結婚への道のり
お久しぶりです。
少しばかり時間を巻き戻します
ある日
「お父さんって、なんでお母さんと結婚したの?」
愛からそんな疑問が飛び出てきました。
「そりゃあもちろんお父さんはお母さんの事を愛していたからだよ!」
「…まぁ、その通りだな」
おっ、真司素直!
「聞きたいのはそういう事じゃなくて…どういう風に結婚を決めたのかなって。」
「どんな風にって…そりゃ…」
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「真司!結婚しよう!」
「おう」
ぱんぱかぱーん!
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「…って感じだったよ!」
「あーはいはい。お母さんちょっと黙ってて。…で?どんな感じだったの?」
「ちょっと!?」
最近愛が冷たい…
「どんな感じと言われてもなぁ…」
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「夜、そろそろ結婚しないか?」
「真司…!でも…結婚ってまだ早いような…」
「大丈夫だ!必ず幸せにする!」
「わかった!する!」
ぱんぱかぱーん!
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「…って感じだった」
真司までボケに回ってるような…?気のせいかな。真司ツッコミだし
「おいバカ夫婦」
「ひぃっ!」
愛が…!愛が今まで見たことないような目を…!
「真司…我が愛娘が怖いよ…」
「流石にふざけすぎたか…?」
「真面目に話してよ!真面目に聞いてるんだから!」
「…なんでそんなに聞きたが…ははーん?」
ピーンときましたよ…流石僕!
「…?どうした夜?」
「分かっちゃった♪愛がそんなにお母さん達の結婚の話聞きたいのか…」
「えっ!?」
こんなに慌てるって事は…これはもう確定だね!
「真司、こっちこっち。」
「…なんだ?」
「ふふふ…愛も結婚に興味が出てきた訳だよ!きっと相手は健太君だよ!」
愛ももうそんな歳かぁ…
「なるほどな…これは真面目に答えるか?」
「それがいいよ…」
「聞こえてるんだけど。」
「よっし!ではでは詳しく話してあげましょー!」
「うむ」
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あれは今から何年前の事だったか…まぁいいや。
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「真司!そろそろ結婚しようぜっ!」
「だからさ…夜…そういうのはまだ早いって…」
むぅ…何故真司はここまで頑ななのか…
「なんでしないのー?ねーねー?」
「俺らはまだ20だぞ?早すぎるだろ。」
「早すぎる訳があるかー!4年くらい付き合ってるんだぞー!」
「年月じゃなくて年齢だっての…だいたいなんでそんなに急ぐんだ?」
「僕としてはですねぇ…すごーく…すごーく不安なのですよ…ほらさ…僕には特別な理由(元男&吸血鬼)がある訳で…世の中には普通の魅力的な女性が溢れてる訳で…真司も働き始めたしそういう人達に触れ合う機会も多いわけで……はっ!そうか!真司の仕事場の女を全員消してしまえば…!」
結構名案じゃない?これ…
「おいばかやめろやめろ!俺の行く先々で女性集団失踪とかシャレになんねぇ!」
「え?大丈夫だよ?『居なくなる』んじゃなくて『居なかった事になる』んだもん…誰にも迷惑かからないから…ね?」
「どっちもダメだ!」
…うぅー…真司め…いつまで僕を待たせる気だぁ…
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「…この辺で大体分からないか?結婚した理由…」
「…確かに…お父さんがお母さん以外と結婚でもしようものなら…地球が…」
「あぁ…滅びる…」
「ちょっと!?君たちはお母さんの事なんだと思ってるのかな!?」
「ヤンデレ吸血鬼」
「ぶっ殺す系吸血鬼」
「…怒るよ?」
本当にもー…僕はそんなんじゃないのに…
殺人なんてしないもん…消すだけだもん…人殺した手で真司に触れたりなんか出来ないじゃん…
「…んで、もうちょっと続きね。」
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「ぶーぶー真司。早く結婚しようよーぅもうどっちの両親も認めてくれてるんだからさぁ〜」
真司の両親は凄く優しかったです。快くOKくれました
「…あれ?この前は父さんが反対してるとか言ってなかったか?」
「お母さんが説得してくれた!」
『私が信じてる子を貴方は信じてくれないのかしら…?』
『そんな事は…』
『じゃあいいでしょう?それに真司君、ちゃんと夜の事幸せにするって約束してくれたわよ?』
『そう…か。真司君になら任せられる…か』
「…って感じだった!」
いつも思うけどお母さんって本当お父さんに強いよね。
「俺、随分買い被られてんなぁ。」
「やだなぁ、事実だよ」
「そうか…だけどな?まだ俺の仕事も安定してないし…」
真司のお母さんがお金すっごいくれたんだけど…それ言ってそれに頼る真司じゃないしなぁ…どうしようかなあのお金…こんど真司誘って旅行でも行こうかな…
「むぅ…じゃあ僕も働くよ!それなら大丈夫でしょ!」
真司にばっかり働かせちゃ申し訳ないしね!真司との結婚の為なら僕頑張っちゃうよ!
