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結果発表

ご協力ありがとうございました!

「勝った!僕が1位だ!」


「おめでとう。」


「おめでとー」



「ふふ。これで僕の人気が証明されたね…!流石主人公は格が違った!」


「1票差だけどね。」


「分母が小さいからな。」


「うるさいな…勝ちは勝ちだよ!僕に投票してくれた方ありがとう!」


「みなさんありがとうございました。」


「さぁ…僕のメイン回が始まるよ!きっと真司とイチャイチャする回に…」


「あ、それなんだけどな。夜は常にメイン回みたいなもんだから、メイン回は無いってさ。」


「へっ?…えぇ…そうなの?」


「ああ、代わりにパラレルストーリー的なものになるらしい。」


「そ、そうなの?」


「へー。夜の違った一面が見れるって訳ね?」


「そういう事だな。それじゃあ、スタートだ」


「ふふん。別世界での僕の活躍…しかと見せて貰おうか!」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


杉下 夜・パラレルワールドストーリー


『彼の居ない世界』











今日もまた、憂鬱な1日が始まる。



私が女になってそろそろ1年が経とうとしていた。


私が男だった事を覚えている人は誰一人として居らず、私は誰と会う時も仮面を被る事を必要とされていた。


その為、家ですら安息の場ではなく、一息つけるのは夜、布団の中でだけだった。


私の心は、だんだん疲労していった。


誰かに話したかった。誰かに聞いて欲しかった。誰かが覚えていて欲しかった。


そんな願望は一つも叶わない。しかし普通の生活を送らない訳にもいかないので、私は今日も学校へ行く。



「夜!おはよー♪」


「…おはよ。」


登校途中に話かけてきたこの女の人は光。私の友達。でももちろん私の正体は知らない。


「ねぇ知ってる?また人、殺されたんだって…やっぱり首を切り裂かれてたらしいよ…」


「そうなんだ…怖いね…」


「夜も気をつけなよー?この近くでも被害にあった人、居るらしいからさ…」


「私は大丈夫だよ。それより光の方が気をつけたほうがいいよ。部活、遅くまでやるんでしょ?」


「私は大丈夫っ!」


「そう…」


最近日本各地で起こっている犯人不明の通り魔事件。証拠も目撃証言も無く、共通しているのは首をばっさり切り裂かれるという殺され方だけで、警察も困っているらしい。



でも、私が死ぬ訳ない。だって…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ふぅ…疲れたなぁ…」


今日の学校も取り敢えず何事も無く終われた。それだけで充分だ。



「…お腹…減ったな…夜になったら、また行かなくちゃ…」


この言葉はお腹が減ったなら夜ご飯まで待て。という意味ではない。



私は吸血鬼なのだ。血を吸わないと生きていけない。そんな面倒な『イキモノ』


女になって、しかも吸血鬼で。自分の身に起こった事ながら、笑ってしまう。



「はぁ…」


こんな時、誰か側に居てくれたら…な…










「…今日はちょっと遠くまで行こうかな…」


夜、私の両親が寝静まった頃、私は姿を消し、翼を出して飛びだした。人の血を吸う為に。


私の姿は見えないとは言え、人がたくさん居る中で血を吸うのは避けたい。だから、あんな風に1人で歩いてる人を狙う。


どうやら若い女性のようだ。不用心じゃないかとも思うが、私にとっては好都合だ。



「…ぅっ…?」


叫ばれたり抵抗されると面倒なので、魔力で声と動きを封じておく。




いただきます。




ガブっ!ジュー…



「…不味。」


年寄りよりも若い人、男よりも女の方が血は美味しい。と言っても些細な差であり、正直すすんで飲みたいとは思わない。けど、飲まないと生きていけないのだ。仕方が無い。


これで食事という目的は達成された。













後は、私の『オタノシミ』。




今さっき血を吸う為に牙を突き立てた首をスッと指でなぞる。すると



ブシャァァァァ!



それだけで首がぱっくりと裂け、赤黒い血が噴水のように吹き出す。


「あはっ!あははっ!あはははは!」


声は出ない。体も動かない。でも、痛みは消してない。


恐怖。驚愕。苦痛。絶望。そんな感情の入り乱れた顔。


「あは…♪やっぱりこれ…最高…♪」


それを見ていると、私の疲れきった心が少しだけ癒されていく。


段々血が弱くなり、ぷつりと糸が切れたかのように地面に倒れこむ


「あ…もう死んじゃったの?…つまんない…」


…人間って、脆いよね。


でも、これで明日も頑張れる。さぁ、帰ろう。










また、憂鬱な1日が始まる。


「おはよ!ねぇ、また殺されたんだって」


「怖いね…」


「夜!何かあったら私にいいなよ!私が助けてあげる!」


「…なんでそんなに私に優しいの?」


「何言ってるの。私と夜は友達でしょ?」


「そっか。ありがと。」


そう、私と光は友達。きっと光は私の事を信用してくれてる。




もし、そんな私に殺されたら、光はどんな顔を見せてくれるのだろうか。



あぁ…♪想像するだけで…♡



ダメだダメだ!光は友達だぞ。友達を殺したい、なんて…





でも、友達だからこそ…





いや…ダメ…だめ…


殺したい…だめ…






ダメだやりたい殺す殺すな殺したい死なせたくない友達だから友達だからこそ殺したい殺すな殺したくない見たい見たくない死ね殺すダメ嫌殺し殺すやめろ友達殺したくない殺したい死ね殺させろダメ見たい殺したい殺さない殺せ死ねやれやるなダメだ殺せ死ね嫌だ死ね殺せ死ね死ね殺したい見たい殺せ殺せダメ

#☆¥$€%°=>5+*7:|\〒・°!!
















「あはっ♪」


ザシュッ!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…………」


「………うわぁ…」


「これ僕じゃない!これ僕じゃないからぁ!」


なんて酷い奴だ!僕!


「今まで生きてきて、これ程佐々木君が生まれてきた事に感謝した事は無いわ…」


「あぁ、俺も俺の両親に感謝してる所だ。」


「ちょ…あの…」


「佐々木君…死なないでね…!」


「あぁ…!この世界の夜は救ってみせる!」


「…こらー!僕を置いて話を進めるな!ていうか、メイン回が酷すぎだっ!」


「パラレルワールドストーリーだってば。」


「…大丈夫。俺は居なくならないぞ。」


なでなで…


「えへへ♪そぉ?じゃあいいや…もっと撫でて〜♪」




本当の僕はあんなじゃないからね!


「あーいいな。私も撫でる。」


「ふにゅ。…まぁ、許してあげよう…」


パラレルの僕が殺しちゃったお詫びとして…ね。


「あー夜撫でるの気持ちいい〜♪ちっこくて可愛いし♪うふふ…」


…な、なんか身の危険を感じるんだけど…


「夜、膝枕してあげよっか♪」


「え?い、いや…別に…」


「そう…?」


あぁ!なんか凄いシュンとしてる!


うぅ…仕方ないな…


「分かったよ!されてあげよう!」


「ありがとー♪」


…ふぅ。おお。中々気持ちいいな。真司とはまた違うこの感じ…


「それで真司が撫でてくれたりするととても嬉しいのですが。」


「分かったよ…くっ。腕が…」


おお眠い眠い…寝ちゃお。


「あふ…お休み…」


「うん。おやすみー♪」


「おやすみ」


真司は大好き…けど、光だって好きなんだよ。僕。

パラレル夜が思ったより壊れてしまいました。

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