聖夜の奇跡
真司が頑張るお話
「真司！クリスマスだよ！」
「そうだな。」
「聖なる夜だよ！」
「そうだな。」
「サンタさん大作戦だよ！」
「そうだ…ん？」
今日はクリスマスイブ！聖なる夜！ケーキやチキンを食べてサンタさんが置いてってくれるプレゼントに心踊らせる日！という訳で。
「僕がサンタさんになるんだよ！」
「なんでだ？」
「僕ならサンタさんが出来るからだよ！」
「……なるほど。まぁ一回落ち着け。」
「落ち着いてるよ？」
「ならいい。取り敢えずなんでこんなバカな事を思いついたのか言ってみろ」
「わかんないの？」
「わかんねぇよ。」
「仕方ないなー…1から説明してあげるからよく聞いてね！」
「おう」
「今日はクリスマスイブです」
「おう」
「サンタさんが来ます」
「…まぁ、な」
「僕は吸血鬼です」
「おう。」
「魔力が使えます」
「そうだな」
「つまり僕がサンタさんです！」
「おかしいだろ！？そこが意味わかんないんだよ！」
…分からず屋め…
「サンタさん出来るからサンタさんをする！それのなにがおかしい！」
「全てだ！バカな事言ってないでケーキでも作ってろ！」
「うるさい！僕はサンタさんしたいのー！」
「やめとけよ…子供の親達だって色々準備してんだろ…」
「大丈夫！光とか橘さんとか…親しい人達にしかやらないから！きっともうサンタさん(親)からプレゼント貰ってないだろうし！」
「…はぁ…まぁ…それならいいか…あんまり迷惑かけないようにな…」
「頑張るよ！」
光達を驚かせてやるからなっ！
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「…とか言ってた癖に…」
「………えふっ…」
「…動けるのか？…それ…」
「む…り…」
ケーキにチキンにお寿司に…美味しいからって食べ過ぎた…か…
「それじゃサンタは無理だな。諦めろ」
「…う…うぅ〜サンタさんー」
「ほら…おとなしく横になって…」
…こうなったら…！
「真司ーこっちきてー」
「…なんだよ…」
「…必殺！早着替えさせの術！」
シュバッ！
「うわっ！？なんだ！？」
「はい鏡。」
「こ、これが…俺………じゃねぇよ！なんで俺がミニスカサンタになってんだよ！？しかも…胸があるし…」
僕の魔法で！真司を！ミニスカサンタちゃんに変えたよ！
もちろん女の子だよ！
「…どういう事だ…？」
「真司には僕の代わりにプレゼント配達に行ってもらいます！はいこれプレゼント配る場所とその人が欲しい物が書いてある紙とプレゼントが出てくる袋」
「夜…お前…！」
「さぁ真司ちゃんよ！良い子にプレゼントと夢を与えてくるのだー！」
魔法でひょいっと。
「うおお！？」
ぴゅーんと真司が窓から飛んでいく。
「がんばってねー♪」
さて、僕の方も準備を進めておきますかね
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ドスン！
「痛ぇ…夜の奴…もう少し丁寧に降ろせよ…」
…しかし…まさか俺まで女になるとはな…いや…女にされたんだが…
しかし俺どうなってるんだ？自分の体を確認しようがないからなぁ…
あ、そうだ。このプレゼントが出てくる袋で…よっと！
すぽっ
「…よし。」
鏡GET。さて、これで自分の姿が確認できるな。さっきは服装と胸に気を取られて全体を見てなかったからな…
「…ふむ？」
ショートの金髪に紅眼に…大きめの胸…身長は高い方か。元の俺よりほんの少し小さいくらいか？
なんだ？夜の外見と反対にでもしたのか？
なんにしても…女だな…はぁ…帰ったらお仕置きが必要だな。これは。
ブブブブ…
…？メッセージ…夜からか。なんだ？
『魔法で姿隠さないと変な人だよ？』
…そういやそうだ。外人みたいな姿の奴がサンタコスプレで1人でいるようにしか見えないな。
よし。
シュン！
これで見えなくなったはず…だ。うん。さて…さっさと終わらせて帰ろう。
最初は…橘の所か…やれやれ。
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よしよし。順調みたいだね？さて、こっちもやらなくちゃ！
「えーっと。」
真司へのプレゼントはこの手袋と…あと…
このリボンを…
んしょ。
…あれ？
よいしょ！よいしょ！
……自分で自分をリボンで縛るのってどうやってやるんだろう…？
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
着いたか。さて、家の中に…って、煙突ないな。どうすんだ？
…魔力で通り抜ければいいか。本当便利だよなこれ。
で？橘の欲しい物は…
最新のぺんたぶ…
ぺんたぶ？なんだそれ？…まぁいいか。ほいっと！
すぽっ
おっ、包装までしてある…便利だな。
さて、これを橘の枕元に置いて…
「…むにゃ…？」
まずい！起きたか！？
