来襲
…ねむねむ…
あ、光だ…なんか光に聞かなきゃいけない事が…あ、そうだ!告白!
「…光っ!どうなった!?」
「…あ、夜…」
か、顔色がよろしくない…どうしたんだろ…
「…あのね…あの後ね…断ったの。同姓とは付き合えないって…断ったのよ…なのに…」
「な…なのに…?」
「『そうですか…じゃあ!私は先輩を堕として見せますっ!諦めませんからッ!』…って…」
「…アイサレテマスネ」
「…片言なんだけど…」
…流石肉食系女子ですね…うん。
「…頑張ってね…」
「うん…頑張る…よし!そうと決まれば夜をモフるわ!」
「…はい?」
「うりゃー!」
ふにふにふにふに。
「にゃー!?なんでそうなるのぉぉ!?」
やっぱり光はレズだ!間違いないっ!?
「先輩っ!?わ…私を差し置いて何を…!」
「…へ?」
「あっ。」
なんか茶髪の髪がふさふさした感じの小さい子が…
「…酷いですっ!私ももふもふして下さいっ!先輩…いえ…お姉様っ!」
なんか凄いテンションで喚き散らすんだけど。ていうか、お姉様とか現実で言う人とか居るんだ…
「…えーっと。光。この子が…もしかしなくても?」
「……うん。」
「…はは…愛されてるね…ははは…」
「…乾いた笑みを洩らすのやめて…」
「…そこの雌犬っ!お姉様から離れなさいっ!」
「…光。僕この子苦手。」
「私も。」
…ていうか、雌犬って僕かよ。なんで雌犬なんだよ。
「…お、お姉様…私にも…私ともスキンシップを…っ!」
うわぁ。はぁはぁ言ってる。これは末期ですわ。
「…夜。逃げるよ」
「…イエスマム。」
…ダッシュ!
「…これからは僕を巻き込まないでねっ!」
「そんな事言わずに一緒に対策を考えてよぉぉ…」
「…お姉様…足速いです…そんなところも、す・て・き♪…でも、あの雌犬は許せない…」
…おおう。悪寒が…
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「…ぜーっ…ぜーっ…」
「…ふぅ…危なかったわね…」
「…はぁ…はぁ…あの子…怖い…」
「…断らない方が良かったのかしら…」
「いや、断らない方がやばかったよ。多分」
もう付き合ったら多分独占欲の固まりだよ…僕の事雌犬って言いきったし…
「…はぁ…また後でね…」
「…うん…」
あ、真司もう来てた。むふふ。真司はやっぱりかっこいいなぁ…
疲れ果てた心と体に真司が染み渡るよぉ…うへへ…真司…もうちょっと近くに行きたいなぁ…触りたいなぁ嗅ぎたいなぁ埋まりたいなぁ…
…おっとおっと。これじゃ僕もあの子の事言えないよね。
さて、今日も勉強頑張るよ。
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「…え?水谷君あの子の事知ってるの?」
「はい。あいつ外見はいいんですけど…あの…ガチレズでして。」
「ガチレズだねぇ。」
「…しかも独占欲強くて…俺達は色々苦労させられましたよ…」
「そうなんだ…因みに達って言うと?」
「あぁ、俺と、あいつと、あと、知ってます?サッカー部の神谷って奴…」
あぁ、真司が言ってた…
「…うん。噂程度だけどね。」
「俺たちはまぁ…色々あって仲良いんですよ。」
「へー。友好関係広いねぇ…」
「…でもなんでいきなりそんな事を?」
「あぁ。なんか僕、その子に『雌犬めっ!』って言われちゃってさぁ…」
「…マジですか…大変ですね…俺からも言っときますんで…」
「うん。よろしくね…」
…はぁ…あの子…めんどくさい…あ、そういえば…
「あの子名前なんて言うの?」
「あぁ…内村です…内村めぐみ」
「へぇ…」
「「はぁー」」
…あ、ため息かぶった。
「…なんか、本当すいませんね」
「いやいや…君のせいじゃないよ…」
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「雌犬っ!お姉様から手を引きなさいっ!」
「げっ。」
…めんどくさいのが来た…
「…あのね?僕は雌犬じゃなくて杉下夜っていう名前が…」
「うるさいわね!あなたの名前なんて聞いてないのよっ!手を引きなさいっ!」
…うぅ…僕こういうの苦手…
「あのね。まず一つ誤解があるんだけど…僕と光は別にそういう関係じゃないっていうか、光は…まぁ置いとくとして僕はノーマル…」
「騙されないわ!犯人は皆そう言うの!」
なんの犯人だよ…
ガシッ!
おお?なんか腕を後ろから羽交い締めにした人が…
「おいこらめぐみ!先輩に迷惑かけんな!」
おおっ!水谷君っ!
ガシッ!
「…そうだぞ。お前は全く…」
おおっ!多分神谷君!
「は、離してよっ!私はこの雌犬をぼこぼこにぃ!」
「…え?僕ボコボコにされるの?」
…怖っ!
「…すいません先輩っ!頭冷やさせてきますっ!失礼しましたっ!」
「…失礼しました。」
ずりずり…
「ちょっと離しなさいっ!このっ!」
あ〜引きずられてく…なんかドッと疲れちゃった…帰ろ…
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「…という事があったんだよぉぉぉ!」
「…お疲れ。」
疲れたよぉ…真司くんかくんか。ペタペタ。ぺろぺろ。もぐもぐ。
「…何してるんだお前は…」
「癒してもらおうと思って。」
「…まぁ、許してやろう…大変そうだしな…」
真司優しいっ!
「…うぅ…僕レズじゃないのに…光の恋人でもないのに…なんでこうなるの…」
ぐすんぐすん。
「よしよし。まぁ、あれだろ…恋の力は恐ろしいからな…」
「そうだね…」
恋かぁ…僕には無縁の言葉だなぁ…
「…はぁ…僕恋とかしたくないよ…」
「……そうか。」
「うんうん。ここで真司と友情を育むのが1番だねっ!」
「…………」
あれ?
「…なんで黙るの?僕と友情育むのが嫌なの?僕と真司は親友同士でしょ?え?なんで?なんで真司は僕と友情を育もうとしないの?もしかしてこのままでいいとか思ってるの?違うよね?僕達はもっと高みまでいけると思うでしょ?思うよね?そうでしょ?…もしかして僕の他に親友ができたとか?そうなの?僕以上に大切な人ができたとでも言うの?僕が1番だったんじゃないの?なんで他の奴と友情育もうとしてるの?そいつ誰?僕以上に真司の心を奪ってるそいつは誰っ!?」
「お、落ち着け…お前が1番だし、お前ともっと友情深めたいと思ってるから落ち着け…今のはちょっと考え事してただけだから…」
・・・・・・・・・・・
「…じゃあ、許す。全く。僕の話を聞いてないなんて…」
「悪かったって…」
「じゃー僕帰るねー」
「おう。」
やれやれ。しかしあの子には困ったもんだね…
愛って怖いね。人を簡単に惑わせちゃう…僕にはまだよくわかんないや。
後輩達が出てきて一気に賑やかに!
…この小説に出てくる女子にマトモなのが少ない気がするんですが、気のせいですよね?