両親とかおばさんとか真司とか
「…夜。話がある。ちょっと来なさい。」
あれ、なんだろう。話しかけてくるなんて珍しい…
いや、そうでもないか。
「なーにお父さん。」
「……ツイッチャーを始めたらしいな?」
「え…う、うん。」
なんで知ってるんだろう…?
ドンッ!
「ぴいっ!?」
なんでいきなり机を叩くんだよう!
「……お父さんにもアカウント名を教えなさい。フォローするから。」
「えっ…ちょ…それはちょっと…」
一応思春期のオンナノコな訳で…うん…なんかやだ…
「何故教えてくれないんだ!?まさか…親には言えないような事をつぶやいてるんじゃないだろうな!?」
「…そ、そんな事はない…けど…」
『なう道路なぅ!』っていうつぶやき見たらため息つかれそうだけど。
「ならいいじゃないか…お父さんは心配なんだ!さぁ教えるんだ!」
うわーん。僕が男の頃とキャラがちーがーうー!
「…お、お母さーん!」
こういう時は対お父さん兵器に頼るよ!
「…どうしたの?…あなた?また夜に迷惑かけてるの?」
「…迷惑なんてかけてないさ。ただツイッチャーのアカウントを教えて貰おうと…」
「…あなた。ちょっとこっちに…」
「ひいっ!?よ、夜!助けて…」
「やだ。」
「うわぁぁぁ!」
あーあ。知らなーい。目からハイライトが消えたお母さんは怖いんだよー?
あー、連れてかれた…
…ま、いっか!なんだかんだ言ってお母さんお父さんの事大好きだし!そんな酷い事されないでしょ。
僕も真司の所行こうっと!
「あなた?夜ももう高校生なんだから親に見られたくない事の1つや2つあるに決まってるでしょう」
「し、しかしだな…夜が詐欺や嫌がらせにあったりしたら…」
「夜はそこまでおバカじゃないわ。それに、何かあったら真司君がなんとかしてくれるわよ。」
「それでも…」
「あなた、真司君の事気に入ってるんでしょう?いいじゃない。本当にやばかったら私達に言うでしょうし…」
「しかし、今はほら…ネットでの誹謗中傷とかあるじゃないか…夜は1人で抱え込みそうで…」
「大丈夫よ。真司君が気付くわ…それに…もし、私の愛する家族を誹謗中傷なんてしようものなら………」
バキン!
「……ね?」
「そ、そうだな。わかったよ。」
「ところであなた。夜はもう真司君の家に行ったみたいよ?……2人目とか…」
「いやいやいや。流石に…」
「…残念。ところであなた。この茶髪誰の?」
「えっ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「とゆー訳なんですよー。酷いですよねー」
真司の家なう。真司のお母さんにちょっと相談中だよ。最近真司のお母さんとよく会うね。
「あらぁ…仕方ないわよ。夜ちゃんのお父さん夜ちゃん大好きだからぁ…ところで夜ちゃんツイッチャーやってたのねぇ。フォローしてもいいかしら?」
「あ、いいですよー。お父さんには教えないでくださいね」
「はぁい。えっと…あ、これね。あら、意外ね。てっきり『ナイト@真司の嫁』とかかと思ったのに…」
おう…ばれとる…
「いやー、やろうと思ったんですけど…真司に止められちゃって!」
「当たり前だ。本名出す馬鹿がどこに居る」
「あら?嫁って所は否定しないのね?きゃー!」
こ、これは…!真司の反応が気になる所…否定されたら結構傷つくけど…
「まぁな…好きだし」
「真司…」
きゅんっと来ました。やばいやばい。
「ラブラブねぇ…あら夜ちゃん女の顔♪」
「ふにゅっ!?…あ、あっ!真司のお母さんフォロワーの数凄いですねっ!?なんでこんなに!」
うぅ…顔熱い…
「あ、あぁ!俺の母さんは色んな所行くのが趣味でな?しかもその辺りの隠れ家的名店を見つけるのがめちゃくちゃ上手くてな。俺の母さんが呟いた場所には外れがないって評判なんだ。」
「照れるわねぇ…うふふ」
…ほえー。凄いなぁ。真司のお母さんって色々と凄いよね。
「そんなに凄くないわよー」
読まれた!?
