砕きにかかる。
「…さっきと一緒じゃねぇか。」
違うのはここからだ馬鹿め！
「…破月！」
振り上げた両足をそのまま落とし、かかと落としを真司の頭にくらわせる！
バシン！
………受け止められた…？今のは完璧なタイミングだった筈なのに…
「くぅっ…何故当たらない」
「お前の動きはなんとなく分かるんだよ」
何故だっ！？
こうなったら、寝技に持ち込むしかない…固め技をくらわせれば流石に降参するはず…！
まずは倒さないと…
「えぇい！」
ジャンピング体当たりっ！
「おっと。」
ガシッ！
…え？あれ？キャッチされた…？おかしいな。僕の予想では真司が地面に倒れる予定だったのに…
「…はーなーせー！」
「ジタバタすんなこら。」
「…この！このっ！」
ぽかぽか！
真司に抱き抱えられて宙に浮いてる状態では拳に力が入る訳もなく、まったくダメージを与えられない
「俺の勝ちだな？」
「そんな訳あるかっ！このっ！」
ジタバタジタバタ！
スッ
真司が拳を振り上げる
「あっ…ごめんなさい！痛い事しないで下さいっ！」
…この状態だとガードもできないのでマトモにくらうしかないのだ…流石にそれはキツい。僕は抵抗を諦めた
「…俺が勝ったら…何してもいいんだよな？」
「…えっ…嘘！あれは嘘だ！ごめんなさい！やめて！」
「……お前から勝負ふっかけといて…それは都合良過ぎだろ？」
…なんか怒ってらっしゃる！？
「…さて、どこを叩こうかな？」
…叩くの決定…！？
「…僕の顔とか叩いてみろ！色とか変わって皆にバレるぞ！？」
「…それは困るな」
…バシン！
「ひっぎゅう！？」
痛い…ていうか、お尻叩かれたっ！僕はそこまで子供じゃないぞ！
「…僕のお尻がそんなに叩きたいかっ！？この変態！」
「…あぁ、叩きたいね」
…まずい…開き直った…
バシッ！ベシッ！ペチッ！
「ひぃん！…絶対に許さないからな…覚えてぴぎゅっ！」
「おう。覚えててやるよ。お前のだらしない姿。」
…やばい。真司のキャラ崩壊が凄い…そんなに怒らせたかなぁ…
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「……ぅ…………っ…ぁ………」
「…やり過ぎたか…？」
お尻熱い…多分真っ赤だよ？
今僕は酷い顔してるんだろうね…漫画で言ったらハイライト？とか言うのが消えてる状態…なんて言うんだっけ？こういう状態。
「おーい。大丈夫か？」
「………っ！……」
…体から力が抜けて動けない…ピクピクするしかない…
「悪かったな…」
なでなで。
「……ぁぅ……」
撫でたくらいで許されると思うなよ…！絶対許さない！土下座させて踏むまで許さない…！
「…だけどお前も悪いんだぞ？いきなり勝負ふっかけてきたあげく、顎とか頭とか砕こうとしてきやがって…」
…確かにそれはちょっとやり過ぎたかなーとか思ってるんだけど…
「……ぁ…ぉ……ぃ…」
「…何言ってんだかわかんねぇよ…」
…よーし。治った。今なら声出せる！
「…真司が…僕の事バカにするから…！僕の気持ちが分かるか…っ！真司にバカにされた僕の気持ちが…っ！」
「…お前が俺をどう思ってるのかよーく分かった。」
「…分かってないよ。…僕は別に真司を下に見てる訳じゃない」
「…そうなのか？」
…真司にバカにされる度、僕の胸が痛くなるんだ。原因なんて知らない…けど、真司にバカにされるのが1番辛いんだ…
「…真司。僕の事家まで送ってけ。…そのくらいいいでしょ？」
「…は？」
…だってお尻まだ痛いんだもん…
「……ん。」
「なんで手を出す？」
「…抱っこ。」
「…お前…俺がどんな目で見られるか分かってるのか…」
「…じゃあ真司の家に行ったらね」
「……は？」
「ほら、さっさと帰るよ。僕達の家に」
「…なんか変な含みを感じるんだが？」
…さ、さっさと帰ろ…真司の部屋に！
