実行委員
でーでででー♬でーででででー♬
ガチャ!
…なんか重い曲だったな。悪い事でもあるんだろうか?
もぐもぐ…そういえば明日テストかぁ…でも早く帰れるから嬉しいよね。
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…あれ?今日は光居ないのかな?まぁいいか、行こう
テストめんどくさいなぁ…それよりも体育祭がめんどくさいなぁ…やだなぁ…
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「あ、夜来た。」
「あれ、光早いね?」
「今日は体育祭の朝練があったんだけど…なんで来なかったの?」
衝撃の事実!…うん?昨日はそんな事一言も言ってなかったよね?
「そんな事誰も言ってなかったじゃん」
「え?ちゃんとライフで連絡が…」
「…僕の元には来ておりませんが?」
…そうなのだ。今やリア充でなくてもダウンロードしている無料通話アプリ…僕もダウンロードしてはいるのだが、真司と家族以外の人は登録されてないのだ。
僕の家族にそういう連絡は行ってる訳ないし、真司は他のクラスだから知ってるはずもない…つまり僕の元にはクラスの連絡は届かないのだ
…だからそういうアプリでそういう事を連絡するのは止めて欲しい。
「…ごめんね?」
「謝るなよ…余計惨めだよ…」
見事なorzになりつつ…まぁ体育祭の練習なんて出なくてもいいか。
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あ、光のアカウント教えて貰えばよかったかな…まぁいいか。
「体育祭の実行委員を決めます。話し合いと立候補どっちがいいですか〜?」
「話し合いがいいでーす!」
「ウェーイ!」
…誰だよウェーイって言った奴。バカじゃないの?
…話し合いかぁ…まあ僕には関係無いし…寝てようかな?でも怒られるかも…どうしようかなー
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「杉下さんがいいと思うんだ…」
「いや、青山さんだろう…」
…なんでその2択なんだ!ていうかなんで男子が女子の実行委員を決めようとしてるんだ!男子の決めろよ!
「じゃあ杉下さんと青山さん…どっちにするか2人で話し合って下さい。」
よし、光に押し付けよう
「夜〜どっちがやる?」
「…光やるよね?」
「え?」
「体育系なんだからやるよね?うん。やれよ。」
「ちょ…夜…」
「先生!青山さんがやりたいそうです!」
「はーい。じゃあ青山さんに決定ですね。男子も早く決めて下さいね〜」
「…ちょ…」
「ごめんね…?こういうの向いてないから…」
「…はぁ、分かったわよ…」
悪いなひかりん…だが僕はそういう面倒な事はしたくないのだよ…
「うおおお!じゃんけんぽん!あいこでしょっ!あいこでしょっ!さっさと負けろやおらっ!」
…話し合いはっ!?じゃんけんになってるし…凄い気合い入ってるし…
はっ!…まさかあの男子達は光と一緒に実行委員をやりたいから…!成る程そういう事か…そうだよね、実行委員とか二人きりで話し合ったりするもんね…流石の人気だね光…!
…てことは僕グッジョブ?あの男子達に感謝されてもいいんじゃない?ふふ…僕も楽だし男子も嬉しい…そして恋が芽生えたりしたら光も幸せ…僕の選択は間違ってなかった!
「…あー…なんかやる気無くしたわ…」
「なぁ…」
まぁ、なんかやる気ない人達も居るけど…面倒くさいもんね。分かるよその気持ち。…でも熱血野郎が立候補しないのにはちょっとびっくりかな。光を好きとかじゃなくても、立候補するような気がするのに…
「うおお!勝ったぁ!」
「くそー!」
「男子元気だよね〜。そんなに体育祭好きなのかな?」
…この子…鈍感っ!く…これでは恋が芽生えないかも…男子可哀想に…
「青山さん!よろしくお願いします!」
「…鈴木君だっけ?よろしくね!」
いい感じじゃないか…お兄さん嬉しいよ。
「じゃあ早速二人でスローガン考えて下さい〜」
「はい!」
ふふ…頑張れ鈴木君!気付け光!
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「そういえば小林君は立候補してないよね」
「あぁいうの苦手なんで…」
へー。意外
「ところでさ、あの熾烈なじゃんけんを繰り広げてた男子って光の事好きだよね。」
「…そうみたいですね。」
「やっぱり…でもね、光はただ体育祭が好きなだけだって思ってるんだよ。鈍感だよねぇ」
「…そうですね」
「(貴女に言われたくないと誰もが思ってますよ…)」
「でさでさ。光に気付かせるにはどうしたらいいと思う?」
「さぁ…でもそういうのは個人の問題ですからね。他の人が口を出すのはどうかと?」
「そっか…あ、ところでさ。」
「なんですか?」
「なんでずっと敬語なの?同学年でしょ?タメ口でいいよ?」
ずっと気になってたんだこれ。同学年で同じ部活なのになんで敬語なのかなって。
「そうですか?…じゃあそうする。」
「うわ…敬語じゃない小林君って変」
「どっちだよ…」
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「とゆー訳で。結論!『光は鈍感』」
「…そうか…」
「あ、真司は実行委員になった?」
「いや、そういうのめんどくさいからな。パスした」
「だろうね…血を寄越せ〜」
「おうよ。」
チュー…光の鈍感をどうにかして…それでカップルが出来れば…見るのが楽しいかも…でもそしたら光が僕と居る時間が短くなったり?それはやだな…折角の友達なのに…
「おい!吸いすぎだ!」
「うわっ!ごめん!考え事してた!」
「…貧血になりかけてる気がする…」
「ごめんなさい!許して下さいなんでもしますから!」
「…いや、いいよ。大丈夫だ。」
…あれ。同人誌的な感じになるかと思ったのに…がっかり。