文化祭前日
「お帰りなさいませご主人様!…はい!」
「お帰りなさいませご主人様…」
「夜!ちゃんとやりなさいっ!私達だって恥ずかしいの!」
「お帰りなさいませご主人様っ!」
「よしよし…」
僕は今接客の練習をしております。
…光は恥ずかしいとかなんとかいいながら結構乗り気なようで、皆に指導して周ってます。
…何故かメイド服はもう完成しておりました。しかもサイズぴったり。
どうやらクラスメートの中に、見ただけでサイズが分かる変た…じゃなくて、不思議な目を持った人が居るらしいです。
まだ着て練習はしないけどね。多分着るのは本番だけだと思うね。洗濯大変だもん。
「ほら、夜もっと笑顔で!」
「…にぱー」
「口で言うな口で…」
「…にぱー」
「橘さんも真似しないの!」
「ごっごめんなさいっ!」
「あー泣かせたー、いーけないんだいけないんだー。せーんせーに言っちゃーおー。」
「泣いてません…」
「人の事心配してる暇があったら練習しなさい。文化祭はもう明日なんだよ」
…誰も文化祭にそんな期待してないよー。どうでもいいよー。
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「…なんですかこれ。」
「ミスコン用の衣装です」
…なんだろうこれ。真っ黒な…ひらひらした…強いて言うなら、天女[堕天]…みたいな…
「…これを、着ろと?」
「はい。」
…なんで僕だけこんなのばっかなの!他の皆はドレスとかワンピースとか普通のじゃん!僕もあーいうのがいいっ!
「………分かりました。」
「ありがとうございます。…あ、ミスコンの時には質問タイムとかありますが…答えたくない質問は答えなくていいですからね?」
「はい…」
…ああ、文化祭休みたい…
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…ぽん
「無言で肩に手を置くなっ!なんだ?哀れみか?ん?」
「あぁ…大変そうだな…って。」
「真司のクラスは何やるの?」
「展示」
くそぅくそぅ!何でそんな楽なんだよ!
「…お前のクラスがメイド喫茶やるって情報と、ミスコンが開催されるって情報と、お前らのギャルゲーが出るって情報が伝わった瞬間、それらを楽しむ時間が欲しいって言ってな。」
「僕は凄い大変なのに…」
「ははっ!美少女は損だな!」
…ムカつく…あの満面の笑み…
「大体僕は男なのに…」
「…まぁ、ドンマイだ。…ちゃんと見に行ってやるから安心しろ。」
「やめてよぉ…恥ずかしいよぉ…メイドに、天女[堕天]に、悪魔だよ?見られたくないー!」
「だからこそだ…」
「鬼め」
そういえば真司は誰と回るんだろう。男友達?まさか女友達…?
僕も真司と回りたかったなー
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…そういえば、あーんとかそういうのもやるんだっけ…
本当誰だよ。こんなの考えたの。
あぁ、明日は心を無にするしかなさそうだ…
そろそろ寝ようかな…