最終決戦
「…ふふーん。」
いやー買えた買えた!後一冊だったもんね…運が良かったよ!
ふふ。今から楽しみだなー真司の読み聞かせ…
どんっ!
「あっ!ごめんなさい!」
「どこ目つけてんだこら!」
やばっ!なんかやばい感じの人にぶつかっちゃった!
…助け呼ぼうにもここ裏道だし…!
「痛ぇじゃねぇか?あぁ?どうしてくれんだよ?」
「ご、ごめんなさい!」
「へぇ、お前中々可愛いじゃねぇか。…ちょっとこっち来なよ。なーに悪いようにはしない。」
「…えっ、ちょ…ちょっと!離して…やめて!」
「うるせえ!黙ってろ!」
うぐぐ…こいつ力強い…!
「離して!離せっ!このっ…離せぇ!」
ドゴォン!
「ごはっ!」
………え?
……なに、今の…僕…?僕が…やったの…!?
な、なにこれ!…うわ!髪も色が違う!銀色!?なにこれ!え?マジでなにこれ!?
ど、どうしよう…本当に…あ、さっきの人…ぶっ飛ばしちゃった…ど、どうすれば…?
し、真司に…いや、ダメだ!真司にそんな迷惑かけられない…!あぁ…
「杉下さん!大丈夫ですか!?」
「…あ、君は…か、金本さん…え、いや、違!これは僕じゃな…」
「大丈夫です!落ち着いて!俺は貴女がこうなるの知ってますから!」
「……え?知ってる…の?…あ、あの、僕は…一体…?」
「……やっぱり、覚えてないんですね?」
「え?」
「きっと、貴女は何かで記憶を消されてます。俺の事も、自分のその力の事も…覚えて無いんでしょう?」
「う、うん…」
「…よく、聞いて下さい。貴女はその力のせいで敵に狙われています。そして、貴女が自分の事を思い出せないと…佐々木さんにも危害が及ぶ可能性があります。」
「…え?真司に!?」
…ど、どうしよう!思い出せ…僕は何者…僕は…ダメだ…!
「…やっぱり、自力じゃ無理ですか…もし、もし、俺の事を信じてくれるなら、着いて来て下さい。貴女の記憶を取り戻せるかもしれません!」
…信じていいのかな…でも、前から知ってるみたいだし…僕の力の事も知ってる…行こう。真司に迷惑はかけたくない!
「…わかった。行きます」
「わかりました。こっちです。着いて来て下さい」
…僕は何者なの?一体、どうすればいいの?きっと、記憶さえ戻れば…
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「………ん?あいつは……ん!?やべぇか…!?」
プルルル…ガチャ!
『どうしたの?小林君』
『青山か!ちょっとマズいかもしれねぇ!」
『な、なに?どうしたのよ!』
「杉下が、金本と一緒に居る。」
『金本?金本って誰?』
「金本ってのは…ホーリークロスの中でも過激派の連中のトップ2に君臨してる奴だ。やる気はねぇが頭は切れる!実力もかなりのもんだ!あいつと杉下が一緒に居るって事はおそらく…なにかしらやばいぞ!」
『なんですって!?…いま、どこに居るの?』
「大宮の細い通りみたいなところだ。少し尾行してみる。電源は入れとくから、携帯の電波辿って来てくれ。なるべく大勢でだ。」
『わかった。すぐに行くわ。』
…くそ。金本か…よりによって…あいつは自分から何かする事はない。なら、やっぱり、木原の奴の差し金か?…あいつ、何考えてやがんだ…?
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「…えぇ。そうよ。私たちは先に行くから、佐々木君は後から来て頂戴。場所が確定したらメールで送るわ。それまでは大宮駅の所にいて。えぇ。それじゃ。」
…ふぅ。
「……貴方達が居てくれてよかったわ。魔物チームのメンバーはもうほとんど居ないしね。行ける?」
「もちろんっすよ!」
「当然。行くぞ。」
「もちろん着いて行きます!お姉様!」
「じゃあ、行くわよ?」
…なるほど、場所はここね?…私達ならたいして時間かからないわ。
コオォォォ…
今までの仲間達の恨みもあるけれど。
夜に手を出してえぇ…無事でいられると思うなよぉ!?
ギュン!
