お布団
光の長い話を聞いて、僕も少しばかりこの状況を真剣に考え始めたんだ。
僕が命を狙われる可能性があるって事は、真司にも危険が及ぶ可能性があるって事なんだよね。なんだかんだ言って1番行動を共にしてるのは真司だし、真司の血がないと僕は生きていけないし。
なら僕が、真司も僕の家族も友達も、もちろん僕も守れる様になればいいんじゃないかな。と思ったんです。
…という事で、吸血鬼の力を色々試して、分かった事が結構ある。
まず、僕が想像した物は大体できるって事だ。
火を出せるし、雷も出せる。剣が作れると思ったら銃も作れる。
…魔力で嗅ぎつけられるのを防ぐ為に、凄く小さいのしか試してないけど…それでも、出せる事には変わりないんだよね。
…で、もう一つ。僕は散々真司を弄るために変身してきたんだけど…僕はどうやら物にもなれるらしい。
つまり、僕が剣を持って戦う事も出来るし、僕が剣になって一緒に戦うって事も出来るって訳だ。
…で。それはいいんだけど…やっぱり色々問題があるから、力の操り方の練習とか出来ないんだよね…イメージトレーニングが精一杯…
という訳で、新たに発見した能力を、真司で試してやります。
…試すのは僕の物に変身する能力…もちろん真司を驚かせる為に使うよ。
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…真司が今家に居ない事は確認済みです。
だから色々と準備をするよ。
まず、何に変身するかって考えた時
第1に思い浮かんだのは服…なんだけど。
服に変身しても、真司が僕が変身した服を選んでくれないと意味ないし…
それより何より、真司の上半身に直に密着するって訳で…
却下!
…で、そんな時目に止まったのがこれ。掛け布団。
真司は外から帰って来た時、まずベッドに寝転がる習性があるんだよ。
…つまり、僕が掛け布団に変身して、真司が寝転がった所で覆いかぶさる!
完璧だね。という訳で、まずは本当の掛け布団を僕の部屋に…
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ふぅ。取り敢えず僕の部屋でいいかな…
よし、後は戻って掛け布団に変身するだけだね。
…うんOK。早く帰ってこーい。
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…来た!
「はぁ…疲れた…」
なんかお疲れのようだね。でも、そんな事で僕の計画は変わらない。
ドサッ。
僕の上に真司が寝転がる…瞬間!
バサッ!
「ぬおお!?」
一気に真司の体を包み込む!
「な…なんだこりゃ…離れないっ!?」
そりゃそうだ。全力で捉えに行ってるんだから。
なんか体の中に真司が居るみたいで暖かいなぁ…ハグしてるような感じ…
「く…くそっ!この!」
バシッ!
真司の拳が布団に当たる。…と。
「ごふっ!?」
な…なに今の…凄い痛かった…声出ちゃった…あ、変身も解けてる…なんで…?
「夜か…まさか物にもなれたとはな…」
「げほっ…うん。僕も実はびっくりなんだよ…」
「で?なんでまた俺にこんなことをしたんだ?」
「…別に理由なんてないっ!」
ぎゅーー!
「ひたいれふ!」
真司の手が遠慮なく僕の頬を摘まむ。
「…おー。伸びる伸びる…餅みたいだ。」
伸びる伸びる!僕のほっぺは餅じゃないぞ!
「まったく…何度言ったか分からんが、こういう事はするな。いいか?」
「ひゃい」
…いい加減手を離してくれないかな…ずっと伸びたままでほっぺ痛いよ…
「ひゃなしへくらさひ」
「…うん?離せ?」
「ひゅい。」
「…もう二度とやらないと誓えるか?」
「ひゃら。」
「貴様…」
…痛いといえばさっきのだよね…確かに必死だったとは言え、あの程度の攻撃で声を出してしまうなんて…
…ん〜なんでだろ?考えてもわかんないや…
そんな事よりもっと真司であそぼーっと!
「ほらほら真司!剣だよ」
「おお、これはなかなか…」
「…どこ触ってんだよ変態っ!」
「うお!?悪いっ!変なとこ触ってたか?」
「いや別に触られてないけどね何想像したんですか〜?」
「……よ〜る〜?」
「…ごめんなさーい!ごめんなさーい!」
でも、僕の力って、光の言ってた、種族ごとに出来る事が違うっていうのに当てはまらないよね?
…どういう事なんだろう?
頂いたネタを元に書きました。後、ブックマーク100人超えました。ありがとうございます。