8月31日
「だから言ったんだ。僕に泣きつく事になるって…最初から僕の言う通りにしていればね。」
「…手伝ってもらってすまん。」
8月31日。多くの小学生が泣く日…
だが、小学校を卒業したなら、もうこの日に泣くという人は少ないんじゃなかろうか?
それはそうだ。何度も痛い目にあってきたのだから、誰でも学習するだろう。
…が。ここに学習してない人が1人居た。
「真司…なんで初日から計画的にやってたのにこんなに残ってるの?」
「解けなくてな…」
「真司は真面目過ぎるんだよ。分からない問題は飛ばして次に行くの。いつまでも同じ問題で悩んでちゃダメだよ?」
「解けないとなんか気持ち悪いじゃないか…」
はぁ…ダメだこりゃ。
「…それで終わらなきゃ意味ないんだよっ!…ほら、見せてあげるから…」
「…すまん。」
やれやれ。因みに僕はもう明日の用意も万全だよ。…真司は…全然だね。仕方ない、こっちは僕がやっといてあげよう…
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「あれ?上履き…どこだろ?」
…なんで片方無いのかな?野良犬が咥えてったとか?そんな訳ないよね?
…あれー?どこだろう?真司の部屋はともかく、真司の家を探し回るのはちょっと抵抗あるなぁ…別の用意しとこう。
…と、その前に真司の様子見とこうっと。
「…進んで…るね。」
「なんで間があったんだよ?…まぁ、後1冊だ。」
「そろそろ終わり。みたいな雰囲気出してるけど、1冊あるんだよ?ちゃんとやっといてよ?」
「大丈夫だ。」
「…ところで上履きが片方無いんだけど…真司ってもしかしてイジメられてたりするの?」
「そんな訳あるか…ほれ、ここにあった。」
「そういうのだらしないって言うんだよ?…全く…」
ま、これで準備は終わりそうだね。
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…うつらうつらってこういう状況を言うのかな…眠い眠い…
「終わったっ!」
「おお…やっとかぁ…ほら、準備はしといたからね。」
「サンキュー。」
…はぁ、夏休みも終わりかぁ…学校めんどくさいんだよなぁ…
「どうした?ため息なんてついて…」
「いや、また昼間真司と会えない日々が来るのかと思うと…?」
…うん?なんかおかしくね?
「なんだ?会えないとなんかあるのか?」
「…酷いっ!僕はこんなに真司と離れるのが嫌だって言ってるのに、真司は何とも思ってないんだね!僕の気持ちを弄んだの…!?」
「…ちょくちょく変な要素入れんのやめてくれね…?」
「てへっ。」
…何とか誤魔化せた…なんであんな事言っちゃったんだろう?
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「じゃあ僕はそろそろ…って。寝てるし」
…まぁ仕方ないか。朝早くから頑張ってたみたいだしね。
…今日は悪戯は勘弁してやるか…
よっと…
くっ…結構重いな…真司…腹筋とか凄かったもんな…
ふわさ。
布団も掛けて…よし、OK
「…おやすみ。お疲れ様♪」
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さてと…僕もそろそろ寝ようかな。明日に備えて早く寝ないと…
…真司の体…強そうだったなぁ…いいなぁ…
僕だって前はあんな感じだったんだぞ…
今は…こんなになっちゃったけどさ…体格から見ると、真司に随分差をつけられちゃったよね…
…でもいいか!僕には魔力がある!真司が出来ないような事でもなんでもできちゃうもんね!
そういえば真司には結構借りがあるんだよね…よし決定。やっぱり僕が真司も守れるくらい強く…ってうわ!もうこんな時間だ…早く寝ないとやばい…
…おやすみなさーい。