正体不明の魔物
わんこ…にゃんこ…
うーん。どうにも強そうなのが思い浮かばない…
やっぱり動物に変身っていうのは定番だと思うんだよね…
まあ僕霧になれるから必要ないかもしれないんだけど…
うーん。なんかいい案ないかな…
…あ。蝙蝠になって使い魔達に混ざるってどうかな?
…意味ないか。霧になっても別に混ざれるしね
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古来より武闘家達は自然の動物達の中に必勝の構えを見つけて来た…ふむふむ。
つまり、全身動物になる必要はない…と。
そうだよね。爪だけ鋭くしたり、牙だけ生やしたり…まあ僕は既にちょっと八重歯なんだけどね
…ふーむ。どうしようかな。
…よし。取り敢えず腕だけ何かにしとこう。
変身!うーんと、えーと…
狼っ!
しゃきーん。
「…おー。」
黒い毛皮に鋭い爪。結構強そう。
「…ふふ…よし、真司に見せに行こーっ」
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「…どや?」
「確かに凄いが…俺に見せにくる意味は?」
「なんか自慢したいじゃん…?後こういうのもできるよ。」
ぽふっ
「おぉ、猫耳か」
「そそ。定番だよねー」
ぴこぴこ動くよ!ついでに尻尾も。
「…ところでそれどうなってんだ?耳が4つあんのか?」
「…それを言っちゃダメなんだよ。トップシークレット&企業秘密なんだよ」
「そうか…」
「因みにまたたびは効きません。薄い本は諦めてください」
「誰もそんな事考えてねぇよ…!」
ぎゅぅぅぅ…
「にゃー!とれるとれるっ!」
「…1つ位いいだろ。4つあるんだ。」
「それは腎臓は2つあるんだから1つ売って金作れよ。って言ってるようなものだよっ!」
「…そうか?」
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「後、こういうの考えたんだ。」
「…どういうのだ?」
「…ん。ちょっと待ってね」
「おい!何故服を脱ぐ!」
「いや、これって体を変化させる魔法でさ…服破けちゃうんだよね…」
「だからと言って脱ぐなよ…」
「大丈夫。霧で隠してるから。」
「そういう問題じゃ…」
…まーいいや。さて、やるぞ…
ゴォォォ…
真司が振り向く…そこに居たのは
真っ黒な獣だった。
「………グォォォァァッ!」
「うおおお!?なんだそりゃっ!?」
「…ガウ。」
「…もしかして人間の言葉話せない?」
「…ガウガウ」
「じゃあ戻れよ!」
…シュゥゥゥン…
「折角なったのに…あ、服着ないと」
「で、なんだったんだあれ?」
「…よくぞ聞いてくれました!あれこそ僕の変身の中でも最強の…いや、最狂の破壊力を持った…その名も『正体不明の魔物』!因みにさっきのは大きさ3分の1ね」
「…いや、凄いけどよ。何に使うんだよ」
「凄い強敵が現れた…時とか?」
「疑問形かよ…」
…真司を守る時とか…万が一の時用だよ。
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「…じゃ、また来るねー」
「次もなんか作ってくるのか?」
「うん!」
「…じゃあ俺にも魔力渡してってくれよ。俺もなんか作る」
「…えー。まぁ、僕よりかっこいいのは作れないと思うけどね!」
みゅーん。
「じゃ、またな」
「またねー!」
「(さて、何作るか…)」
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…真司に負けないようにかっこいいの作らなくちゃ!
…次どういうのがいいかな?
うーん。思いつかない…
〜杉下夜の解説コーナー〜
「今回はこれだね。」
『正体不明の魔物』
色は全身黒で、口と目のみが真っ紅にギラギラと光っている。全身が棘のように鋭い毛で覆われている。四足歩行で全長およそ6メートル
頭には捻じ曲がった角がついていて、足には黒く鈍く光る爪が生えている。
尻尾は根本は太く硬く、先端の方になるほど尖っている。何本も棘のような物が飛び出ていて、尻尾で叩かれたりすると体の風通しが非常に良くなる。
翼はガーゴイルの翼をモチーフにしたが、別に石で出来てる訳ではない。飛んだことは無いので飛べるかどうかは不明だが、夜は飛べると信じてる。
全身パチパチ音がするが、それは帯電しているから、帯電するかどうかは任意で決められる。
『メリット』
強い。ただひたすら強い。全力で咆哮を放つだけで家が吹き飛ぶ。
『デメリット』
力の制御を失敗すると大変な事になる。
「…これはすっごく強いから、そうホイホイと使えないんだよね…下手すると街が壊れちゃう。服も破けちゃうし、本当の非常時以外絶対使わないよ。」
「…今回はこの辺で!また今度!」
…魔法がネタ切れ気味なのは内緒です。