…って、姿見えないんだったな。そこまで焦る必要も…
「…金髪の…サンタさん…？」
見えてんじゃねぇか！？なんでだよ！？いやそれより！
シュンッ！
「…あれ？消え…」
「フリーズ」
「ひぁっ！？…い、いつの間に後ろ…に…」
「今お前は何も見てない。何も聞いてない。お前はぐっすり寝ていて一度も起きなかった………OK？」
「…ひゃ…ひゃい…」
「…GOOD…メリーXmas」
「……きゅぅ…」
やべ…意識失っちまった…まぁいいか。
さ、次々
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「記憶消せばよかったのに…」
何あの武力型口封じ。
でもちょっといいなぁ。今度僕もあんな感じで何かやってみようかな？
〜〜〜〜〜〜しばらく後〜〜〜〜〜〜〜〜〜
さて…これで後は光のみか…
お邪魔しますよっと。
「…すぅ……」
よく寝てるな。さて、光の欲しい物は…
『夜』
……………
………………
…………………。
えーっと。
ブブブブ…
メール…
『却下ぁ！』
だよなぁ。俺的にも嫌だしな。夜は俺の彼女だし…
「…むにゅ…」
やべぇ起きる！？
「誰！？」
しまった…！
「……サンタ…さん？」
「…あ、はい…」
「…あ、どうも…お疲れ様です…？本当に存在してらっしゃったんですね…？」
「…え、は…はい…」
「起きちゃ…いけない感じ…でしたかね…？」
「…え、えぇ…出来れば…」
「すみません」
「あ、いえ…」
「…あの、ところで…私の所には何を届けに…？」
「ええっと…この紙には「夜」と書いてあるんですけど…」
「くれるんですか！？」
ずいっ！
近っ！？
「ひいっ！？あ、あげませんよぉ！」
「…えぇ…」
「流石に人はあげられませんから…」
「そうですか…」
「えっと…何か他の物を…」
「…じゃあ…貴女で」
「なるほど、私……はい？」
「いや…最近寒いじゃないですか？」
「…はい」
「今日特に寒いですよね？」
「まぁ…」
「布団被ってても肌寒いんですよ」
「なるほど」
「もう少し温もりが欲しいんです」
「えぇ」
「という訳で貴女をください」
「おかしいですよね！？そこが凄くおかしいですよね！？女なら誰でもいいのかこの百合女！」
「失礼な！私は夜一筋です！」
「それも人としてどうかと思いますけどねぇ！？」
「でも…貴女も中々いいんですよね…夜と正反対なのに…とても夜に近い…そんな感じが…」
「え、えーっと」
「それに夜には彼氏が居るんです…立派な彼氏が…私に振り向いてくれる事は絶対ないんです…だから！」
「だから！じゃありません！」
というかその彼氏の方だぞ俺はっ！
「いいじゃないですか。一晩一緒に寝るくらい…！」
「色々と失いそうなので嫌です…！これあげますね！めりーくりすます！さよなら！」
シュン！
「あぁ！逃げられた！…これは？」
『夜っぽい人形』
「…これは中々…ふふっ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ぜーっ！ぜーっ！」
あ、危なかった…！男としても女としても大事な物を失う所だった…！
…はぁ…もうこれで終わりか…さて、帰ってさっさと元に戻して貰わないとな…
……
パシャ！
うん。記念に2〜3枚撮っとくか。
こう見ると結構美人だな俺。
…さ、帰ろう
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ただいまー。夜？寝たのか？」
パーン！
「うおっ！？」
「メリークリスマス！真司！プレゼントだよ！」
「おお…手袋か…ありがとなー」
「あれ！？無視！？ここでリボンを付けて待機してる僕は無視ですか！？」
「…いやー手袋かー。あったかそうだなー」
「喜んでくれて嬉しいけど！そっちだけじゃなくて！さぁ！」
「最近寒いもんなー」
「おいこらー！これ用意するのに時間かかったんだぞー！」
「…もしかして俺がプレゼントと配ってる途中…ずっとそんな事してたのか…？」
「うん！」
「ほーぅ。」
…あ、男に戻ってる…
女にされたし…寒い中プレゼント配りさせられたし…うん。俺には怒る権利があるな。
「さぁ…！さぁ！かもん！」
「…夜…っ！お仕置きの時間だ！」
「きゃー♪」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「でねー？その金髪のサンタさんが可愛くてー。いや、もちろん私は夜一筋なのよ？けどね？あの子も中々…」
「…気に入られたみたいだね？」
「そうだな…」
「ねー聞いてるー？」
「あーうん。聞き流してるー」
「それでね？その子もなんだか夜に似てる感じがあってー…」
「…また真司ちゃんにしてあげよっか？自撮りするくらい気に入ってたみたいだし…光の襲来を2分の1にできるかも…」
「…勘弁してくれ」
あんな聖夜は2度とごめんだ…
おふざけが過ぎましたか！(障壁解放のポーズ)