「ダメだ!!」
「ひっ…え?な、なに…?なんでそんな怒るの…?」
「…悪い。だが、お前が働くのはダメだ。」
「なんだよぅ!仕事くらいちゃんとできるもん!」
「そういう問題じゃねぇんだよ」
「あっそう…?」
…じゃあなんで…
まぁ、いいか?
「…そうだな…せめて後1年…待ってもらえないか?」
「…えぇ…」
1年かぁ…長いような短いような…
「1年で何が変わるかは分からないし、何も変わらないかもしれない。だけど…」
「ん。分かった…仕方ないね。待ってあげるよ」
「悪いな…俺のわがままで」
「んーん。真司は僕のわがままにも付き合ってくれたし…ずっと…本当にずっと助けてくれたからね…その位なんでもないよ」
そう。真司はずうっと助けてくれた…あの時から…『僕』が…銀髪蒼目の吸血鬼の物語が始まったその時から…
もし…もし真司が居なかったら僕はどうなってたのかな…?考えたくもない…な。
「真司?」
「なんだ?」
「僕、真司の事…本当に…本当に…大好き!…ちゃんと…絶対!お嫁さんに貰ってね!」
「…ああ。」
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「という訳で1年後真司は僕を貰ってくれたのさ!」
今も鮮明に思い出せるなぁ…真司が婚姻届を持ってきた日の事…
「ほへー。そんな感じだったんだぁ…」
「因みにその1年の間僕は花嫁修業をしていたんだよ…ほらこれ、光から貰った『お嫁さんに必要な技能まとめ編』光にも感謝してるんだ。」
「光さんが…(あの人なんかいつも暗躍してるなぁ)」
…あ、やば。口調があの頃に戻ってた。
「それでねー結婚式なんだけど…これがまた大変で!知ってる?ウエディングドレスって飛び膝蹴りするみたいな感じじゃないと進めないんだよ?…あとねあとね、初夜はねぇ…」
ゴイン!
「…その辺にしとけ」
「痛…という訳でだね…愛!」
「な、なに?」
「吸血鬼だからって何も心配する事なんてないよ!普通の女の子として、普通の恋愛して、普通に過ごしていいんだからね!『自分は人間とは違う…』なんて馬鹿な考え、持っちゃダメだよ?」
「その通りだな。愛は考えすぎるからな。変な風に考え込まずお母さんのようにアホみたいにまっすぐ走って、ぶつかって、ぶち壊したっていい時もある」
…アホって言った?…いや、まぁいいんだけど?
「…うん。」
あ、そうだ…
「後、一つ言っとく事があるよ」
「…なーに?」
「健太君が落ちそうにないと思ったら魔力で眠らせてごにょごにょ…」
「………!?…!……!?」
「なんだかわからんがやめろっ!」
ゴイン!
「痛っ…おっと、もうこんな時間かぁ…そろそろご飯作るねー」
今日は気分いいからグラタンとか作っちゃおうかなー♪
「おう」
…んー♪それにしても懐かしいなぁ…結婚式…大変だったけど…もう一回くらい真司とやりたいかも…なんてね♪
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「そういえばお父さん。どうしてお母さんに働いちゃダメって言ったの?」
「…あぁ、それはな…お母さんって…なんというか、アホの子だろ?」
「まぁ、否定できないね。」
…夜…
「警戒心とかゆるっゆるなんだよ」
この辺だけは男の頃のまんまなんだよなぁ…自分がそういう目にあうなんて考えてすらいない
「ふむ」
「つまり…」
『夜ちゃん!就職おめでとう!ちょっと呑みにいかない?』
『行きます!』
『ほらほら、どんどん呑んで?』
『ひゃい…』
『ぅぅ〜』
『夜ちゃん随分酔っちゃったね?…ちょっとあそこのホテルで休んでこうか。歩ける?』
『歩けまひゅぅ…』
「……みたいな事があるかもしれないだろ?そう考えると絶対にお母さんを働かせる訳にはいかなかったんだ…」
「…はぁ…なるほどね…」
「ごはんできたよー」
「お、旨そうだ…」
「(まったく…このおバカ夫婦め…でも、少し羨ましいかな…いつか、私もこんな風に…なれるかな?)」
「熱っ!?熱ちち!?」
「大丈夫か!?ほら水…」
「(…いや…お母さんみたいになるのは勘弁…かな。)」
2ヶ月ぶりくらいなので口調とか中々思い出せず…変なところあったらごめんなさい