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君と会った日

前半部分は「やらないか♀」を流しながらお楽しみ下さい。


「う~~トイレトイレ」


今トイレを求めて全力疾走している僕は中学校に通うごく一般的な女の子。強いて違うところをあげるとすれば真司に興味があるってとこかな・・・・・・


名前は杉下 夜。(すぎした よる)。そんなわけで帰り道にある公園のトイレにやって来たのだ。


ふと見るとベンチに一人の若い女が座っていた。うほっ!綺麗な女・・・そう思っていると突然その女は僕が見ている目の前でスカートのチャックをはずしはじめたのだ・・・・・・




「やらないか♀」



イヤァァァァ!!


僕は逃げた…あの女の人はやばい…捕まれば確実にヤられる…!


「…はぁ…はぁ…なんとか逃げ切ったかな…」


全速力で走り抜け、ほっと息を吐いて後ろを振り向くと…



「いいの?ホイホイ逃げちゃって?私は逃げる獲物を狩るのが大好きな女なのよ?」


アッーーー!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…と、まぁ。これが僕と光が始めて会った時の事だよ。…貞操はなんとか守ったよ」


「…光…まさかそこまでだなんて…」


「…そっからどうやって友達になったの…?」

「…まぁ、なんやかんやあって。」



…もちろん捏造ですけどね。意外と皆信じるんだね。



ゴゴゴゴゴゴゴ…!!



「……殺気!?」


「…はっ!?」

「ふわっ!?」


「…よ〜る〜?」


ししししまったぁぁぁ!光の接近に気づかなかったぁ!


「本田さん!橘さん!逃げて!ヤられるよ!」

「いやぁぁ!」

「きゃぁぁぁ!」



「まちなさいっ!夜!お仕置きよっ!」

「お仕置き(性的な)なんてやだぁぁぁ!」

「だからなんで私をそういう属性持ちにしようとするのよぉ!」


逃げろぉぉ!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…ふぇあ?僕の一人称がなんで僕なのかって?」

「そうそう。あと、佐々木君と始めて会った時の事もね。」

「えぇ…なんで僕がそんなことをー」


「いいじゃない。気になるのよ」


…うーん…なんかでっち上げるしかないなー…


「…そうだなぁ…その2つの質問は、実は同時に答えられるんだよね」

「そうなの?」

「うん。それじゃー『夜ちゃん劇場〜親友との出会い〜』はっじまるよー」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



僕はね、実は小さな頃から僕って言ってたんだ。なんでかって言うとね、小さい頃から遊びに行ってた公園があるんだけど…そこで僕、男の子とばっか遊んでたんだよ。こういう性格だからね。


…光、何その顔?…まぁ、いいけど。


でね、その男の子達と遊んでる内に、僕っていう一人称が僕に移ったわけ、…うん。まぁこれだけならこの歳まで僕で通してないよ。


…ここで、真司が出てくるんだけどね?


『僕』っていう一人称は普通、男の子でしょ?まぁ、僕の親は別に気にしなかったよ。そういう人達だからね。


…でも、僕の同級達はそうじゃなかった。…うん。僕は…イジメにあってたんだ…


イジメって言ってもそんなに凄い物じゃないよ?


バカにされたり…蹴られたり…今なら反撃できるけど、その頃の僕は…弱かったんだ。


…今考えれば、一人称くらいでそんな事しなくても…って思うんだけどね。


…イジメの主犯格は大体…っていうか、ずっと男子だった。男子と遊んでたからね…


僕も一人称を直そうとしたよ…けどさ、急いで直してももう皆に知られてたし…ふとした所で出ちゃうんだよね…


…辛くて、苦しくて。いつも1人で泣いてた。親には心配かけたくなかったから、布団で…


居なくなりたい。この世から消えてしまいたい。そう思ってた…でも、死ぬのは怖かった。


何処にも逃げられなくて、どうしようもなかった。密室に閉じ込められて、一酸化炭素を送り込まれてる気分だったね。


…真司と会ったのは…その頃だったかな…


…なんだよ。こっから良い所なのに、なんでもう泣きかけてるの?泣きたいのこっちだよ。トラウマを話してるんだよ?


…ううん。別に。今はもう、殆ど覚えてないしさ…


…その日も、僕はイジメられてた。




「んだよお前!女の癖に僕、僕ってよぉ!」


ガスッ!


「痛…痛いよ…蹴らないで…」


「気持ち悪いんだよ!この…男女が!」


バシン!


「ぎゃん!…うぅ…ごめんなさい…もうやめて…」




「…おい、てめぇら…何してんだ?」




…?うん。真司だよ。…でも、その時は『また、1人増えた』…そう思った…ていうか、そうとしか思えなかった。


…でも。


「…てめぇら…よってたかって女子を蹴ったり殴ったり…許さねぇ!」

「な、なんだよ!お前には関係無いだろ!ヒーロー気取りか!」

「うるせぇ!」



ぼかっ!ごすっ!


…人を殴ったり、蹴ったりする音が聞こえたよ。でも、僕は見てなかった。もう、見たくなかった。


…だって、真司がやられてると思ったんだもん。僕は大人数でやられてて…真司は1人で、それに立ち向かって行ったんだ。


…僕は心の中で謝ってた。ごめんなさい。ごめんなさい…って。僕なんかの為にあの人はやられちゃったんだ…って。


…でもね。思ったんだ、僕の為に殴られるなんてダメだって。なんとか…やめてくれるように頼んでみようって


それで、勇気を出して、顔を上げたんだ…そしたら。


「…大丈夫か?」


…うん。真司だったよ…無傷だった。


「…なぁ、どうして蹴られてたんだ?」

「…知らないで…助けてくれた…の…?」

「はは…」


…話したよ。全部。そしたら真司ね、こう言ったんだ。


「…なんだ、そんな事か…そんな事で…こんなになるまで…」

「……」


「…よし、お前、名前なんて言うんだ?」


「…杉下…夜…」

「夜か!いい名前だ。俺は佐々木真司…真司って呼んでくれていいぞ?…なぁ、夜。俺と友達になろうぜ?」


「…え?」


…何言ってるのかわかんなかったよ…友達になろう…なんて、久しぶりに聞いたからさ…


「よろしくな…夜。安心しろ、俺の友達になったからには…もう二度とあいつらに手を出させない!」

「…本当…っ…?」


「…それに…だな…」

「…なに?」


「…俺は…僕っていうの…可愛いと思うぞ?」


「………っ!」


…涙が止まらなかったなぁ…嬉しかった。うん…とってもね。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…と、まぁ。これが僕と真司の出会いだよ。真司が可愛いって言ってくれたから…僕ってずっと言ってるんだ」


「…なるほど、夜が佐々木君にベタ惚れなのも分かる気がするわ…」

「…佐々木さんかっこいいです。」


「…むふふ。じゃーねー」






「…という設定になったからよろしく。」

「よろしく。じゃねぇよ!なんだその小っ恥ずかしい設定は!?」

「…まぁまぁ。」


「…はぁ…まぁいいけどよ…」

「うんうん。いいじゃん。真司の株は急上昇だよ!」

「…しかし、よくそんなのスラスラ出てきたな…」

「…頭いいからね」


…妄想して楽しんでましたごめんなさい。



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