はーどすけじゅーる(よってたかって)
「…まぁ、皆さんがすでにそこまで考えて行動しているのなら…いいでしょう。クラスの出し物はメイド喫茶でいきましょう。」
「うぉぉぉ!」
…う…嘘だそんな事!何故許可した!バカ!担任のバカ!
…いやまて、僕がメイドになると決まった訳じゃない。こう、裏方的ななにかになるかもしれない。
「じゃあ、料理できる人〜?」
「はーい。」
…できないです。料理。
「スーパーへ何往復も出来る体力がある人〜」
「はいよ。」
…ないです。持久力。
くそぉ!僕が出来る事がない!
「…夜…諦めなさい。」
「やだ…」
「メイドは杉下さん、青山さん、本田さん、橘さんでいいですか?」
「えっ…私もですか?」
「…嫌ですか?」
「…いえ…」
まぁ、橘さんも可愛いものね…
「…他の皆さんは?」
「…いいです。」
…くそう…NOと言える強さが欲しい…
「では決定です。あ、メイド服は明後日には完成するそうですので。」
…あれ?サイズとか計ってないよね?
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「あ、杉下さんちょっといいですか?」
「なんですか先生」
「あのですね、今回文化祭の目玉としてミスコンをしようという話になりまして…夜さん参加してもらってもいいですか?」
「…なんで僕が…」
「お願いします!先生を助けると思って!」
「………分かりました」
「ありがとうございますっ!…次は青山さんに頼んでみます」
…ぐすっ…ミスコンとか…誰だよそんなの考えた奴はぁ…
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「あのですね…私が作ったゲームあるじゃないですか?」
「うん。」
「それに景品みたいな感じで、写真を付けようと思うんですけど…協力してもらえますか?」
「まぁ、いいよ。」
「おー。可愛いねこれ」
「私のも中々…」
「薔薇ですか。いいですね、好きです」
…うん。君達はいいよね。
光は天使だし、本田さんは女神、縦ロールは薔薇柄のドレス
…で、僕のは…
「…ねぇ、これなに…?」
「悪魔です。」
「…違うよね?これ悪魔じゃないよね?サキュバスだよね?布の面積めちゃくちゃ少ないんですけど?」
「…いえ、ルナティックモードを攻略できた方だけですから…そんなに出回らない…いや、全く出ないかもですし…」
「…いいよ。着替えてきてあげますよ…」
…こんなの何処で買ってくるんだろ…
「小悪魔的なポーズお願いしまーす。」
「…何それ」
小悪魔…
「…光、椅子取って。」
「…なんで?…はい」
…まぁ、パソコン室の椅子だからまぁまぁ柔らかいよね。
で、これに座って…足組んで…頬杖ついて…
「どう?」
「えっと…」
「…小悪魔と言うより魔王ですわ。それじゃ。」
「…ダメ?」
「…もう少し別のを…」
くう…じゃあ…
「どう?」
手でハートを作って…ウインクで…
「おお、いいですね。いきますよー1+1=?」
…それやったら、ウインクしながら口がにやにやしてる変な人になっちゃう。
パシャ!
「もう一枚いきますー。円周率は3.14〜?」
1592〜って何それ?
パシャ!
「…今の掛け声なに?」
「…いえ、笑いを取ろうかと…」
…あれで笑える人は少ないんじゃないかなー
「ありがとうございました!あの、もうひとついいですか?」
「…何?」
「あの…午後に、ここでセリフを作る上での裏話何かを話してもらったりとか…できます?」
「…なんでそんな事を?」
「…だって、ゲームのイベントとかってそういうのあるじゃないですか?…ダメですかね?」
…あるけどさー
「いいんじゃない?メイド喫茶は午前まででしょ?」
「…そだね…」
「ありがとうございますっ!」
やれやれ…
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「…という事があってですね。よく考えたら、文化祭の時スーパーハードスケジュールなんだよ。午前中はメイド、昼にミスコン、午後からトークショー。」
「…少しは断れよ…」
…だって、皆が僕に押し付けてくるんですもの…
「しかしあれだな。メイドと悪魔か。随分コスプレすんだな」
「…ぐすん。好きでしてるんじゃないやい。」
「悪魔のやつ見せてくれよ。」
「ダメ。ゲームを攻略した人の特典だから。」
「(…あれ?俺、全部ルート知ってね?)」
「あ、もしかして真司僕のクラス来る…?」
「…さぁな?」
…来て欲しくないなぁ…真司に見られるとかやだ、恥ずかしい。