風邪
「ごほっ!げふっ!…はぁ…風邪…か…どうしたもんかな…」
「大丈夫?」
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「うおあああ!?お前どっから入って来た!?」
「窓の隙間…」
「なんで隙間なんだよ…じゃない。ごほっ!風邪移るぞ?出てけよ」
「まーまー。安心したまえ。病人には看病が必要でしょ?」
「それが安心できないんだよ!ごふっ!」
「全く。大声出すからそうなるんだよ…ほら、寝てなって」
「ぐ…体に力が入らん…」
覗きに来たらこれだもんなぁ…だらしないね〜
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え〜っと。薬と水とジュースと…濡れタオルいるかな?
「ほれ、薬。そのままで飲め。」
「水は…?」
「…欲しいの?」
「そのままで飲めってのは酷くねぇか…」
「…仕方ないなぁ…ほれ、どうぞ。」
「おう、サンキュー」
「あとこれジュースね。オレンジのやつ…あとなんか欲しいのある?」
「…いや、ない」
「ふ〜ん…嘘だね。冷たいのが欲しいって顔してるよ。」
「なっ!?…なんで分かった…」
「何年友達だと思ってるのさ。そのくらいよゆーよゆー…じゃあちょっと買ってくるね。バニラでいい?」
「…おう…すまん」
「いーんだよ。」
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ん〜…カップかな?いや、ソフト型でもいいかなぁ…いや、そんなに早く食べれないかもしんないからカップがいいかな…
うん。カップ型のにしよう。
「108円になります…ありがとうございました〜」
よしよし。後は帰るだけ
「〜♪〜♪…♪?」
ん〜…なんだろうあれ。茶色い…もふもふ?
…わんこだ!なんであんな所に?リード付けてないし…捨て犬?可哀想に…
「おいでおいで〜」
テクテク…
おお、素直だね。可愛いよ
なでなで。
「くぅ〜ん…」
「…そ、そんな悲しそうな声出されても…今何も持ってないよ…」
「くぅ…」
「ごめんね…今度なんか持っていくから…」
「わふ」
ぺろぺろ
「わ…くすぐったいよ〜!」
…やば!溶けちゃう溶けちゃう!急がないと!
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『デレデレしちゃって…まったく。』
『いやぁ…可愛かったなぁあの子…偶に犬になるといい事あるなぁ』
『もう…さっさと組織の所行かなきゃいけないんだから!早くいくわよ!』
『そう怒るなよぉ…』
「ふぅ…さて、どこだったっけ?」
「そんな事も覚えてないの?ダメダメね…」
「うるせーよ」
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「アイス買ってきたよ〜」
…あれ?
「…真司〜?寝てるの?」
…寝てるなこりゃ…どうしよう。アイス溶けちゃうよ。
あ、冷凍庫入れてくればいいのか。
うん。これでよしっと…
「真司〜早く起きろ〜。」
…いや、風邪だから寝ててもいいけどさ…僕暇じゃん!ほっといて帰るのもなんだかなって感じだし…
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まだかな…眠くなってきちゃったよ…
あふ…やばいやばい…看病してる側が寝るとか意味ない…
…起きてないと…
…………………………
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「…ん?寝ちまってたか…ってなんだこれ…夜?…寝てるのか…?おい」
「あ!?ごめん寝てた…!」
「いや、別にいいけど…げほっ!」
「あ、アイス買ってきたよ。今食べる?」
「…あぁ」
「じゃあ取ってくるね」
寝ちゃうなんて…ちゃんと起きてようとしたのに…
「はい。」
「どうも…」
「……あ、僕そろそろ帰るね?」
「そうか。どうもな。」
「…風邪の所悪いんだけどさ…血もらえるかなぁ?」
「ああ、いいぞ」
ちゅー…で、この貰った分を…
みゅ〜ん。
「…何した?」
「魔力の受け渡し…風邪で起き上がるの怠い時とか、なんか引き寄せたり、体浮かせて移動したり…僕はやった事ないけど多分できるはず。」
「…ありがとな」
「いーのいーの。元は真司の血だし」
「それもそうか。」
「そうそう。じゃねー」
…±0だから僕は今ちょっと辛かったりする…明日は日曜日だし、なんとか大丈夫かな…
…なんだかんだでもう体育祭から一週間かぁ…月曜日は振替だよね。真司が元気になったら遊びに行こうかな。
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「…ふむ。これは便利だな…なんでも持ってこれる」
魔力ってこんな事にも使えるんだな。…夜がちょっと羨ましいかもな。
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「…反応…?いや、違うかな…」
今少し動いたと思ったのになぁ…
「もー!どこに居るのよっ!いい加減出てきなさいよぉ…敵じゃないわよ…」
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「…くしゅっ!」
・・・あれ?僕も…?