「読んでないわよぉ?」
「読んでますよね?」
『読んでないわぁ』
コイツ直接脳内に…!
「なに遊んでるんだお前ら。」
「えっ?なんのこと?遊んでないよ?」
「「ねー」」
「女子高生か!」
「女子高生だよ!」
「女子高生よぉ」
「何言ってんだ母さん!」
まぁ、女子高生っていう感じではないよね。おばさん。どちらかと言えばNo.1キャバ嬢の服が大人しい版みたいな。妖艶?って言うの?ちょっと羨ましいなぁ…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「さて、おばさんもお出かけしたし…いちゃラブタイムだよ!」
飛びかかりっ!
スッ…
「へぶっ!?な、なんで避けるのさ!」
顔から行ってしまった…痛い…
「いや…飛びかかられると…つい…」
「ついじゃないよ!」
「はい」
「はいじゃないが」
「ごめんなさい。」
「傷ついたよ…僕はダイヤモンドハートなんだよ!」
「めっちゃ頑丈じゃねぇか。」
「劈開性があるんだよ!真司からの衝撃に弱いんだよ!うわぁぁん!割れた!僕の心は今完全に真っ二つだよぅ!」
「わ、悪かったって…もう一度こいよ…な?」
「よ、よし…行くからね…そりゃ!」
すっ。
「ふにぎっ!」
「あ」
…なんだろう。真司は本当は僕の事嫌いだったりするんだろうか。いや、前は受け止めてくれてたのに…嫌いになっちゃったりしたんだろうか…ううん。そんな訳ないよね、僕と真司は恋人だもんね。そう。恋人。特別。愛し合ってるの。だから大丈夫。大丈夫。大丈夫…
「…すまん。からかっただけなんだ。まさかそこまでショック受けるとは…」
「………なんだそっかー!じゃあ許してあげよう!」
「すまなかった!」
「もういいってば!うへへへ。真司は照れ屋だなぁ…」
ギュッ
「愛してる。」
「ぴっ!?」
…ほ、ほうほう。中々やるじゃないですか…そんなどストレートに来るとは思いませんでしたよ僕。
「僕も好き〜♪ねーねーキスしようよキス!」
「分かった。」
…ふふふ…やっぱりいいなぁ…真司とのキス…頭蕩けそう…
「…そういえば明日から学校だね…」
「そうだな」
「学校行きたくなーいー!勉強やだー!」
「勉強しなくていい頭もってる癖になにを…」
「まぁね…でも寝てると怒られるし…」
「そりゃそうだろ。寝るなよ」
「天才には沢山の睡眠が必要なのですっ!まぁいいや。授業中のキリッとした真司も嫌いじゃないしね。」
いつもの優しい目もいいけど黒板に向かってるあの時の目も…それに部活の時の燃えてる目とか、あぁ…真司全部かっこいいよ…
「…あの視線はお前か…」
「うん。最近の趣味は真司ウォッチだよ!」
僕の中で空前の大ヒットです。
「ちょっと怖いんだが。」
「い つ も み て る よ」
「ちょっとどころじゃなく怖いんだが。」
「あはは。冗談冗談!流石に真司ばっかり見てられないからね……あれ?前はずっと見てたような…あれ?」
「………ストーカーか?」
「彼女さんです!」
「そうか。」
うーん。なんかちょいちょい記憶に矛盾が…なんでだろうねぇ…
『やっぱりキスっていいよね。なう。』
あれ、メッセージだ。
『そういうのは呟かないようにしなさい。』
『ごめん☆』
光に怒られちゃった。
…あれ、もう一つメッセージが…おばさん?
『あら^ 〜』
『なんかごめんなさい』
・・・・・。
おばさん見てるんだったあぁぁぁ!忘れてたあぁぁぁぁ!うわぁぁぁ!恥ずかしいよおぉぉぉっ!