素直なキモチ
急展開☆
反省はしてる。後悔はしてない。
ドカン!
「何だっ!?」
「真司!僕だよ!」
「……だろうな。扉をぶっ壊して入ってくるのはお前くらいだ…直せよ?」
「もう直ってるよ!ところで真司!聞きたい事があるんだ!」
「… 相変わらずの魔力だな。ていうか、お前なんかテンション高くないか?」
「大好きな真司に会えてるんだからそりゃテンションも高くなるよ…!でね、聞きたい事っていうのがね!」
「…なんだ?」
「真司、僕の事好き?」
「……なんなんだいきなり…あぁ、好きだよ…」
「良かった…両想いだね…じゃあ真司!早速愛の営みをしよう?僕と真司の愛の結晶を作ろう?イチャラブチュッチュしようっ?」
「…………は?」
〜〜〜〜〜ちょっと前。〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「夜。見てよこれ。」
「…どしたの光…何この大きな機械?」
「ふふふ…良くぞ聞いてくれました!」
…聞かなければ良かった。
「これぞ!私やマスターや小林君や橘さん達と一緒に全員の総力を結集して作った装置…その名も!『スナオニナール1号』」
…総力を結集して何を作ってるんだこいつら。
「…それにはどのような効果が?」
「なんでそんな冷めた目で『仕方ないな』みたいな目で聞くのよ。魔力と聖なる力とマスターの技術と橘さんのプログラム知識と妄想で作り上げた世界的な発明よ?」
…まぁそれだけ人外が集まれば…ていうか、そこに名を連ねられる橘さん凄いな…
「…で、能力は?」
「…ふふ…これは人の潜在意識の奥底にある1番強い願望を表面に無理矢理浮かび上がらせる装置よ!その願望には理性など無力!欲望のままに行動してしまうの!」
「…なんでそんな物作ったの…」
(夜の為に決まってるじゃない。夜がいつまでもヘタレだからよ…)
「…で、それを僕に見せてどうしようと?」
「…ん〜…実はちょっと問題があってね…ここ見てくれる?」
…レンズ?
「…ここに何の問題が?」
「その奥の所なんだけど…」
「…ん〜?」
ピカッ!
「うあっ!?」
…び、びっくりした…
「…何、今の…」
「問題って言うのがこれでね…こうやって覗き込んで貰わないと発動しないのよ」
「…へー…うん?それって…僕、今これにピカッとやられたけど…」
「…もちろん。掛かったわよ?」
「…な、な…何してんだよ光ぃぃ!?」
「ふふ。もう既に効果は出ているんじゃないかしら?」
…い、いや。僕吸血鬼だし、『真司に会いたい』最強だし?『真司に会いたい』こういうのに『真司に会いたい』掛かる『真司に会いたい』訳『真司に会いたい』
「…あう、あうぐぐ…」
「そのうち微かな理性も無くなるわ…。さぁ、欲望のままに行動しちゃいなさい!」
ふ『真司に会いたい』ざ『真司に会いたい』け『真司に会いたい』『真司に会いたい』『真司に会いたい』『真司に会いたい』『真司に会いたい』
「…会いたい…」
「…結構早かったわね。それだけ欲望が大きかったって事かしら…じゃあ私は帰るわね。検討を祈ってるわ!」
「……真司に会いたい。…今すぐ。」
しゅぅん!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「…え?だって僕の事好きなんでしょ?だったらいいじゃん?」
「い、いや…俺が言ったのは「僕は真司の事異性として好きって言ったんだよ!真司は好きって返してくれたじゃないか!だから合意の上って事でしょ!?」
「ま、待て待て待て!なんかおかしいぞお前!何があった!」
「…ふ、ふふ…僕は素直になったのさ…今の僕の欲望は誰にも止められないよ…」
「おい!落ち着け!」
ゴン!
「痛い…ふふ、真司が僕を殴ってくれた…えへ…これは僕の体に自分の物だって証拠を付けたいって思ってるって事だね?大丈夫だよ真司、そんな事しなくても僕は真司の物だよ!」
ダメだ…なんかダメな方に駄目になってる…なんでこんな事に…
ブブブ…
…ん?
【青山】
『今頃は夜に熱烈なプロポーズを受けてる頃かな?頑張ってね!』
…こいつなんかしやがったな!?