「……ちょ、速…」
「置いてかれるな!行くぞ!」
「あーん。お姉様凄いー!」
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「…くそっ!どうする!?」
俺にもまだ魔力はある…飛んで行く方が速いか…!?だが、俺はそんなに魔力を持ってねぇ…もし、夜になにかあって、戦闘にでもなりゃあ魔力残しとかないと…
そいつら、ぶっ殺せねぇよな?
「…よし、電車で行こう」
どっちみち場所がわかるまで動けないんだ。魔力は温存しておこう…
無事でいろよ?夜…
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「へー。凄い施設ですねぇ…」
「貴女達の補助の為に作られたんですよ…あ、これです。」
「へぇ…」
…なんか、あれだね。ヘッドギアみたいだね。
「上手くいけば5分もかかりません。痛みは…もしかしたらちょっとあるかもしれませんが、我慢してもらう方向で。」
「はい。」
「じゃあ、つけますねー」
ガチャ。
ガシンガシンガシンガシン!
「……あの、なんで手と足に枷が…?」
「……逃げられちゃ…困るんでね…」
ポチッ!
バリッ!バリリリッ!ジジジジ…ゴオォォォ!
「ぎゃあぁぁぁぁぁ!?」
痛い…!それに、体から何かが抜けてく感じが…!
…僕は…騙されたのか…!くそ…
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「くそっ!何かの音が聞こえる…こうなれば俺だけでもっ!」
ザッ!
「…なんだお前ら…」
「あぁ、小林…だったか?まさか抜けてから、魔物の味方をしてるとはなぁ?」
「……そこに居られると邪魔なんだがな。この木偶の坊が」
「ふん。お前は強いらしいな?だが、この人数相手にどうにかなるとでも?」
…20人くらいか?…確かに多いなぁ…だけど…
「木偶が何人集まろうが所詮木偶!元仲間だからと言って容赦はしない!」
ゴゴゴゴゴ……ゴオン!
「ぐごはぁ!?…な、なんだこの力…?」
「…さて、周りを見てみろ、その人数相手で、俺がどうなるって?」
「……バカな…」
残りは3人…
シュウン!
「…お?」
「間に合ったかしら?」
「速いっす…よ…」
「まったくだ。」
「お姉様凄い!」
「……なんだ。もう来たのか」
「ええ。で、夜は?」
「このビルの中だ。こいつらは俺でなんとかなる。先に行け」
「わかったわ!」
「行かせるかっ!」
シュン!
「……行くわよ」
「いつの間に後ろに!?」
「おう。いってこーい。」
「さーて、さっさと片付けるか。どうせお前雑魚だろうし。」
「舐めやがって!死ね!」
「おお!?しまっ…」
ゴゥン!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「さて…そろそろかしら?」
「なにがですか?」
とすっ。
「ほい。お届けものだよ。」
「どーも。」
「まさか、女にお姫様だっこされるとは…」
「佐々木先輩!」
「間に合ったみたいね。お疲れ様」
「いえいえー。光さんの頼みですし。…でも、私戦闘能力ないんで帰ってもいいですか?」
「いいわよ。」
「頑張って下さいね!」
バササッ!
「…誰だったんだ?あいつ?」
「伊東さんよ。」
「あいつ魔物だったのか!?てか、キャラ違くね!?」
「そんな事私に言われても知らないわよ。…おっと。」
「…光の魔物…それに、超能力集団に、佐々木とやらだな。」
「…あんたが黒幕ね?随分強そうなオーラだわ。夜を返しなさい!」
「……夜?あぁ、あの吸血鬼少女か…もう目的は終わった。返してやろう…ほれ。」
ドサッ!
「…夜!」
「…まぁ、そいつは返してやる…が…」
「…………」
「心も壊れ、魔力も無い…そんな『肉体』に…なんの価値があるのかね?」
「おい!夜!…息は…あるか…くそっ!」
「佐々木君は夜をどっかの部屋に連れてって!私達はこいつを…!」
「ふん!私にはやる事があるんでな。後は任せるぞ金本」
「それ俺の死亡フラグなんですけどっ!?まーここは通さないですよー」
「どけっ!」
ゴウッ!
「おおっと!」
ぱしゅっ!
「怖え…なにこの人…強いなぁ…めんどくせぇ…」
「…く…」
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「おい!夜!…く…この!起きろ!…起きてくれっ!おいっ!」
どうすりゃいいんだ…!どうすりゃ…!
銀色の髪がくすんでる…これ、かなりヤバイ状態じゃないか?
…俺には…何も出来ないのか…?
決戦地が大宮なのは特に意味はないです。