花火
ん…あれ?今何時?ていうか、朝じゃないよね?
あ…そうそう。花火大会に備えてちょっと昼寝したんだった。
さてと、これから花火大会まで暇なんだけど…僕にはちょっと考える事があるよ。
そう!斬新な登場の仕方だよ!
…最近真司が驚いてくれないんだよ…後ろからとか、窓からとか、結構工夫してるのに…
真司が驚いてくれないと、僕も張り合いがないしね。…さて、頭脳をフル回転させるぞ。
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お?もう夜か…結構悩んでたな…取り敢えず今回はこれで行くぞ。
恒例のミスト…を、今回は扉の前で解く!そして!
チェンジ!真司のお母さん!
コンコン
「ちょっと入るわよ?」
「ん?母さんか…どうしたんだいきなり?」
「ちょっと聞きたい事があってね…」
「なんだよ?」
「…巨乳と貧乳だとどっちが好き?」
「……は?」
解除!
「じゃーん!僕でした!」
「うおお…今のはマジでビビった…母さんが狂ったのかと思った…」
「いえーい!大成功!」
「お前なぁ…そんなに俺を驚かすのが楽しいか?」
「とっても。」
「…大体お前はなぁ…」
また真司のお説教が始まるのかー…
そう思った瞬間。
ドーン!
急に空が明るくなり、轟音が響く。
「はい、真司、一旦ストップ。花火始まったよ。」
「ん?おお、本当だ。」
ドーン!バラバラバラバラ…
「んふふ…僕はスターマインって奴が1番好きなんだよ」
「去年も聞いたぞ、それ。」
ああそうか。去年もここで見たんだっけ。
「それもそうか…でもほら、こんな美少女が隣に居て、真司も去年より嬉しいんじゃない?」
「…まぁな。」
「酷いっ!真司は僕が男だった頃は嬉しくないって言うんだね!?」
「そんな事言ってねえよ。」
ドーン!
「…真司、首疲れた。寝転がっていい?」
「去年もそうだったなお前…」
…うん。女になろうが、行動パターンが変わってないみたいだね。僕
「お〜…やっぱこっちの方が楽でいいや…」
ドーン!パラパラパラ…
「そろそろ終わりなのかなぁ?」
「いや、まだまだだと思うぞ?」
「…飽きてきた。」
「去年も…いやもういい…」
花火って何回か見ればそれでいいよね。そんなに何時間も見続けられる物ではないよ
「…あふ…」
「寝んなよ?そこ俺のベッドだからな?」
そうか、そういえばここは真司のベッドだったっけ…
ということは毎日ここで真司が寝てる訳で…
ぽふぽふ。
「何してんだ?」
「いや、あったかいなって。」
「…暑いだろ?」
「そういうのじゃないんだなぁ…」
…ダメだね。行動は一緒でも、考える事は全然違ってる…
「真司はさ…」
「なんだ?」
「…本当は僕なんかとじゃなくて、可愛い女の子と花火見たかった?」
「…いや、お前も可愛い女の子だと思うがな…俺は現状に満足してるぞ。」
「…そう。よかった…ここで真司が女ったらしな一面を見せてたら僕は泣いてたよ」
「女ったらしって…」
「しかしあれだね。真司ってなんでモテないんだろうね」
「…知らん。」
「…僕的にそういうのがよくないと思うな〜。ぶっきらぼうなんだもん。」
「性格だからな」
「はぁ…まぁ、彼女がいなくて寂しくなったら僕に言いなよ…振りくらいはしてあげるから…」
「…寂しくなったらな。」
ドーン!ドーン!ドーン!
お、3連発…という事は…
「ふむ。そろそろ終わりではないかね?」
「最後はデカイのが上がるだろ?」
あ、そうだ。あれやりたい。花火の音で聞こえなかった本音みたいなあれ。
うん。多分これで最後かな…よし。タイミング合わせて…
「真司」
「なんだ?」
「僕は…」
ドーン!!
「おお、綺麗だな…で、なんて言った?」
「別に?…終わったなら帰ろうかな…それとも泊まろうかな?」
「帰ってくれ…」
「…ケチ」
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「ちぇ、真司の奴。全然興味示さねーでやんの…」
いや、僕も何を言ったとか決めてないから、聞かれても困るんだけどさ…
「でも、もうちょっとくらい…ねぇ?」
…夏休みももう中盤か…
斬新な登場の仕方を思い付いたら教えて下さい…