くそ!取り敢えず青山に話を…
「ダメだよ真司。こんなもの見てちゃ。僕がここに居るんだから僕の方見てくれなくちゃ。」
「…俺のスマホ!?くそ!相変わらずのチート能力…」
「ほら、真司…早くしようよ…」
「いや、待て。一回落ち着け。今のお前は普通じゃないぞ。」
「普通じゃない?普通じゃなくしたのは真司だよ。真司が僕の心を狂わせるんだ。ほら、胸、触ってみて?凄くドキドキしてるでしょ?真司と会ってる時、いつもこうなんだ。もう慣れたけどさ。」
「…お前、胸薄いな。」
なんとか話を逸らさないと…なんか色々今の夜はまずい…
「…ふふ。そうかな?でも大きいと感度悪いって言うし、このくらいの方がいいと思うよ?それに僕は大きくしようと思えば簡単だしね。ふふふ。だから真司。もし胸の大きい人が居てもそんな奴の事見ちゃ駄目だよ?真司は僕以外見ちゃ駄目なんだからね?」
「…い、いや。普通に生活してる以上誰かを見るのは仕方ないんじゃ…」
「…普通に生活してたら無理なの?まぁ、そうだよね。真司人気者だもんね?」
「そんな事は…」
「…嘘。知ってるんだよ僕。真司と仲がいい友達が沢山居る事も、何度も告白されてる事も。ねぇ。そういう話を聞いた時、僕どういう気持ちだと思う?すっごく寂しかったんだよ?真司が僕から離れてく気がして…捨てられるんじゃないかって不安で…でも我慢してたんだ。いつも一緒だったって?あれでも我慢してるんだよ?本当ならずっと一緒に居たい。でもそれじゃあ真司に嫌われる。捨てられるって…ずっと我慢してきた…」
「俺がお前の事捨てる訳…」
「ない?言い切れるの?分からないよ?先の事なんて誰にも分からないでしょ?僕が鬱陶しくなる事だってあるかもしれない…そしたら僕はどうすればいいの?僕には真司しかいないのに真司に捨てられたらどうすればいいの?…ふふ。友達の多い真司には分からないよね。この恐怖…『唯一の親友』で、『愛する人』に捨てられるかもしれない…なんて恐怖…」
「…………」
「…あ、ごめんね?困らせるつもりじゃなかったんだ…まぁ、何が言いたいのかって言うとね。取り敢えず、僕の気持ちを真司に伝えようって、そう思ったんだ。もし僕の事好きなら…抱いてくれると嬉しいなぁ…」
「…お、俺は…」
「…あ、いいんだよ?別に、断ったって。僕は真司の意思を尊重するからね?まぁ、でも、…ふふ。断られたからって諦めないし…断られたら断られたで別のやり方があるし…ね?」
ジャラ。
「…今なんかジャラって言わなかったか?」
「…え?気の所為じゃないかな…で、真司、どうかな?僕の事好き?僕と付き合ってくれる?僕の事孕ませてくれる?」
「…いや、そうだ。少し時間をくれ。よく考えて答えを…」
「よく…考えて…?よく、考えないと、駄目なの?それって、今の時点じゃ、僕の、事、好きじゃないって、そういう、事なの?」
「…い、いや。そういう事じゃなくてだな…」
「…あぁ!そっか!分かった!僕の気持ちがまだよく分からないんでしょ?そーだよねそーだよね。普段からよくこういう冗談言ってるもんねぇ…なら話は簡単だよね。本気だって所を見せてあげるよ!」
「…え?」
ガシ!
「ふふ…いくよ?僕、初めてなんだぁ…」
夜の顔が近くに…これはまずい…
…あれ?
「……………すぅ……」
「…寝てる?…助かった…のか…」
危なかった…
取り敢えずあれだ。青山に話を聞こう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『なるほど。その装置で夜がおかしくなったのか…』
『おかしくなった。訳じゃないわ。心の中に溜め込まれてた物が表に出てきただけよ。』
『…あんな事、考えてたんだなぁ…』
『体験した佐々木君なら分かると思うけど、あんな重い気持ちをずっと抱え込んでたら夜はいつか壊れるわ。佐々木君がどうなのかは分からないけど…ちゃんと面と向かって気持ちを伝えてあげて?』
…俺は…どうなんだ?夜に好きかと聞かれて好きだとサラッと返せた…あの好きは、どっちの意味だったんだ…?
…いや、もう答えは出てるのかもな。
『分かった』
『頑張ってね〜』
「…ん…んぐぐ…あれ?ここどこ?真司の家?…なんで?」
「…覚えてないのか?」
「えっと…スナオニナールとかいうふざけたやつを見せられて…」
「俺の部屋にきて、ゲームとお菓子を寄越せって大暴れしてたぞ。」
「嘘っ!?は、恥ずかしい…」
「いや、お前だいたいいつもそんな感じだから…」
「…い、いやいや…それは流石に…あーもう!僕帰る!じゃーね!」
「おう。」
…さて、いつ伝えようか…